名前が語るお菓子の歴史/著者:ニナ・バルビエ、エマニュエル・ペレ

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書籍情報

タイトル

名前が語るお菓子の歴史

発刊 2024年3月20日

ISBN 978-4-560-09287-3

総ページ数 206p

著者

ニナ・バルビエ

ジャーナリスト。

著者

エマニュエル・ペレ

民俗学専攻。

出版

白水社

もくじ

  • 序論
  • 第一章 お菓子の命名法
  • 第二章 お菓子のジャングルで名を成す法
  • 第三章 偉大なる古典
  • 第四章 聖なるものとお菓子
  • 第五章 愛とお菓子
  • 第六章 お菓子の動物園
  • 第七章 甘味のワルツ
  • 第八章 成功の輝き
  • 第九章 他者への視線
  • 第十章 間違いは人間のなせる業
  • 結論

書籍紹介

どんな本か

 お菓子の魅力的な歴史探訪です。この本は、名前に注目し、各お菓子の背景にある物語を掘り下げることで、読者に新たな視点を提供します。白水社から刊行され、甘いデザートから伝統的な焼き菓子、アイコニックなチョコレート菓子まで、多様なデザートの命名由来とその歴史的背景を明らかにしています。

お菓子の歴史

 フランスのマカロンやエクレア、英国のプディング、イタリアのティラミス、日本の羊羹に至るまで、各国のお菓子に秘められた興味深いエピソードを発見できます。たとえば、19世紀に初登場した「エクレア」がなぜ「雷光」という意味を持つのかや、ティラミスの名前にどんなイタリア文化が込められているのか、といった具合です。

どんな人にオススメできるか

 二人の著者は緻密な調査と豊富な資料をもとに、各お菓子の名前が生まれる背景や、時代の変遷における人々の文化的な嗜好がどのように影響したかを浮き彫りにします。このため、単なるデザートのガイドブックではなく、料理好きや歴史ファンだけでなく、文学的な好奇心を持つ読者にもおすすめできる一冊です。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

おかし命名法 重さと分量

 お菓子は様々な場所で考案され、さまざまなアイディアが組み合わさり、具体的なお菓子の形で実現されます。

 時には、使用される材料の割合や組成に基づいてお菓子を命名することもあります。

 例えば、「カトル=カール」は、卵、砂糖、バター、小麦粉といった基本材料を同じ割合で使用することから、フランス語で「四」を意味する「カトル」と「四分の一」を意味する「カール」を組み合わせて名付けられました。「シ・フリュイ」(六つの果物)は、異なる六種類の果物を使用しています。

 お菓子の古典である「ミル=フイユ」は、基本となるフイユテ生地に由来しています。この名前は、生地とバターを交互に重ねた層の数にちなんでおり、3つ折りにしたパイ生地6層とバター3層となり合計9層となります。2回目は9×3、3回目は27×3、5回目は243×3=729層となり、約千枚になることから「ミル(千の)=フイユ」と命名されました。

愛とお菓子

シャルロット

 シャルロットはイギリスの宮廷で創作されたもので、ジョージ三世王(1738-1820)の王妃シャーロットに捧げられたようです。

 元々は食パンの薄切りをレモンとシナモンで香り付けした牛乳に浸し、型に敷き、果物のピュレを流し込んで焼き固めたプディングでした。

クレープ・シュゼット

 放蕩も菓子の創造のきっかけとなったことがあります。1896年1月のある夜、英国皇太子で後のエドワード七世はモンテカルロで愛人のシュゼット某と食事をし、パティシエのエスコフィエにオリジナルのデザートを出すよう注文しました。

 そこでエスコフィエはクレープを作り、それにキュラソーとマンダリン・オレンジのジュースをかけました。エスコフィエはこの美しい創作をシュゼットに敬意を表して「クレープ・シュゼット」と名付けました。

結婚式伝統のお菓子

 ピレネ地方では、結婚披露宴がガト―・ア・ラ・ブロシュ「串焼き菓子」を用いずに終わることはありません。生地が突き出してピラミッド状に重なるこのお菓子は、最大で3.5キロにもなることがあります。バター、小麦粉、砂糖、バニラ、ラム酒を使い、時間をかけて焼かれるお菓子です。

 円錐形のお菓子の中央を一本の串が通り、一層また一層と焼き重ねていくので、忍耐と技術が要求されます。このお菓子の製作には、串を回す助手と、硫酸紙を巻いた木製の円錐に生地を塗る料理人、少なくとも2人が必要です。最低でも30個の卵が必要だと言われています。

 「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」は結婚式や家庭のお祝いで食べられ、その形から古典的なピエス・モンテを連想させ、今もなお大変珍重されています。

間違いは人間のさせる業

 クリスティアン・コンスタンにとって、製菓職人の職能は厳密な数学だとされています。全体を再現し、計算する。計測して、加熱時間を測り、再生産可能な行為まで設計します。

 しかし、革新するためには、あまりにも決まりきった束縛から逃れることが原則です。偶然の事故が新たな組み合わせの扉を開くこともあります。

 マルムティエ大修道院の修道女アニエスは、不器用にも少量の生地を熱い脂の中に落としてしまいました。この失敗から、シュー生地の熱く甘いベニエ、有名な「ペ・ド・ノンヌ」(尼さんのおなら)または「スピール・ド・ノンヌ」(尼さんのため息)が創造されたのです。

 タタン姉妹がりんごのタルトを作っているとき、型が手から落ちてタルトは上下逆さまになり、生地が上になってしまいました。失敗を隠そうと、姉妹はそのまま生地を上にして食卓に出しました。これが「タルト・タタン」という逸話の起源です。

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