がんとお金の話/著者:黒田ちはる

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書籍情報

タイトル

【図解】医療費・仕事・公的支援の悩みが解決する

がんとお金の話

発刊 2025年5月23日

ISBN 978-4-8013-0767-4

総ページ数 223p

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出版社リンク 彩図社患者家計サポート協会

著者

黒田ちはる

一般社団法人患者家計サポート協会 代表理事
看護師、1級ファイナルシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
看護師として働く中で、経済的な負担が生活に影響することを痛感し、FPとして活動するようになった

出版

彩図社

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もくじ

  • はじめに
  • 序章 お金の問題は治療と並ぶ大問題
    • がん治療にかかるお金の問題は治療と並ぶ大問題
    • 経済面にも広がるサポート、 しかし課題も
    • 医療費の自己負担は今後増えていく可能性が高い
  • 1章 時系列で見る がんの治療にかかるお金
    • がんの治療費は人によって大きく変わる
    • がん治療でかかる 「3つのお金」
    • 医療費は高額療養費制度の利用で抑えることが可能
    • [治療開始~3ヵ月] 高額療養費を使いこなすコツ
    • [4ヵ月~半年] [多数回該当」のしくみ
    • [半年~1年] 医療費控除で税金を取り戻す
    • 高額な医療費=高額療養費制度適用とは限らない
  • 2章 仕事を続けるための選択肢
    • 診断後の「びっくり退職」 を防ぐために考えたいこと
    • 仕事を続けるための最初の一歩 「就業規則」
    • 就業規則を確認しながら考えておきたいポイント
    • 働き方の相談、 まずは情報の整理から
    • 治療と仕事の両立で大事な 「配慮」とは?
    • 個人事業主の場合は早めに情報の整理を
    • 無理のない範囲でパートで働き続けるという選択肢も
    • 選択肢のひとつ 「再就職」 の注意点
  • 3章 お金のかけかた 調整のしかた
    • 就労世代と年金世代では全く違う 「がん治療のお金」
    • 治療方針が決まった時が
    • お金・制度・働き方を考える時
    • 「自分が大事にしたいこと」を考えてみよう
    • 家計簿をつけた方がいい人、つけなくてもいい人
    • 住宅ローンの返済に困った時は
    • 教育費で重要なのは大学入学後
    • 生命保険料の支払いが難しくなった時の対処法一
    • がんになった後に保険に入りたい場合
    • 車の費用を考え直してみる
  • 4章 仕事の休み方
    • 休職前には考えることがたくさんある
    • 復職に向けた職場との連絡
    • 傷病手当金の基本 (協会けんぽの
    • 傷病手当金の注意点 (使い方編)
    • 傷病手当金の注意点 (お金編)
  • 5章 治療が長期になってきたら
    • 退職とその前に考えたい可能性
    • 退職時の健康保険の選択
    • 退職時に必要な手続きと確認すべきポイント
    • がんで障害年金が受け取れることがある
    • 障害年金申請の注意点
    • 障害年金で安心して暮らしていくためのポイント
  • 6章 相談のしかた
    • 自分に合った正しい情報を手に入れよう
    • 相談は 「いつ」 「誰に」 が重要
    • 資産運用をしている方は早めにご相談を!
    • 家族と話し合うためのポイント
  • 医療費の実例
    • 実際にかかった医療費 1
      • 高額療養費制度の 「多数回該当」 利用の例
    • 実際にかかった医療費 2
      • 高額療養費制度の 「世帯合算」 が利用できなかった例
    • 実際にかかった医療費例 3
      • 長期治療にかかる医療費と助成金利用の例
    • おわりに

書籍紹介

 この本は、がん治療に伴う経済的な不安や悩みを解消するための具体的な情報とアドバイスを、わかりやすい図解とともに提供しています。黒田さんは看護師としての経験とファイナンシャル・プランナー(FP)の専門知識を活かし、患者家計サポート協会の代表理事として長年、がん患者の経済的支援に取り組んできました。その実践的な視点が、本書の大きな魅力となっています。

 がん治療にかかる医療費の管理方法や、高額療養費制度をはじめとする公的支援の活用方法が丁寧に解説されています。治療中や治療後に仕事との両立が難しくなる場合の収入減への対処法も紹介されており、患者だけでなく家族にとっても実用的です。特に、がん治療が長期化する中で生じる「経済毒性」という問題に焦点を当て、どのように備え、乗り越えていくかを具体例とともに示しています。黒田さんの温かみのある語り口は、読者に寄り添い、不安を和らげるような印象を与えます。

 がんを経験した人やその周囲の人にとって、この本は経済的な不安を軽減し、前向きに治療に臨むための道しるべとなるはずです。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

がん治療でかかる「3つのお金」

医療費

 大きな負担になるのは医療費です。診察・検査・入院・手術・放射線・リハビリ・薬剤など、内容によって変動します。健康保険が適用されるかどうかによっても費用が変わるでしょう。標準治療のほとんどが健康保険の適用となりますので、突然数百万円かかる可能性は低いです。

治療以外に病院でかかるお金

  • 文書料
  • 食事代
  • 病衣代
  • 個別差額ベッド代
  • 紹介状が無い場合の初診時負担金
  • セカンドオピニオンの費用

 がん保険のどの給付金請求や職場に出す診断書、傷病手当金、障害年金の申請には医師に記載してもらう必要があります。そのたびにお金がかかるので、予想外の出費に大変な思いをするという声をよく聞きます。治療方針が決まったら、念のため確認しておけると準備しやすいかと思います。

病院以外でかかるお金

 宿泊費、交通費、備品(人工肛門のパウチ、ウィッグ、ストッキングなど)など、自分の仕事や生活スタイルに合わせて、最小限になるように考えなければならない費用があります。時系列で考えると、これらの費用も解像度があがるでしょう。

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