使いきれない農地活用読本

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 なるべく手間をかけない遊休農地の活かし方、知っておきたい農地制度の基礎知識をまとめました。

 使いきれない農地も、新規就農者や農的暮らしを求める人にとっては、活用したい地域資源になります。有機農業、自給菜園、養蜂など、新しく農業で生活を立てたり、仲間と自給自足を楽しんだりできる土地があるのです。

 農家を減らさないことに役立てたら幸せに感じます。

書籍情報

タイトル

使い切れない農地活用読本

荒らさない、手間をかけない、みんなで耕す

発行 一般社団法人 農山漁村文化協会

DTP制作 (株)農文協プロダクション

印刷・製本 凸版印刷(株)

編者

一般社団法人 農山漁村文化協会

出版

農文協

山の斜面に不耕起栽培

作者: まりん

 福島県二本松市永田集落(約150戸)。20年以上耕作放棄地になっていた約60aを整備し、2021年、持続可能な農業を学ぶ「あだたら食農School farm」を開きました。耕す「耕起区」と耕さない「不耕起区」があり、双方で同じ野菜を栽培する体験農園です。スクールファームは生き物を活かす農業の実験場でもあります。

 不耕区では、有機農業でトマト、サニーレタス、ブロッコリーなど野菜を栽培します。土を耕さないまま草生栽培するのです。植え付け地にモミガラと米ヌカでつくった堆肥をうえ穴に施し、ライ麦やレンゲ、ヘアリーベッチなどの緑肥も活用します。

 初年度の収穫は、どの野菜も耕起区の方が多く、不耕起区はその3分の1ほどでした。

 しかし、生き物は不耕起区のほうが多く豊かな土壌になっているのです。なかでも、ミミズの活躍が顕著でした。ミミズは土と落ち葉を食べて、窒素やリン酸などの肥料になる成分を、糞という形で還元してくれます。腸の糊が着いた糞は耐水性です。ミミズの糞が多い畑は、排水性も保水性のよく土がフカフカになります。

 トラクターで耕してしまうと、微生物は5分の1くらいになってしまい、ミミズはいなくなります。

 不耕起栽培の野菜の収量は少なかったものの、肥料代などのコストも3分の1になり、不耕起栽培で収穫した野菜の方が、糖度と酸度が高かったのです。

 不耕起栽培に向かいないキュウリ、ネギ、イモなども存在し、なにより定植穴を1つ1つ空ける必要があります。

 不耕起栽培の課題は労力の軽減と、まだ育てられていないジャガイモなどがどのくらい作れるかです。

守り切れない農地のマップ化

UnsplashDaria from TaskArmy.nlが撮影した写真

 農業委員会に「守るべき農地」と「守り切れない農地」の線引きプランを実行しました。

 京都府福知山市川合地区の場合は、集落営農のため、農地の引き受けを依頼するということがありません。したがって、法人に依頼できる農地かどうかを事前に話し合われており、守り切れない農地の線引きが行われています。

 農地利用最適化推進委員となった私の役目は、旧三和町の農地利用地図をつくることです。「中山間」や「多面」の協定農地などを色分けしマップ化することで、「守るべき農地」が一目瞭然となります。

 イノシシやサルの被害が深刻だったり荒廃農地も多く、所有者にとっては苦渋の思いですが、今後は農地を山に還すことを視野にいれなければなりません。

 しかし、一方で、30代の移住者が空き家に付随した16aの荒廃農地を購入して、野菜の無農薬栽培を始めるなどの動きもあります。今後、協定農地に加えるかどうか検討する予定です。

シダレモモで草畑を花の園に

作者: Ryuzsuke

 岐阜県恵那市串原地区は、豊田市や東名高速名古屋インターから車で1時間ほどの過疎の山村です。高齢化が進むにつれ山間地の田畑の維持管理が困難となっていました。

 そこで、木根集落では、11年からシダレモモやハスの植栽を始めました。住宅付近では不耕作畑があります。

 シダレモモは、桜に劣らず美しく、生育が早く、樹高が低くて管理がしやすいのです。

 19年には木根集落を訪れる人が増えて、設置した直売所や温泉の売り上げも増えました。

 荒廃農地から、花咲く里を目指して、今後も植栽を管理していきたいとのことです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 本当は、45歳くらいから脱サラして農業を営む人の話なども取り上げたいし、始めて見る人にとっては不耕起栽培の写真はビックリするものとなっているので、本の写真載せたいなという想いにかられます。なにせ、短い文量で情報量が多いため、3項目くらいで終わりにしました。

 本当に雑草がボーボーに生えている所に、小さく穴を空けて栽培するのです。大量に収穫できるような、不耕起栽培用の農具などは生まれないのでしょうか。耕す場合と比べて、管理がそれほど大変ではないので家庭菜園などでは、むしろ不耕起栽培のがいいのではと思ってしまいます。

 億り人になって時間を持て余しているのなら、私も荒廃農地の開拓を趣味とするのもアリだなと思わせていただきました。

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