書籍「結局、自律神経がすべて解決してくれる」を解説

書籍情報

タイトル

結局、自律神経がすべて解決していくれる

著者:小林弘幸

順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を解説した”腸のスペシャリスト”でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『最高の体調を引き出す超肺活』(アスコム刊)などの著書のほか、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)や『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

そでより抜粋

出版

アスコム

はじめに

 結局、自律神経がすべて解決してくる。長年、自律神経の研究を続けてきた最終結論です。

 20年前から自立神経と健康につながる研究をしてきました。当時は、医者も含めて正しい知識をもっているひとは、ひと握りでした。研究が進むにつれて、心身の不調と自立神経は密に関わっていることがわかってきたのです。

 最近注目されている「睡眠負債」、真っ先に影響を受けるのが、自律神経です。他にも、アルツハイマー病の発生と関わっていたり、小中学生の朝なかなか起きられないことにも関連しています。
 自律神経の乱れが、若年層~ご高齢の方まで幅広く健康に影響します。自律神経は簡単に乱れやすいのです。

 毎日快適に過ごすには、「副交感神経」「交感神経」が両方高い状態にないといけません。

 自律神経のバランスを整える方法を知り、健康に生活を送っていきましょう。

自律神経が乱れると

 自律神経は、意思とは関係なく24時間働いています。心臓を動かし、呼吸をコントロールし、体温調節を行っているのです。

身体への悪影響

 自律神経の乱れを放っておくと、身体へ悪影響を及ぼします。

  • 自立神経失調症
  • 神経性胃炎
  • 過敏性腸症候群
  • メニエール病
  • 過呼吸症候群

自立神経は「変化」がとても苦手

 大好きな仕事も、働き続けていると楽しくなくなってしまうかもしれません。

 普段の仕事をがんばってこなし、「サザエさん」を観ながら日曜日の夜にぐったりしていることありませんか?副交感神経が下がってしまって、自律神経が乱れているかもしれません。

 自立神経は、「変化」にとても敏感なのです。結婚、出産、就職、試験、様々な生活の変化があります。職場での昇進を迎えて、おめでたいはずなのに体調を崩してしまうことが少なくありません。
 産後、女性ホルモンが急に減少してしまいます。そこに乳児の子育てという、初体験が重なりストレスを抱えます。子どもの成長は感動的で、癒してくれることもありますが、自分自身も労わってあげてください。
 変化に伴うストレスは、悪い面ばかりではありません。適切であれば、自己成長させるスパイスになることも忘れないでください。

 自律神経を乱す大きな原因が3つあります。

  • ストレス
  • 不規則な生活習慣
  • 加齢

 誰もが歳をとっていくのを、避けられません。男性は30歳から、女性は40歳から体力の衰えを自覚します。個人差はありますが、副交感神経だけが急に低下する時期があります。
 実は、厄年は自律神経を気遣う年のことなんです。男性は25,42,61歳、女性は37歳からとなっています。これは、副交感神経が下がりはじめるタイミングと同じです。よくできています。厄年に近づくにつれて、自律神経を調節してみてはいかがでしょうか。

自律神経と病気の発症

 自律神経の乱れが、がんの発症に関係することもあることがわかってきました。自立神経が乳がん組織内に入り込み、がんの進展に影響を与えてしまうのです。

 ストレスなどにより、「免疫系」のシステムの働きが悪くなります。結果、交感神経の緊張ががんを進展させることになるのです。

 最近は、目の酷使がひどくなっています。無理して目を使っている状況は、無理にがんばって目を開こうとしているということです。筋肉は自律神経とつながっているので、自律神経が乱れることになります。

 緊張して汗をかくケースは「発汗恐怖症」とよばれています。ストレスそのものです。多汗症で脇の下や手のひらなどにかく異常な発汗は、自律神経が乱れているサインです。放置してしまう人がおおですが、ひどい場合は診断を受けることをお勧めします。

 若い女性にも、強いストレスを受けると「若年性更年期障害」になったり、卵巣に影響を受けたりします。
 男性にも、更年期障害は起こります。テストステロンの減少が40代を過ぎたあたりから発生し、そのころからいつでも可能性があるのです。

