雑誌「Newton」の面白かった記事を紹介

書籍情報

タイトル

Newton2021年10月号

出版

ニュートンプレス

Focus 話題のニュースをコンパクトに紹介

コラム元情報

執筆:北原逸美

ラクダの抗体でつくるコロナ治療薬

ラクダやアルパカは質量の小さい「ナノボディ」と呼ばれる抗体を持つことで知られています。

「ナノボディ」の臨床試験が行われ、安全性が確かめられている最中だといいます。

体の大きいラクダは研究施設で飼育するのは困難、そしてラクダの抗体を生産する細胞を取り扱うのも困難です。なので、ラクダの抗体を持ったマウスを作成しました。

ラクダの抗体を持ったマウスで試験を続け、新型コロナウイルスに対する中和抗体を作製することができました。変異体に対しても効果のあるナノボディのようです。

ラクダのおかげでコロナを収束させることができるかもしれません。

サイト管理人

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体が大きすぎて研究所で飼えない。は笑いました。

こんな研究もあるんですね。

磁場を感じる渡り鳥

ヨーロッパコマドリの網膜に含まれる、タンパク質の「クリプトクロム」を抽出して詳しく調べたときに面白い事がわかりました。

「クリプトクロム」が光を浴びたとく、ある条件下で磁気感受性を示すことが明らかになりました。

ニワトリ・ハトからは弱い感受性しか示しません。

このタンパク質をコンパスとして利用してる可能性が高くなりました。

最終的には生体内でどういう反応するのか調べる必要があるといいます。

Plus ネコを腎臓病から救う最新研究

コラム元情報

協力:宮崎徹 教授

コラム紹介

ネコは他の動物に比べて腎不全が原因で、死亡する場合が多いのです。

猫の多くは、5~6歳で尿管結石や腎炎などで急性腎障害になり、その後、慢性的になって当廃物(毒)が全身に回り、15歳前後で死んでしまいます。人やマウスではタンパク質「AIM」が尿細管に移行することによって、ゴミが細胞に食べれて除去することが明らかになりました。

猫のAIMは尿細管に移行しない可能性があることが、わかりました。

AIMを急性腎障害のネコに投与すれば、治療することができます。そして、定期的にAIMを投与すると、慢性化が防げるので、平均寿命を30歳ほどにのぼす可能性も出てきました。

この研究には莫大な労力と何十億という大金をかけて、企業と結託し、治療薬の開発から地検の直前まで研究を進めることができました。今は新型コロナウイルスの影響で中断を余儀なくされています。そんな中でも、全国のネコ好きからの寄付が1億5760万円にまで達しています。今は1日でも早く薬を完成させたいと、宮崎教授は語っています。

もともとはヒトの病気の治療薬を開発する目的でスタートしました。日本の慢性腎臓病患者は1330万人以上、透析患者33万人を超えます。

AIMの可能性は腎臓だけに留まりません。肥満やアルツハイマー病、脳梗塞、肝臓にも効果が期待できます。AIMはゴミ掃除機です。肥満の場合は脂肪がゴミに当たります。AIMがゴミにくっつくことで、免疫細胞のマクロファージなどにたべさせて除去するというメカニズムなのです。

AIMは原始的な免疫だと考えます。従来は1つの薬は1つの病気だけ直すものが多いです。AIMは万能薬になりえるかもしれません。

人類初の民間宇宙旅行に成功

コラム元情報

執筆:中野太郎

監修:浅井圭介 教授

コラム紹介

2021年7月アメリカの2つの宇宙企業が、自社の宇宙船で乗客とともに相次いで宇宙空間に到達するこに成功しました。

  • ヴァージン・グループ創設者 リチャード・ブランソン氏が率いる「ヴァージン・ギャラクティック」
  • IT企業アマゾンの創設者 ジェフ・ベゾス氏が設立した「ブルー・オリジン」

7月11日ブランソン氏を含む乗客4名を載せて、「スペース・シップ・ツー」の2号機「VSSユニティ」は打ち上げられました。高度86.1キロメートルに達して、36分後に地球に無事帰還しました。

7月20日「ニュー・シェパード」4号機が打ち上げられました。高度107キロメートルに達して10分後に帰還しました。「ニュー・シェパード」は完全自動制御で、操縦士はいません。

