雑誌「フォーリン・アフェアーズ・リポート No.7」

※サイト管理人が興味をもった記事を引用します。

新エネルギーの秩序

監修

ジェイソン・ボルドドフ
コロンビア・クライメートスクール学院長

メーガン・L・オサリバン
ハーバード大学 ケネディスクール教授 国際関連

エネルギーの地政学リスク

 脱グローバルが進んでいることを認め、不況下の物価上昇のトライに警鐘を鳴らしています。

 この20年にわたって、二酸化炭素排出量を削減するという切実な課題を前に、世界のエネルギー秩序は次第に変化してきました。そして、ウクライナ戦争の結果「エネルギー安全保障」が再び大きな注目を集めているのです。

 欧米各国は、エネルギー調達、販売、炭素価格、補助金、行政権限、環境基準にいたるまで、あらゆる側面で政府がより広範な役割を果たす必要があると認識しています。

 新エネルギーへの移行は地政学的な課題に貢献するでしょう。新エネルギーの秩序、管理の形が今後作られていくのです。

市場の失敗と政府の介入

 エネルギー安全保障を強化することで問題となる点があります。民間のインフラと資源が足りていたいのと、投資するにあたって充分なリターンがないことです。二酸化炭素の排出量を抑制する社会への負担が大きくなっています。

 現在、ヨーロッパがエネルギー危機に瀕しているのには、代替エネルギーを確保するための港やターミナルが整備されていないことがあげられます。

 リトアニアは、ターミナルの建設に政府が介入することで、バルト3国のロシア天然ガスへの依存度を引き下げ、ガスプロム社から条件のよい価格を引き出せるようになりました。融資保証などで資金を調達し、エネルギーインフラを整えた結果、ヨーロッパで初めてロシア天然ガスの輸入を完全に停止できたのです。

ヨーロッパの9.11

 ヨーロッパ人はロシアのウクライナ戦争のことを、「欧州にとっての9.11」と呼んでいます。9.11の手をは国債情勢を支配する安全保障の形を作りました。ウクライナ戦争ではヨーロッパでの新しいエネルギー秩序を形成しています。

 状況に適した控えめな介入ながらも政府の介入が無ければ、世界はエネルギー安全保障の方かいか気候変動の余波に直面することになるでしょう。

インドの選択

監修

リサ・カーティス
新アメリカ安全保障センター インド太平洋安全保障プログラム部長

欧米かロシアか

 ロシアとは中立の立場を示しているインドです。ロシアに軍需品を依存しているため、沈黙を守っています。

 ウクライナ侵略を批判すればロシアとの関係が悪化するかもしれず、明確な立場を示すことを拒絶するとアメリカを遠ざけることになるのです。

 中立を長期間維持すれば、ロシアか欧米の忍耐が切れてしまうでしょう。どちらかを選ばざるを得なくなります。

本当のパートナー

 インドがロシアを非難しないのは、長年にわたって、カシミール問題を含めて外交的に支援してくれていたからです。

 しかし、近年のロシアは最大の敵であるパキスタンにも接近し、軍事協力関係を拡大するとともに25億ドル規模のガスパイプライン建設を約束しています。そして、そのタイミングで中ロ関係の強化がされました。

 2020年6月に中印は武力衝突を起こしています。インド兵20名、中国兵4名以上が亡くなりました。ロシアには、仲裁に入ってもらうことを期待していたが、中国との関係強化を図っているロシアに対して何かをお願いすることがためらわれたのです。

 結局、中国と敵対する国に協力的なのはアメリカになります。公的に支援すると約束し、インド軍部隊のための冬装備も提供されました。これが、米印関係の転機となったのです。

 2022年2月中旬に発表されたアメリカのインド太平洋戦略では、中国に対抗していく上でインドが極めて重要な役割を果たすことが想定されていました。その後もオンライン首脳会談がなどが開催されるなど、米印関係の強化は広く認識されるようになっています。

あらゆる都市に猛暑対策担当官を

監修

キャシー・ボーマン・マクラウド
アトランティック・カウンシル シニア・バイスプレジデント

気候変動対策官を

 北半球は、今年も確実に史上もっとも暑い夏へ向かっています。

 米テキサス州では5月に、気温が32度を超える非が観測史上最多を記録しているのです。インドとパキスタンでは既に気温が50度を超えていて、イギリスの気象庁はパキスタンとインドでは異常な熱波が発生する確率が約100倍高まっている、という研究結果を発表しています。

 温暖化は人命を奪います。2021年6月ワシントン州とオレゴン州が熱波に見舞われたときは、気温上昇が引き起こす要因やそれによって悪化した要因によって、600名ほど命を落としました。

 異常気象は、海洋生物を死滅させ、道路の陥没などのインフラにもダメージを与えます。ほとんどの飛行機は気温が49度を超えると離陸できません。

 地球の温暖化はすでに将来の米労働力にダメージを与えているのです。

民衆を動員せよ

 地域社会の協力を得て猛暑の対応をすると、弱者を守ることに繋がります。

 マイアミ市のギルバートは、緊急対応ボランティア向けの「酷暑対策」研修を考案しました。温度計、冷却パック、電解質の飲み物、冷えたタオルなど、熱中症の人を手当するためのツールを貰うことができます。

 ハリケーンや竜巻とは違って、熱波は対処を準備できます。致命的な酷暑を乗り越えて、より涼しい未来に向けて、必要とされる仕事を成し遂げる権限があるべきなのです。

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