みたてのくみたて/著者:田中達也

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書籍情報

タイトル

みたてのくみたて

―見るだけでひらめくアイデアの本

発刊 2024年7月16日

ISBN 978-4-478-11597-8

総ページ数 159p

著者

田中達也

ミニチュア写真家・見立て作家。
毎日作品をインターネット上で発表し続けている。

出版

ダイヤモンド社

もくじ

  • はじめに
  • 1章|形から発想する
    • 丸から考える
    • 輪っかから考える
    • 半球から考える
    • たくさんの丸から考える
    • 三角から考える
    • 四角から考える
    • ジグザグから考える
    • LESSON 積み木の街
    • POINT 形の引き出しを増やす
    • COLUMN アイデアは出し尽くした後におもしろくなる
  • 2章|色から発想する
    • 青から考える
    • 赤から考える
    • 緑から考える
    • 黄色から考える
    • 白から考える
    • 黒から考える
    • LESSON 色だけの世界
    • POINT 色の引き出しを増やす
    • LESSON 色と形を組み合わせる
    • COLUMN 見立ては「今あるもの」で工夫する力
  • 3章|暮らしから発想する
    • リビングから考える
    • キッチンから考える
    • バスルームから考える
    • トイレから考える
    • ベッドから考える
    • POINT 「なかま同士」でまとめる
    • COLUMN 想像力を刺激する3つの仕事場
    • COLUMN すぐにアイデアを引き出すための整理術
  • 4章|スケールを変える
    • 見立てとスケールの関係
    • ミクロとマクロを考える
    • モチーフを拡大する
    • LESSON アイデアをつなげる
    • COLUMN 人形を10万体以上そろえる理由
  • 5章|動きから発想する
    • 直線的な動きから考える
    • 回転する動きから考える
    • スポーツの動きから考える
    • 前後の変化から考える
    • LESSON 作品タイトルは言葉の見立て
    • COLUMN 理想の人形をつくるための作業机
  • 6章|擬人化する
    • 顔をつける
    • 顔をつけない
    • 手術の患者
    • 宇宙人
    • 動物
    • POINT キャラクターの個性は顔と手足で決まる
    • POINT アイデアを伝えるための工夫
    • COLUMN 毎日の作品ができるまで
    • 1日のスケジュール
  • 7章|世界共通の出来事から発想する
    • 自然現象・宇宙から考える
    • 食べ物から考える
    • 行事から考える
    • 文化から考える
    • 災害・環境問題から考える
    • 平和と戦争から考える
    • 家族から考える
  • まとめ
  • おわりに

書籍紹介

 この本は、普段見過ごしてしまうような日常の風景や物体を、新しい視点で捉えることで、思いがけないアイデアやインスピレーションが得られることを教えてくれます。

 日常の中の「みたて」とは?

 田中達也さんは、ミニチュア写真家として知られており、日常的な物体をユニークな視点で再構成することで、まるで別のものに見える「みたて」の技術を駆使しています。本書では、田中さんが実際に制作した作品とともに、その発想のプロセスや、どのようにして日常の中からアイデアを見つけ出しているのかが紹介されています。

 例えば、身の回りにある野菜や文房具が、見方を変えるだけで人物や風景に見えてくるという、田中さん独自のアートの世界を体験できます。普段何気なく目にしているものが、彼の手にかかると途端にストーリーを持った作品に変わり、私たちに驚きと楽しさを与えてくれます。

ひらめきは日常の中にある

 この本が特に優れているのは、田中さんが単なる「見た目の変化」にとどまらず、読者自身がどのように「みたて」の視点を持つかについても触れている点です。読者は田中さんの作品を楽しむだけでなく、日常生活の中で自分自身が新しいアイデアを生み出すためのヒントや方法を学ぶことができます。

 創造性を養いたい、あるいは単に日常の中で小さな楽しみを見つけたいという方にとって、『みたてのくみたて』は素晴らしいガイドとなるでしょう。田中達也さんのアートに触れることで、あなたの視点もきっと広がり、身の回りの何気ないものが、これまでとは違った魅力を持って見えてくるはずです。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

アイデアを出し尽くせ

 から揚げを題材に作品を作る際、その凹凸した形状から「岩」や「爆発」を連想して表現しました。しかし、アイデアを出し尽くした後、もう一度から揚げを使って何かを作ることに悩んでいました。

 悩んで考え続けた結果、から揚げが紅葉に見えることを発見しました。この作品を観た人々の反応は、期待以上のものでした。

 アイデアが枯渇することを心配して、出し惜しみをしてはいけません。アイデアをストックすると、それに固執したり、安心してしまう恐れがあります。

 すべてのアイデアを出し尽くしたとしても、その後に新たなアイデアが必ず生まれます。

今あるもので工夫する

 見立ては、人間の本能に根ざした、生きるための知恵だと考えています。

 コロナ禍では、多くの人が生活様式の変更を余儀なくされました。オンラインミーティングや宅配サービスなど、新たなサービスや文化もビジネスの場で生まれました。

 日常生活で何かが欠けている、あるいは満たされていないと感じるときこそ、見立ての発想が活かされるチャンスです。

 見立てとは、「今あるものを工夫して、代わりの方法を見つけ出す力」だと私は考えています。

人形を10万体以上そろえる理由

 作品でのこだわりは、人形のスケールにあります。

 どんなに素晴らしいアイデアを思いついたとしても、それを効果的に伝えるためには、人形のサイズを適切に調整する必要があります。

 例えば、歯ブラシをピアノに見立てる場合、人形は2cmが最適です。一方で、ノートをピアノに見立てる場合は、人形のサイズは15cmでなければなりません。同じアイデアでも、実現したい表現に応じてさまざまなスケールの人形が必要です。

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