民間企業の宇宙船が操縦士以外の乗客を複数載せて宇宙へ往復したのは、今回が世界初です。

両社ともすでに宇宙旅行のチケットを販売しており、1人25~45万ドル(約2750~4950万円)です。誰もが宇宙へ行ける時代が始まっています

脳解読はここまできた

コラム元情報

執筆:尾崎太一

監修:神谷之康 教授

コラム紹介

脳の神経細胞がやりとりする信号をAIが解読する技術を「ブレイン・デコーディング」という。

ブレイン・デコーディングには2種類存在する

  • 侵襲型 脳に微細な電極を入れて直接電気信号を検出するやり方 脳を傷つけてしまう
  • 非侵襲型 fMRIといって、脳の血流を読みとり脳の動いている部分を調べる方法

fMRIでは、微細な変化は「ノイズ」とされて、情報を取り出す研究者はいなかったが、AIの学習機能を使ってある程度、思考を読み取れる技術をあみだした。被験者の脳の活動データをAIに学習させれば、見た夢の内容まで高確率で推測することができます。2006年には、人間の簡単な動作ジャンケンのグーを後からマネキンを使って体現するデモンストレーションを実現してみせています。

イーロンマスク氏が創業したNeuralink社から、固定概念を覆すような 侵襲型の微細なセンサーが開発されました。手術ロボットが血管をさけながら挿入していく、頭に完全に埋め込めむBMIセンサーです。Youtubeにセンサーが埋め込まれた猿「ペイジャー」9歳が、脳信号だけでテレビゲームで遊んでいる動画が公開された。

Neuralink社の目標はAIに人間が負けないことです。高速で計算ができるAIと人間の脳で優れた能力をもてるはずだと語っています。

クリーンエネルギー最新事情

コラム元情報

執筆:今井明子

監修:野呂康広 教授

コラム紹介

カーボンニュートラルで日本は、2030年までに再生可能エネルギーを22~24%にうることをめざすとしている。この数字は世界の主要国と比べると、まだまだ低いです。日本はたった16%、ヨーロッパの主要国は30%近くです。

日本ではFIT法による電気の買取が頻繁に行われている技術が太陽光発電です。コスト面では依然として高く、今後どれだけコスト削減をしていけるのかが課題となります。課題に対して注目されているのは、ペロブスカイト太陽電池です。柔軟性を持ち、製造工程が少ないため安価で製造ができます。ペロブスカイト太陽電池は都市部の建物の壁などに設置できる可能性があるため、今後の実用化が期待されています。太陽光は日のでている時間しか活用できないのも難点です。

風力発電の風車は、風が良く吹き、人口の密集していない地域に限られます。そこで、海の上での発電が考えられている。海上にプロペラを浮かべて発電する浮体式は2009年にノルウェーで初めて実用化されてから、世界各国で設置が進んでいる技術です。日本では台風などの強風が吹く場合があり、プロペラ型の発電機では思うように発電できない。回転する物体が課税を受けると圧力の高い領域と低い領域ができて、物体に対して力が働くことをマグナス力という。日本においては、このマグナス力型の風力発電の普及が期待されている。

地熱エネルギーがある地域は、温泉などのリゾート施設がある場合が多く、地元住民の理解も得られないため発電所を作ることが難しい。地下水がないところで発電できる高温岩体発電という技術を開発中です。岩盤を破壊し水を注入して温められた熱水を回収して発電するという発電方法です。ほかにも、温泉を蒸発させてタービンを回すバイナリー発電にも期待しています。

潮力発電には、潮の流れを利用した潮流発電と、潮の満ち引きを利用した潮汐力発電がある。黒潮の海流を利用した「かいりゅう」の潮流発電の実験が行われています。「かいりゅう」は出力は500キロワット(300世帯分)が出力できると期待されています。発電した電気をどう送電するのか、など課題はまだ多いです。

他にも記事はあります。

世界の最新飛行機、近い未来マッハで飛びまわる旅客機ができて、日帰り海外旅行を実現可能にするかもしれない。羽が折りたためる旅客機、軽量でV字型になっていて揚力を活かした旅客機、ハイブリッド電動旅客機、空飛ぶ自動車。内容にも驚きますが、旅客機の写真がカッコイイ。

南極の氷の融解の問題。100年という長いスケールでゆったりと変動していると考えられてきた氷の融解、どうやら違うぞ。そんな記事もあります。

知られざる蜂の生態、いろんな蜂の巣や意外な特徴を知ることができます。

あっという間に、読む記事が無くなりました。面白かった。

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