ほんとうの定年後

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 定年後の「小さな仕事」を通じて豊かな暮らしを手に入れている人々の姿があります。企業の管理職や高度な専門職に就き、現役時代の貯蓄を頼り余生を悠々自適に過ごす人もいるのです。また、生活費を稼ぐために必死に働いている人もいるでしょう。

書籍情報

タイトル

ほんとうの定年後

「小さな仕事」が日本社会を救う

著者

坂本貴志

リクルートワークス研究所研究員・アナリスト。

 厚生労働所にて社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府で官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆などを担当しました。その後、三菱総合研究所エコノミストを経て、現職に就いています。

出版

講談社現代新書

70歳男性就業率45.7%

年代別就業率
2010年
●65歳男性53.2%、65歳女性31.8%
●70歳男性35.4%、70歳女性20.0%
●75歳男性23.1%、75歳女性11.8%
2020年
●65歳男性62.9%、65歳女性44.9%
●70歳男性45.7%、70歳女性29.4%
●75歳男性28.7%、75歳女性16.8%

 定年後も働き続けるという潮流が高まったのは2000年代以降のことです。時にこの10年でその流れは決定的になりました。

 経済成長率の鈍化や人口の高齢化によって、中高年の賃金や定年時の対処菌は減少し、政府の厳しい財政状況から厚生年金の支給開始年齢引き上げなどによる公的年金の給付水準引き下げが進んだのです。

 寿命の延伸によって増加する老後生活費の原資を、高齢期の就労なしに獲得することは難しくなりました。それが、働き続ける事を選択する人が増加している要因とみられます。

小さな仕事に充実感をもって働く

 多くの人は、定年後に使途に関する能力と負荷の緩やかな低下を感じながらも、結果的にその関係性に納得感を抱き、満足して働いています。

 仕事は、必ずしも負荷が高いものが良いというわけではないのです。必要となる収入水準が低い状況下であれば、負荷が低い仕事を選ぶことが結果として良い選択になることも多いのではないでしょうか。

 いまある仕事に確かな意義を見出せた人は充実感を持って働いています。

 自分にできる仕事を前向きに取り込んでいる事実があるのです。

仕事に趣味に、人生を謳歌する

 雇用は1年契約で毎年更新していたけれど、70歳になると更新はありません。そのタイミングで自宅を引っ越しました。

 新しく暮らす場所のハローワークに行くと、高齢者向けの仕事があったのです。市内の施設で、週3日、グラウンドや体育館をサッカーや野球のチーム、バドミントンサークルなどに貸し出す手続きを行う管理業務が、今の仕事になります。

 仕事がある日以外も毎日外出して趣味を楽しんでいるのです。

 子どもたちも手を離れていますから、お金も全然かからないのです。
 今の仕事はとても楽しくやっています。4人でシフトを組んで仕事を回していて、いろいろな年代のスポーツをやっている人とせっすることができるのがいいですね。自分自身も体を動かす良い機会になっています。
 休日はピアノのレッスンに、トレーニングジムを通っています。コンサートを観に行き、ゴルフを嗜んでいます。

高齢社員の人事管理をどう設計するか

 経済全体が右肩上がりで成長し、企業の人員が増え続けていた時代には、社員の多くが昇進し、キャリの階段を上がり続けることができました。

 現代において、成長していくキャリアを前提とした人事管理は限界を迎えているのです。

 超高齢社会である日本において、一定の年齢を過ぎた従業員に役職の座から降りて1プレイヤーとして活躍する道を模索してもらうことになります。

 年功序列の管理では、あまりに人口動態に弱すぎです。企業による年次管理のあり方はすこしずつ変わっていかなければならないでしょう。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 ご高齢でも、気力があるのならば、働いて生活して下さい。無理をする必要はないですし、車両やフォークリフト等などの運転業務を避けてもらえれば、活躍できるのではないでしょうか。

 若い世代がやりたがらない暇すぎる仕事は、高齢者の人口に対しては少数ではあるのですが、ちゃんとあります。

 色々な世代同士が、支え合える社会でありたいものです。

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