社会の変え方

※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 生まれる前から、不平等は広まっています。実際に報われない努力は多いのです。

 だからこそ、せめて平等な機会のある社会を目指そうと思いました。自分だけでも、報われない努力を愛する政治家になろうと思ったのです。

 あれから50年もの月日が流れ、明石市長3期12年の任期満了を迎えます。

 「やさしい社会を明石から」その思いで、市長として取り組んできた12年間の軌跡は、なんらかの参考にしていただけるようにも思います。

書籍情報

タイトル

社会の変え方

日本の政治をあきらめていたすべての人へ

第1刷 2023年1月31日

発行者 大塚啓志郎、高野翔

発行 (株)ライツ社

DTP (有)エヴリ・シンク

写真 片岡杏子

装丁・デザイン 吉田考宏

構成 大矢幸世

印刷・製本 光邦

営業 高野翔・秋下カンナ

編集 大塚啓志郎、有佐和也、感応嘉奈子

ISBN 978-4-909044-39-6

総ページ数 373p

著者

泉房穂

明石市長。

 「5つの無料化」に代表される子供施策のほか、高齢者、障がい者福祉などに力を入れて取り込み、市の人口、出生数、税収、基金、地域経済などの好循環を実現しました。

出版

ライツ社

「本のまち」が人を育む

Image by Rudy and Peter Skitterians from Pixabay

 受験勉強の参考書すら買えず、近くの本屋さんに行っては必死で立ち読みしていました。見かねた親父さんが店内に机とイスを用意してくれるようになったのです。あのときのありがたさと申し訳なさは、決して忘れられません。

 だからせめて、明石の子どもには思う存分、本を読ませてあげたいと思ってきました。

 1つの家庭で1500円の絵本を1冊買っても、1人の子どもしか読むことができないのです。みんなから預かった税金で絵本を1冊買えば、何十人、何百人という子どもたちが良い本を読めます。今のような市民にお金がない時代こそ、みんなから預かっているお金で公が本を買うのです。

 本は感情、想像力を育みます。人の悲しみや痛みを知るのは難しい事ですが、本はその支えにもなってくれます。

 冷たいまちを変え、やさしい社会につながっていく、税金はこういうことにこそ使うべきです。

「司法」と「福祉」をつなぐ

Image by Gerd Altmann from Pixabay

 交通事故で、弁護士ができるのはお金の話だけです。片脚を失った青年にいくばかのお金を渡すことができます。その事故の後に続く人生を支えるのは、司法だけでなく福祉の役割が不可欠です。

 この司法と福祉の橋渡しができる立場が、自治体になります。

 けれども日本社会は、福祉を担う人材をあまりに疎かにしています。重要な役割を担っているのに、あまりにも扱いがひどいままです。

 ヨーロッパでは、弁護士や医師に負けず劣らず、ソーシャルワーカーは社会的地位のある職業になります。

 日本で福祉にたずさわる人、社会福祉士をみても、その地位は弁護士や医師に比べて、明らかに低いのです。業務量も多く、年収も低いときています。憧れの職業にならず、冷たい社会に歪みを生んでいます。

生きづらさは「社会」の側にある

作者: mina/stock illust

 私たち1人ひとりに、それぞれ限界があります。多くの人ができても、自分にはできないことがあるのです。

 私も、常に自分が「できる」側に属するとは考えていません。それがあたりまえです。それぞれの個性を認め合う社会こそが、発展へとつながります。

 完璧でもない人間が、「あちら側」と「こちら側」に線を引いて仲間外れにしたがるのです。そんな冷たい反応を理不尽に感じてきました。

 車いすに乗った方がお店の入口で段差に阻まれ、入りたくても入れないことがあります。それを「あきらめてください」で終わったことにできません。周りの人が車椅子ごと店内に入れば解決できますが、根本的に解決するなら段差を無くすことです。

 市民が暮らしやすい環境を整備していくのは、行政の仕事です。スロープを設置するお店には全額助成を行うことにしました。これは全国発の取り組みです。地域の経済政策にもなります。

 どちらかを特別扱いする「差別」を前提にすると冷たい風が吹きます。

 社会側に障害があり、その障壁を取り除くことで、まちの風景が変わるのです。次第に、市民の意識も変わり始めました。

まずは市区町村から変えていく

UnsplashRichard Taoが撮影した写真

 日本の議院内閣制のもとでは、良くも悪くも政治は安定的になってしまいます。大きな変化を望むのは難しい枠組みです。新しい政策を実現しようとするなら、多数派工作をして賛同者を増やさなければなりません。

 国とは違い、自治体のトップは自らさまざまなことができるポジションになります。ある政策のニーズが高ければ、そして、そのまちの住民が動いてくれるなら、全国どのまちでもその政策を実現することができるのです。

あとがき

 「漁師が新聞読んで何になる」と笑う漁師仲間に父は、「将来偉くなるから、足を引っ張らんようにせんとあかん」と答えていたそうです。

 父は研究熱心な人であったため、本当はもっと勉強したかったのではないでしょうか。

 自分が思うように生きられなかったから、せめて息子には、という気持ちが痛いほど伝わってきます。

 「何もしてやれなかった」と言い残し3年前に母がこの世を去りました。「あの子はしたいことをしてるんじゃなくて、しなければならないことをしてるんよ」いつもそういっていたようです。

 そんな、おやじとおふくろに恥じない生きた方をしたいと思います。

 冷たい社会をやさしい社会に変えるのが、私の使命です。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 私の本の購読費は、月額約4~5万ほどかかっています。それを自治体が読む本と場所を用意してくれるのであれば、かなり助かる話です。絵本にしろ、ビジネス書にしろ、1500円をポンと出せるほど庶民にとって気軽な金額ではありません。

 私の場合はどうせ読むので、せっかくならアウトプットついでに、読者に無駄なお金を使って欲しくないないなと思っております。経費のために、売り込んでいる証拠は申し訳程度に載せているのです。このブログに購読費を補えるほどの収益は期待できません。

 1冊1500円は高いのです。せめて、失敗してほしくありません。今はそんな思いで、ブログを続けています。

 本で勉強してきた明石市長は、本が教養になることや、ストレスの解消になることを知っているようです。それが、政策につながり、人口増加率 中核市で全国第1位になっているのではないでしょうか。

 弱者のために働く大先輩を学べる1冊として、オススメできる書籍となっていました。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

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