 自律神経を整えると、認知症の予防になることが知られています。

ストレスの9割方は、ズバリ人間関係

 ストレスにわざわざ関わることはありません。著者の場合は「見ざる・聞かざる・言わざる」の徹底です。
 自分に対する評価の情報を見たり、聞いたりしません
 ネガティブな譲歩を軽々しくいいません

 SNSにはストレスを感じやすい側面があります。

  • 人の情報をみると、コンプレックスに感じやすい
  • 自分からの発信が、誰かにとってストレスになっている可能性がある
  • 中毒性が高く、SNSの有用性より「害」になる部分が超えてしまっている
  • 依存してしまい、自分自身を充実させることができない

 SNSの全てを否定するわけではありませんが、上手に活用してください。

 負の感情は連鎖します。他人の影響によって自分の交感神経が高まってしまうのです。
 常にイライラしている人が職場にいたら、それだけでストレスに感じるはずです。そもそも怒らないことを一押しします。

 女性のイライラは、PMS(月経前症候群)が影響しているかもしれません。なんだかイライラしてまう、夫の些細な言動にストレスを感じてしまう。そんなことから、夫婦げんかが、はじまってしまうかもしれません。

元気で明るいキャラクターでも自律神経は乱れる

 弱音を吐かない美学は、体を壊してしまうかもしれません。がんばりすぎは良くないのです。

 自律神経失調症は誰もがかかる可能性を秘めています

自律神経が乱れているサイン

 病院に行くほどではないけれど、なんだか最近調子が悪いなと思ったら、自立神経を疑ってみてください。自律神経が乱れると、血管がドロドロになり、脳と内蔵にダメージを残します。

 精神的なサインはコチラです。

  • 不安
  • 不眠
  • 情緒不安定
  • イライラ
  • 集中力の低下

 身体的なサインはコチラです。

  • 頭痛
  • 動悸
  • 息切れ
  • めまい
  • 肩こり
  • 便秘
  • 肌荒れ
  • なんだか疲れやすい
  • 倦怠感
  • 冷え
  • 息苦しく感じる
  • 手足のしびれ

 サイン=アラームです。放置しておけば、深刻な症状を招く恐れが高くなります

 仮病などの誤解を受けやすい症状も多々あります。例えば、小中学生に多い起立性調節障害(OD)などです。子どもが朝起きられない、頭痛がする、毎日遅刻するなどのことがあれば、頭ごなしに叱ったりせず、自律神経の乱れを疑うことからはじめましょう。

気圧の変化が交感神経が過敏になる

 気象病、五月病、今は気象とやる気の因果関係を研究しているひとがいるほどです。

  • 気圧が高いほど、交感神経が上昇する傾向にある
  • 気圧が下がるほど、交感神経が活性化しにくくなる
  • 春先から夏にかけての暑くなる時期に、自律神経が乱れやすい
  • 気温が下がらなければ、体温も下がりにくく、寝つけない
  • ±7℃以上の寒暖差疲労も、自律神経に影響がでている

 さらに、木曜日に自律神経が乱れやすいとわかっています。労災が多いのも木曜日です。

自律神経を整える方法

自律神経にはリズム

 夜の自律神経のリズムです。

  • ゆっくり座っている
  • 音楽を聴いている
  • 入浴している
  • 睡眠中

副交感神経が優位になります。

 日中の自律神経のリズムです。

  • 人と話をしている
  • 運動をしている
  • 仕事をしている

交感神経が優位になります。

 このリズムを人の時計遺伝子がもっているのです。交感神経と副交感神経のオンとオフを司ります。

時計遺伝子を正しく働かせよう

 生活のリズムを整えることです。

  • 毎日、決まった時間に起きること
  • やっぱり、1日3食の食事をすること

 寝る前の1~2時間前には部屋を暗くして、スマホやテレビ、タブレットを見ないことです。1日1食の派の方もおられるようですが、生活習慣をつけるためには、3食にすることを推薦いたします。特に朝食は、軽いものでいいので食べてください。

