脳を司る「脳」

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 どんなことに興味を持つのか、何に心を揺さぶられるかというのは、人それぞれです。アイドルのグラビアを見てうっとりする人もいるでしょう。好きな漫画や音楽に感動する人もいます。私のように、クラゲやキノコや微生物にときめきを感じる人がいるのです。

 脳は複雑な働きで私たちを司っています。まだまわかっていないことだらけなのですが、この本で興味を持ってくれた人と新しい発見をできることを楽しみにしています。

書籍情報

タイトル

脳を司る「脳」

最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき

第1刷 2021年1月1日

発行者 渡瀬昌彦

発行 (株)講談社

本文イラスト 大久保ナオ登

本文デザイン 齋藤ひさの

本文図版 さくら工芸社、齋藤ひさの

ISBN-13 978-4065219195

総ページ数 272p

著者

毛内拡

出版

講談社 ブルーバックス

脳の損傷で性格が変わる

Image by Tumisu from Pixabay

 1848年にアメリカのとある建設現場で起きた事件で、フィニアス・ゲージという男の東部を貫通しました。幸い命をとりとめましたが、穏やかで誰からも愛されていた性格が変わりました。理性的で我慢ができない、将来のことを考えることができなくなったといいます。

 ゲージが損傷した脳部位は、現在では前頭前野と呼ばれる部位です。理性や想像力、未来志向などを補う部分だとわかっています。この事故で脳には性格や感情、行動などが司っているのではないかという認識が強まっていったのです。

 20世紀半ばには、カナダの外科医であるワイルダー・ペンフィールドが電気刺激もよって脳を反応をしらべ、脳の地図を作り上げました。この地図は奇妙な模型となり、小人を意味するホムンクルスと呼ばれています。脳はすべての感覚を等しく扱っているわけではないと、わかりやすく教えてくれるものです。

脳のすきま

Image by Hans from Pixabay

 間質は脳にも存在します。ニューロンがびっしり詰まっているわけではないのです。脳にも「すきま」があります。このすきまのことを細胞外スペースと呼ぶのです。

 脳のすきまは、神経科学では古くから知られていて研究が続けられていました。

 存在は知られていたけれど、脳を衝撃から守る緩衝材としての役割以外には、そのはたらきは見逃されてきたのです。また、電極を使うと脳浮腫が起こり、細胞内部に水が入るため、細胞自体の体積がふくらんでしまうという技術的な問題もありました。

 最近の研究では細胞外のスペースは15~30%で、約5分の1くらいは空洞があるとわかってきています。ライフステージによって、細胞外スペースは伸び縮みをし、様々な化学物質の通り道としてコントロールされる役割を果たしていることがわかってきたのです。

脳の水流

Image by didier aires from Pixabay

 脳の中の血液脳関門の形成には、脳細胞であるグリア細胞の一種、アストロサイトと呼ばれる細胞が中心的な役割を果たしています。電気的な活動はせず、シナプスも形成しません。アストロサイトはが持つ足突起と呼ばれる微細な突起が、脳血管をくまなく取り囲み、バリアを形成しています。

 アクアポリンというタンパク質で水分子だけを選択的に通過させる水チャンネルというと通り道があります。その中のアクアポリン4はアストロサイトの足突起部分に集中して存在しているのです。つまり、脳血管のまわりにはびっしりとアクアポリンが整列し、水分子の通り道ができるということです。

 脳のリンパ排泄機構には、アクアポリン4のはたらきが重要な役割を担っていると考えられています。

神経回路がシンプル

Image by Gerd Altmann from Pixabay

 頭の良さというものは測れるものではありませんが、IQテストの成績が良いことを頭が良いとした場合、人の脳はどうなっているのでしょうか。大脳皮質の体積が大きいこと、問題解決を行うニューロンが発達していることが関連するだろうと多くの人が考えてきたのです。

 しかし、IQテストの成績が良い人は、脳の活動度合いが低いことがわかりました。脳を効率的に働かせることができているのかもしれません。さらに、神経突起の密度が低く枝分けれが少ないという実証がされています。

 脳が効率的に働いているということは支持細胞のグリア細胞に秘密があるのかもしれません。

 アインシュタインの脳は一般の人とニューロンの数に違いは無かったといいます。グリア細胞に関しては、一般の健常な人ではニューロンに対してグリア細胞が2倍存在するのに対して、アインシュタインでは、ニューロンとグリア細胞が同数存在していたようです。一般の人よりもグリア細胞の数が多い部分が存在し、しかもその部分は「ひらめき」に関係する部位だったという逸話があります。

おわりに

 哲学書から文学書、講談社ブルーバックスをはじめとする科学の一般書など、いろいろな書物に答えを探しましたが、納得のいく答えはどこにも見つかりませんでした。

 その答えがあるとすれば、脳にあるにちがいありません。そうして科学者の道を志しました。

 それからウン10年がたち、結局、脳科学の謎はまだまだわからないことだらけです。

 脳の不思議は宝の山です。これからが本当に面白いのではないでしょうか。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 認知症にも種類があって、前頭前野に問題を抱えた人の場合は、生活の質という概念を超えます。その人らしさ、といったものがなく行動にも規則性が無い感覚です。一般的なQOLを想定している施設などで、他の人とタイムスケジュールを一緒にした概日リズムを計画するのに無理があるので、介護はかなり困難になるでしょう。感情なく、食事している最中に立ったり座ったり歩いたり、人間らしさの部分がないまま体が生命活動を維持しようとしているのかは不明ですが、薬を飲ませずにいたら落ち着かず訳がわからないまま大ケガをしてしまうでしょう。

 大ケガをさせるのをかわいそうだと考えるべきか、薬で身体的な機能まで奪うことをかわいそうだととるべきか、他の人も生活している施設では他の利用者に危害が加わらないために速やかに薬を使うべきだとは思います。その人の残存能力を活かす活動は、できる範囲で行っていただきたいものです。介護士に必要以上の無理をさせるのは、とても心苦しいものがあります。

 そんな経験もあって、フィニアス・ケージの話には考え深いものがありました。

 IQが高くて、物凄い早口でしゃべる人の内容が、シンプルで極端だったりします。脳の一部のグリア細胞に無駄がないのかもしれません。問題に対しての解決方法が整理させれているというまとめ方でした。

 脳の仕組みが分かったところで何かに活かせるかということですが、健康であれば血液を通るところがドロドロで脳のすきまが塞がれれば、物質が流れなくなり何かの機能が働かなくなるといったことを想像はできると思います。どんなヒントにでもなるのではないでしょうか。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

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