新書「第三次世界大戦はもう始まっている」

※サイト管理人が興味をもった部分を紹介します。

書籍情報

タイトル

第三次世界大戦はもう始まっている

著者

エマニュエル・トッド

フランスの歴史人口学者・家屋人類学者。

 国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する学者です。

訳:大野舞

出版

文春新書

長期的に見て国益はどこにあるか

 現在、日本も対ロシア制裁に加わっています。

 ですが、地政学的条件として日本はロシアを必要とします。

 西側に追い込まれたロシアが中国と接近し、中国に軍事技術を提供することこそ、日本にとって悪夢です。

 ロシアの行動が許せないものだとしても、アメリカを喜ばせるために多少の制裁は加えるにしても、ロシアと良好な関係を維持することは国益に適います。

 長期的に見て国益はどこにあるのか、見失ってはなりません。

人口動態が示すロシアの復活

ロシアはひどい困窮状態にあり、良い事は何も生じておらず、さらなる衰退しかありえない

と信じ込ませるために時間を使ってきました。

 ロシアは、我々が通常イメージするような民主主義の国とは異なります。個人より集団が重視される、やや暴力的な国です。ですが、現在のロシアは歴史上、最も自由な状況にあります。

 相変わらず、ロシアのアルコール依存症や精神疾患の割合は高水準です。ですが、死亡率が下がり、平均寿命が延びて、犯罪行為が減少し、病気・疾患が低下し、出生率は1.65と上昇しています。

 実は、ロシア内には、今日、希望があるのです。周辺国を再び引きつける存在にもなっています。

ロシアの生産力

 ロシアの人口は日本と同程度です。軍も疲弊しているようで、装備も十分ではありません。

 しかし、2014年以降に科された経済制裁に対して、ロシアはうまく適応しました。農業生産を倍増させ、2022年までのロシア経済の適応能力には目を見張るものがあります。

 さらに、中国を頼りにすることもできます。工場生産で中国が協力することになれば、ロシアが弾薬に困ることはなくなるでしょう。

感想

サイト管理人

サイト管理人

新書ということもあり、ほぼほぼ個人の意見を述べているものになります。

著者の想像や見解に触れながら、新しい発見を見つけられたような気がしないでもありません。

ロシアのインフレ率だけ桁がヤバい事になっていますが、グラフの見せ方が妙で、他の国と同じように見えるように細工するのはダメです。説得力をますために、嘘をついてはいけません。こうしたことがあるので、読む際には注意も必要だと思います。

新書は、個人の意見が反映された発見のある書物だと思います。特に、ウクライナ侵攻には興味のある方が多いでしょう。人口動態をみてきた人の考察に触れてみてはいかがでしょうか?

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