お風呂の入り方

 今まで試した中で編み出した最強の入浴術です。

  • 39~40℃くらいのぬるま湯
  • 15分くらいつかる
  • 肩までつかるのは、最初の5分
  • 残りの10分は半身浴、心臓より高い位置は心臓に負担をかけるため入らない

 サウナも体温調節機能が働くようになるので、自律神経がしっかりと働く助けとなってくれます。冷水と温水を繰り返すことは必要です。スーパー銭湯などが好きでよく入浴する人は血流が良いことが、わかっています。

「ゆっくり」動く

 自律神経を整えたければ、ゆっくり動いてみてください。

  • ゆっくり呼吸する
  • ゆっくり話す
  • ゆっくり動く

自立神経が整うとよくなること

 あの人が昔と変わらないのは、自律神経が整っているからかもしれません。

  • 血の巡りがよくなる
  • 胃腸の調子がよくなる
  • 肌や髪につやがでる
  • 脂肪が蓄積されなくなる
  • 見た目が美しくなる

 自律神経が整っているのは、「四国」の地域に住むひとたちという研究結果がでています。日本で一番元気に暮らせる地域であるといえます。関東は疲労気味の方が多いです。大都市に住んでいる方程、残念なことに自律神経が乱れやすい環境に身を置いているようです。

腸内環境を整えよう

 脳と腸は強く連携しているネットワークです。

 大切な試験、重要な会議の前に、急にお腹が痛くなったことはありませんか?
 脳が強いストレスを感じると、副交感神経を弱めてしまいます。すると、腸の働きが急激に悪くなるのです。

 幸せホルモンのセロトニンは、およそ95%が腸で作られています。

 腸は免疫機能をもつ細胞を7割をもっています。

 腸は第二の脳といわれているのです。

腸内細菌の影響

 腸内に住む100兆個以上の最近は、様々な成人病に影響を及ぼします。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 高脂血症 など

 腸内細菌の環境は、遺伝的な影響をあまり受けません。腸内環境は後天的なものなのです。

 悪玉菌が多い腸内環境は腐敗しているのと同じです。厄介な病気の原因になります。

  • 肝性脳症
  • 栄養障害
  • 大腸がん

自律神経が乱れると、悪玉菌が増えてしまうこともわかっています。

 善玉菌と悪玉菌の関係について面白いことが判明しました。

  • 悪玉菌は善玉菌が優位な状況では悪さができない
  • 悪玉菌がいなくなってしまうと、善玉菌がサボる
  • 善玉菌は体外に出やすい

 腸にいい食生活をしていけば、腸内細菌のバランスは整いやすいです。

朝起きたら、腸内環境を整える

 朝起きたら、するとよいことがあります。

  • 朝起きたら、初期時の前にまずコップ1杯の水を飲む
  • 白湯や常温の水でもOK
  • 1日を投資手合計1.5リットル程度飲むとよい

 腸の蠕動運動を促し、便秘の解消につながります。気象後の交感神経が高まる時に、副交感神経が下がり過ぎないようにする効果が期待されます。

腸の健康を保つ食べ物

 1つ目は発酵食品です。発酵食品に含まれる乳酸菌は、悪玉菌の繁殖を抑えるために働いてくれます。

  • ヨーグルト
  • はちみつ
  • オリゴ糖
  • 大根おろし
  • バナナ
  • 納豆
  • みそ
  • しょうゆ
  • キムチ
  • ぬか漬け

 もう1つは食物繊維です。腸の動きを助け、排便をスムーズにします。超重要な栄養素です。

  • 水溶性
    • オクラ
    • 里いも
    • なめこなどのネバネバしたもの
    • そば
    • 押し麦
    • にんじん
  • 不溶性
    • バナナ
    • ごぼう
    • さつまいも
    • 豆類
    • 玄米

 水溶性の食物繊維は、便の水分を増やし柔らかくします。排便がしやすくなるということです。
 不溶性の食物繊維は、水分を含んで膨らみ、便を大きくします。腸を活発にするということです。
 両方をバランスよくとると、よいでしょう。

