「2020年の恋人たち」を読みました

書籍情報

タイトル

2020年の恋人たち

著者:島本 理生

1983年、東京生まれ。2001年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作、03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞、15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞、18年『ファーストラブ』で第159回直木賞を受賞。主な著書に『ナラタージュ』『大きな熊が来る前に、おやすみ。』『あられもない折り』『夏の裁断』『匿名者のためのスピカ』『イノセント』『あなたの愛人の名前は』『夜はおしまい』などがある。

巻末より抜粋

出版

中央公論新社

ストーリー

2018年春、不慮な事故で母が亡くなった。

ワインバーを女で1つで切り盛りしていた母に対して、会社員の私は少し疎遠になっていた。30代になってからは仕事も増えて、電話もろくにしなかった。

仲のいい義理の妹、母を愛人にしていた男に、下心をオープンにしている弁護士、引きこもっている恋人。複雑な人間関係が周りにはあった。

自宅のマンションに帰れば、カップ麺の臭いで恋人の生存確認をするような毎日を過ごしていた。

母親が移転して新しく始めるはずだったお店を継いでもらいたい。とそんな話が舞い込んできた。最初は乗る気じゃなかった。なんかの冗談かなにかだと思っていた。

瑠衣からメールが届く、「やっぱり、お店まかせたいみたいだよ。」

私は頭に血が上りやすいことが母に似ている。

義理の兄がキッチリしたスーツで来る。いかにも神経質な装いの恰好だ。
「千駄ヶ谷に移転するワインバーの件…会社があって店なんて無理でしょうし…」
決めつけたかの様な言葉に
「情報がないので判断もできません。」と反射的に答えてしまう。
「実際問題、無理ですよね。…夜の仕事をされていた女性には、そんな気持ち分からないでしょうけど」
感情的になって、論点の違うことを言い出す義兄。
「思うに、新しい店舗の内装工事諸々の費用って、母の自己資金ですよね?だから私に話がきたんじゃないんですか?」

そんなこんなで、母が開くはずだったお店を継ぐようになった。

義兄の顔思い出し、やけっぱちのような気分でスタッフ募集の張り紙を取り出していた。

2020年の東京を、このお店で一緒に作りましょう。」

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東京オリンピックまでに、どう飲食店を切り盛りしていったのか。

主人公の過去や恋愛ストーリーと共に楽しめるお話です。

登場人物

  • 前原 葵

2018年春の段階で32歳。

母が開くはずだった店舗を引き継ぐことになる。 主人公。

スナックを経営してた母に、女で1つで育てられた。

頭に血が上りやすいと自負しているものの、かなり理性的でシッカリしている印象がある。

「母の周りの人達」に馴染めず、どこか閉鎖的なところがあるため他人に対して過度な期待をしていないし、頼らない。

  • 瑠衣

主人公の葵の義妹。20代

葵とは仲が良い。葵のことは、とても慕っていて頼りにもしている。

姉の葵とは正反対のような性格をしており、素直。

2018年の時点で4歳の波留という子どもを持つ、一児の母。

分け合って、実家に暮らしている。

  • 松尾 環二

葵が張り紙をしたスタッフ募集の公告に惹かれて、スタッフとして雇われにきた人。31歳。

お店の常駐スタッフとなる。

丸みをおびた顔に人懐っこい笑みを浮かべる親しみやすい人柄。

料理人の免許を持っていて、料理に関しては凄腕。飲食店の知識も豊富で頼りになる存在。

持病を持っていて、上手く付き合いながら働くことになる。

  • 弓子

葵の叔母で、唯一の肉親。

夫に離婚を迫られて、日本に帰ってきた。

葵のことは、昔からそれとなく気にかけていた。

「何かしてあげなきゃ、助けなきゃ」と思い込んでいた葵に、「他人は別に好きに生きてるだけだしねえ。」「これからは、1人きりで生きなくていいと思う。」こんなような言葉をかけてくれる存在。

著書の魅力

場所の描写が細かく記述されていて、凄く雰囲気が分かりやすい。著書で紹介されているお店は、良いお店なんだろうなと容易に想像できる。

仕事の出張先、自分のお店、海外旅行と、めちゃめちゃ品数の多い料理が出てきます。美味しそうだな~と、感じる記述にヨダレがでてきそうになります。ちょっと出てくる料理・お酒を書いてみますと…

  • 生麩田楽(なまふでんがく)とお造り
  • 日本ワインに合う牡蠣の昆布蒸し
  • 柘榴のカクテル
  • 無花果のドライフルーツ
  • 小瓶に入った、トロリとした苺
  • リースリング シュール・リー製法で癖がある柑橘系のようなギリシャのワイン
  • 甲州 シャブリ ドライな酸 和食と日本ワインの組み合わせが良い
  • すき焼き 日本酒で炊いたもの 結構な量を使う いい香りがする
  • 焼いたトマトにチーズオムレツ イカバター
  • 紅茶のマフィン
  • 苺のメレンゲクッキー
  • フロランタン
  • トゥーレーヌ・ソーヴィニヨン・ブラン バニラの香り 桃のはちみつみたいな後味 個性はあるけど重たくない 夏向き
  • シチリアのフィーナ シャルドネ 樽の香りと干し葡萄みたいないな熟成感がある ミネラル豊富
  • 山梨の日本ワイン 白 ドライ スッキリ
  • 岩牡蠣があるからシャブリのほうが良い
  • とうもろこし天に、ビールの泡がきめ細かくて美味い 秘訣は樽を早めに飲み切ってしまうこと
  • 3種類のカナッペ
  • 無花果のルッコラのサラダ
  • 魚介と野菜の煮込みのクスクス添え
  • 鴨肉とクレソンの蒸し春巻き
  • 生ハムとチーズの揚げ春巻き
  • フルーツで作った冷えているサングリア
  • 水茄子のお漬物
  • 鶏挽き肉のコンソメスープ 黒胡椒をガリっと軽く挽く
  • レモンの沈んだハイボール
  • 甘い昆布とおかかのおにぎり 優しく塩がきいている
  • 福井では 蟹 甘エビ イカ がオススメ
  • グランピングでバーベキュー
  • 素麺に辛口のなすと豚肉の豆板醤、そしてビール
  • 海苔を添えた塩むすびに蚊来るおかかをまぶして醤油をかける、漬物、豚汁
  • K216 山梨の甲州 白ワイン 熟成させる過程でオークチップを漬け込んでいる ローストナッツのような香り立ち ウイスキーが好きな男性に親しみやすい
  • ビュフェにて ルッコラ、瑞々しい葉野菜のサラダ、魚介のマリネ、ハムやチーズ、温かなスープ、スパークリングワイン、クリームチーズを添えたキャビアのカナッペ
  • 市場では 毛をむしられた兎、エスカルゴ、野菜、果物、魚介スープ、焼いたパプリカ、エビ、ムール貝の出汁が染みたリゾット
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実に美味そうだ。

そんな流れで、2020年を迎える。感染症が猛威をふるい、日に日に死者数は増加していく。

一定期間、自由に外出できないようになる。こんなこと誰が予想しただろう…

と最後に考えさせられるような物語になっています。

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「正直、厳しいですね」と言ってしまった。ある期間は給付金があったからホクホクしたんだけどね。と言っていたしな。

ニュースが全てでは無さそうだけどね。

特需なところもあれば、厳しいところもあるよといったところですかね。

まあ、お金がちらついたら、そりゃあ私でも「厳しいなんてもんじゃない赤字も大赤字ですよ」くらい平気言いますけどね。

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