※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
はじめに
食をめぐる世界市場のその裏で、何が起きているのでしょうか。
真実を知り、大切なものを守るのは今しかありません。あなたの家の食卓が、知らぬ間にすっかり入れ替えられてしまうかもしれないのです。
目次
書籍情報
タイトル
ルポ 食が壊れる
私たちは何を食べさせられるのか?
発行者 大松芳男
発行 (株)文藝春秋
印刷 理想社
付物印刷 大日本印刷
製本 大口製本
著者
堤未果
国際ジャーナリスト。
米国と日本を中心に、政治、経済、医療、教育、農政、エネルギー、公共政策など、現場取材に基づく幅広い調査報道と各種メディアでの発信を続けています。
出版
文春新書
培養母乳の誕生
2021年米国バイオミルク社は、世界で初めて乳房の外で、細胞を培養した人乳の製造に成功しました。
培養ミルクには、母体の血液が作る、赤ちゃんの睡眠サイクルを調整するコルチゾールや、脳の発達に必要な脂肪酸は含まれていません。
しかし、ミルクが手に入らなくなった時の、母親たちの選択肢となる新製品になります。
米国内では2021年7月から、新型コロナウイルスの影響で粉ミルク不足が始まりました。2022年5月には1週間の品切れ率が43%に達するほど深刻化しています。
牛をうまく使えば
お菓子の原材料も真たちで作る気で探したら、加工した時最も合うのが放牧牛の生乳でした。口にした時にあとから広がる風味がまったく違うんですよ。だから会とっら牧場を繋ぎ牛舎から放牧式に変えました。
「北海道コンフェクトグループ」の長沼真太郎社長より
放牧酪農は、草がタダで継続的な設備投資が削減できます。牛たちの運動にもなりストレスが少ないのです。牛たちの免疫力が高く、病気にかかりにくいことがいえます。放牧によって、牛が草を食べて排泄することで、土壌の循環能力が再生するようです。再生した土に温暖化ガスを隔離できるサイクルも生まれ、気候変動対策にもつながります。
草の成長に合わせえて放牧するエリアを切り替えることで、美味しいお菓子をつくる材料の確保と、環境再生型放牧を実現させているのです。
世界一のスーパー土壌を持つ日本
農薬や化学肥料が高騰し、入手しづらくなった日本で、それでも大丈夫と胸を張る人たちがいます。立正大学地球環境科学部環境システム学科の横山和成特任教授もその1人です。
1gの土の中に少なくとも1000種類、数にして1兆個も微生物が棲んでいます。解明させていないことが多く、謎に包まれているのです。
横山教授は、日本中の農家を対象に、土壌の多様性を上げるための指導を提供し始めました。
日本は世界の土壌サンプルを比較しても、圧倒的に肥沃度が高い土が各地に残されているというのです。
この目に見えない資産が、国民の目に見えているでしょうか。
再生型農場で蘇る土
再生型農業とは、化学肥料の大量使用をやめたり、不耕起栽培、放牧などによって、土壌の健康を最優先とする農業です。
土の中に無数の微生物がいて、その働きによってミネラルなどを含んだ豊かな土が、栄養価の高い作物を育ててくれる時代も、米国にもたしかにありました。そこで、米国内の小規模家族農業を支援するための法案を準備しているといいます。
また、温暖化原因になる、亜酸化窒素を地中に閉じ込めてくれるマメ科のカバークロップは、気候変動対策にも有効です。
グリーンニューディールを掲げる民主党の下院議員からも「農場レジリエンス法案」が提出されています。これには、カバークロップの農法推進、土壌再生農法、放草などを使った循環型畜産、小規模農家への直接支援などが、盛り込まれているようです。
感想
サイト管理人
ちょっとした、科学読本を読んでいるようで楽しかったです。
放牧型の酪農が、日本でもされるようになりました。海外では、更に進んで果樹園を同時に育てて、豊かなハイブリッド農園を築こうとしている人までいます。
なんでも、海藻を食べている牛や、果物を拾い食いしている牛、放牧でストレスのない牛のゲップには、温暖化物質が少ないようです。
ゲノム編集などで、改良された食べ物が悪いとは言いませんが、環境循環型の農業でデジタルやゲノムといった技術が使われると良くなるのではないでしょうか。
土は耕さない方が良い、という事を知らない方も多いかもしれません。
食料問題や環境問題に興味のある方は、その参考に本書を読まれてはいかがでしょうか。
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