新時代の中学野球部/著者:大利実

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※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

新時代の中学野球部

勝利と育成の両立を目指す名将の指導論

発刊 2023年8月4日

ISBN 978-4-86255-684-4

総ページ数 283p

著者

大利実

スポーツライターの事務所を経て、2003年に独立。中学軟式野や高校野球を中心に取材・執筆活動を行っています。2021年からオンラインサイトで交流を企画しています。

出版

KANZEN

もくじ

  • はじめに
  • 北海道日本ハムファイターズ 上沢直之投手
    中学の段階で野球の実力は関係ない 工夫や努力の仕方で、将来は変わる
  • 東京・駿台学園中 西村晴樹監督 勝谷大コーチ
    「情熱×愛情×時間=強さ」 日本一へ導いた、心と技術の教え
    • チーム作り
    • 投手指導
  • 鹿児島・鹿児島育英館中 森永顕悟 宮田由貴夫コーチ
    「体作り」「打撃強化」「チーム内競争」3つの柱で頂点に
    • チーム作り
    • 打撃指導
  • 神奈川・相模原市立相陽中 内藤博洋監督
    『バッティングの絶対値』を上げる 日本一に挑む経験が人選の力になる
    • チーム作り
    • 打撃指導
  • 奏野アンビシャス 野澤伸介先生 川口クラブ 武田尚大先生
    地域それぞれの野球振興の形 「野球ができる環境を守ってあげたい」
    • 「奏野アンビシャス」の事例
    • 埼玉県川口市「野球人口増加プロジェクト」の事例
  • 山梨・南部町立南部中 遠藤浩正監督
    「野球=マイナースポーツ」の自覚を持つ 未経験者の技術と心を育てる指導法
    • チーム作り
    • 技術指導
  • 岡山・岡山市立御南中 田島直哉監督
    『効率化』『最短・最大』を突き詰める mustを緩めて、目指すは「面白い野球」
    • チーム作り
    • 守備指導
  • 千葉・船橋市立葛飾中 長岡尚恭監督
    必ず伝えている「感謝の三原則」中学時代に多くの引き出しを身に付ける
    • チーム作り
    • キャッチャー指導
  • 静岡・富士市 遠藤文昭先生 上山友来先生
    合同チームを運営する大変さ 意思疎通を大切に、気持ちをつなげたい
  • 宮城・仙台育英高 須江航監督 猿橋善宏部長
    日本一を知る指導者からのメッセージ 中学生に求められる力と、これからの部活動

はじめに

 野球部に視点を移すと、少子化の流れ以上に部員数が減り続け、2002年約31万5000人、2012年が約26万3000人、そして昨年2022年は14万1000人、合同チームが増え、ひとつの学校では9人揃わない事例が出てきているのが現状です。

 本書は、今の時代だからこそ出てくる現場の悩みや難題に答える一冊となっています。

駿台学園中 投手指導

 勝谷大は修徳学園中(現・修徳中)でコートを勤めた経験を持ちます。2016年に、西村監督のオファーを受けて、駿台学園中のコーチに就きました。

 昨夏の日本一の要因を聞くと、「間違いなく、投手陣の成長です」と即答しています。右の島田大翔、山崎弘睦、左の加藤優空、130キロ近いストレートを投げ込むピッチャーを3枚擁し、継投をお持ち勝ち上がってきました。最初から豊富な投手層を誇っていたわけではなく、島田と山崎は2年生の冬を越えてから、一気に伸びてきたピッチャーです。

 柔道場で取り組んでいるのがマット運動です。身長が20センチ以上伸びることも珍しいことではないので、身体のバランスが変わることがあります。無理に技術指導ををしてしまうと、バランスが余計に崩れていき、ピッチングに悪影響を及ぼすことがあるのです。

 マット運動では、柔軟のような基本的なことからメディシンボールを使った体幹トレーニングやゴムチューブを使ったシャドウピッチングを練習に組み込んで、調子の悪い時のことも把握しておきます。

相模原市立相陽中学校 打撃指導

指導ポイント
●正しいフォームで打つ
●スイングスピードを上げる
●ボールとバットのコンタクト能力を上げる
●ナイスポイントの反復

 中学校に上がってきた選手のほとんどが、肩と首の間からボールを叩くように、いわゆる『ダウンスイング』で振り下ろしてきます。投球の角度に対して、上から叩くことになり、ヘッドがボールに向いている時間が短いのです。どうしてもファウルチップやフライの確率が上がってしまいます。バッティングは「手打ち」のように、肩ではなく手を前に出すようにして、水平にスイングします。ヒットゾーンを長く振るように直すのです。正しいスイングをするためには、手首やヒジの柔軟性や可動域が必要です。

 スイングスピードを上げて、「パンチ強打」と「ミート打」を鍛えます。『U.S.A』(DA PUMP)などのテンポの良い音楽に合わせて素振りするなどが効果的でしょう。

 ミート力を上げるには、バットの新でボールの中心をどれだけ捉えられるかにかかっています。目でボールを追える意識を付ける必要があるのです。まぶたを触らせたり、インパクト時に「目」と呼びかけることで、意識がしやすくなると思います。

 理想の打ち方を体に染み込ませるには、手取り足取り指導して正しいフォームになったところで、連続で打つ必要があるのです。腹斜筋で打つというのは感覚的に伝わりにくいものがあり、選手せれぞれにも個性があるので、いろいろと試してみます。

船橋市立葛飾中学校 キャッチャー指導

 野球人口の減少もあり、少年野球のときにキャッチャーを経験したことがない選手ばかり、というチームも増えてきました。

 キャッチャーこそ、チームのためにも、人のために汗をかくことが求められるポジションです。最初に求め過ぎると精神的にきつくなってしまいます。

 ですが、中学時代に引き出しを増やしてあげたいという考えが長岡先生の根底にあります。2種類の三塁スローングなどの高度なプレーであっても、中学生の時期に丁寧に教え込みます。

野球は「社会の縮図」

 仙台育英高 猿橋善宏 インタビュー

 攻守の権利が等しく与えられる戦略ゲームとして非常に面白いと思います。
 個々の能力に差があっても、頭をつかうことでひっくり返すことができるのです。
 最近では「OODA」という思考法が重要とされています。観察(Observe)、適応(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)です。
 PDCAは長期的な戦略で、OODAは短期的な戦術に活かれます。
 野球には長期的な戦略も、短期的な戦術も必要になっています。これらを学ぶことは、社会にでたときに必ず生きてくると思うのです。

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