 著者は、オリーブオイルとはちみつをかけた焼きりんごを食べることをおすすめしている。

日本人特有の腸内細菌がある

 日本人は世界でもっとも長生きする国のひとつで、肥満が少ないのが特徴です。日本の伝統的な食文化の影響から特有の腸内細菌が存在するのです。

  • ビフィズス菌などの善玉菌が優勢
  • 炭水化物やアミノ酸の代謝が豊富
  • 水素の消費が酢酸の生成に使われる
  • ワカメや海苔を分解する酵素遺伝子を日本人の90%もっている

伝統食を積極的に取り入れて、日本人の腸内環境に合う食生活をするのも、健康寿命を延ばす方法になるかもしれません。

腸の体操

 体のうえから、腸を刺激する「腸もみ」が効果的です。腸を刺激することで、活性化が期待できます。

  • 1回3分
  • 朝晩の2回
  • 食後は避ける
  • ひねりを加えた運動もよい

最強みそ汁

 飽きが来ない腸に良い食べ物はみそ汁です。研究の上で編み出した最強のみそ汁があります。

  • みそ汁
    • 赤みそ80グラム
    • 白みそ80グラム
    • 卸し玉ねぎ150グラム
    • りんご酢 大さじ1
    • オクラ
    • 里いも
    • なめこ
    • にんじん
    • ごぼう
    • さつまいも
  • おかず

 著者激押しです。

お肌にはポリフェノール

 カカオ含有量の多いチョコレートを間食取り入れるのがよいでしょう。

メタボの改善

 メタボは内側や内臓のまわりに脂肪が蓄積することに、脂質代謝異常・高血圧・高血糖のどれかが重なることをいいます。原因は糖のとり過ぎと考えられています。

 WHOでは、糖は小さじ6杯相当までと発信しているのです。どれだけ、とり過ぎているのかわかって頂けますでしょうか。

 食べ過ぎたショ糖が、大腸の腸内フローラを変化させていることがわかってきています。腸内環境を整えることができれば、メタボを予防できるかもしれません。

自律神経を整える生活習慣

まずは睡眠

  • 早寝早起き
  • 朝、ひかりを浴びておきる
  • 夜、ひかりを避ける
  • 寝る時間と起きる時間をきめておく
  • なかなか睡眠時間がとれない場合は、週に1回は睡眠のための日を作る

 寝る時に枕に誓うと寝る意識が変わってきます。

1日3食をきちんと取りましょう

  • 自律神経を整えるためには、腸を一定の勢いで動かす必要がある
  • どうしても食べられない時は、お茶だけでも体に入れる
  • 寝る3時間前までには夕食を済ませる

 自律神経を整えるためなら、1日3食です。

呼吸法

  • 1分間で20回を超える呼吸をしているのなら、交感神経が上がり過ぎている
  • 鼻から3秒吸い、口から6秒で吐く
  • 姿勢は正す

 睡眠の助けにもなります。

夕食後の運動

  • 夕食後にウォーキングをする
  • ランニングだと副交感神経を下げてしまう
  • 1日30分~1時間

 自律神経が整うちょうどいい運動です。

花粉症のアレルギーには

 副交感神経が過剰に反応することが原因です。交感神経に与えることが大切です。

  • ジョギングが効果的

音楽を聴くこともよい

  • テンポが一定である
  • 音域が狭い
  • イヤホンは使わない

 音楽を聴く習慣をつけてもよいかもしれません。

ホースセラピー

 乗馬や馬の手入れを通じて、社会復帰を早めるセラピーがあります。アニマルセラピーは副交感神経を上げるので、動物と触れ合うのも効果的です。

規則正しい行動で集中できる

  • 1日15分の塗り絵
  • 時間は決めて行う

 自然と呼吸も整います。

1日の終わりに3行の日記を書く

  • 1行目 今日失敗したこと
  • 2行目 今日一番感動したこと
  • 3行目 明日の目標をかく

 文字をかくこと自体に自律神経を整えてくれる効果があります。

同じ著者の本も記事にしております。

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