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目次
書籍情報
食べて、100歳
サプリメントより滋養食
永山久夫
食文化史研究家。食文化研究所、綜合長寿食研究所所長。西部文理大学講師。
「健脳食」などのキャッチワードで有名な研究者。テレビ・ラジオなどのメディア出演、雑誌や著書も多くある。
きずな出版
- まえがき
- 90の手習い、100歳の間に合う
- 第1章 花咲けるシニアで100歳
- ニンニクを食べて男性ホルモンも強化する
- ワカメの若返り効果 年を取っても若く見える日本人
- きな粉のパワーで「俺の人生これからだ」
- 寒い夜にはどんがら汁
- タラは大食漢の「たら服」
- 花を咲かせる100歳食のすすめ
- 「スルメ」を噛めば噛むほど 100歳時代を面白く
- 長生き100歳鍋 「八大スーパーフード」
- 「若水」で100歳現役』水分不足では細胞がしわくちゃ
- 抹茶でリラックスすると脳がクールになる
- 第2章 江戸っ子の”元気めし”
- 鰻のかば焼きで女性にもてた江戸の老人
- 春は元気の出るアサリ飯 江戸っ子の”元気めし”
- ニンジンを食べて健康 江戸っ子は葉も食べていた
- カブは万能の野菜 葉はビタミンCの宝庫
- アスパラガスで若帰り 江戸時代は「アスペラケー」
- つくだ煮の「ギャバ」が長寿力強化
- 初ガツオに熱狂した江戸っ子のアンチエイジング
- ぬかみそ漬けで抵抗力を強くする
- 江戸っ子は「けんどんそば」早くて、安くて、うまい
- 第3章 免疫力アップの健康食
- 疫病退散にネギ味噌を焼く うどん屋の風邪薬
- ニンジンで100年スープ 免疫力を強化
- 免疫細胞を増やすニラで風邪予防
- イノシシ肉と三歳の大鍋料理「野戦汁」とは何?
- 「カツオ節」で老いに勝つ 自分力を強くする理想食
- イライラにお茶で勝つ カテキンは熱い湯でどっと出る
- 紙で作った「めくり餅」の厄除け効果
- 女の神事でゴマ油 「けんちん汁」が風邪予防
- 煤払いで家中のウイルス退治
- シイタケのビタミンDはスーパー栄養素
- 梅干しで病気を叩く 唾液の中の抗ウイルス作用
- ラッキョウで免疫力強化 古くは薬用として珍重
- 免疫力を高める「赤まんま」 現代人に必要な小豆の栄養成分
- 第4章 歴史の偉人たちの食の知恵
- 葛飾北斎の大好物だった「クワイ」
- 『本朝食鑑』に記されたニンニクで疫病退散
- 八代将軍・吉宗が名付けた「小松菜」
- オクラのネバネバ クレオパトラの肉スープ
- 強精食材だったギンナン 知将・加藤清正の植樹
- 古代エジプトの労働者にニンニクとタマネギ支給
- 貝原益軒が『大和本草』で解説 アシタバの効能
- 強運を呼ぶゴマ入り兵糧丸は戦国武士が好む
- モモは専任の食べもの『古事記』でも霊力を紹介
- 小豆が『日本書紀』や『古事記』に悪霊除けの豆として登場
- 古代チーズと女流作家 王朝の牛乳文化
- サケはトップクラスの長寿食 赤い身のパワー
- 平安文化を支えた牛乳 タンパク質がたっぷり
- セリを味わい春を待つ 季節もので健康管理
- 新ショウガで免疫力アップ 旅に欠かせなかった道中薬
- 平安美女は「油飯」で黒いロングヘア―
- 平安貴族も好んだモズクは老化を防ぐ
- イワシの頭で鬼払い 貴重なDHAとEPA
- 第5章 不老長寿の100歳食
- 不老長寿の「いも粥」と「とろろ汁」
- 猿酒こそ不老長寿の大ヒント 満月の夜の猿酒うまし
- 不老長寿のシンボルはサクラエビ
- 新茶とトッピンシャン 老化や病気を防ぐカテキン
- 昔は赤シソ、いまはオオバ オオバの栄養と薬効
- サツマイモには長寿成分もたっぷり
- そばを食べて不老長寿 そば好きは長生き
- 大豆は「魔滅」の長寿食 悪疫を退散
- 日本人の原ぐすりは「大根」
- イクラと筋子の長寿効果
- ひじきは古代からの不老長寿食
- あとがき
書籍紹介
この本は、健康寿命を延ばすための食生活を提案する一冊で、特に92歳という高齢でありながら食文化史研究家として活躍する著者の視点から、サプリメントに頼ることなく健康を保つ方法を探求しています。
本書の魅力
- 歴史からの知恵
- 本書では、北斎や家康など歴史上の偉人たちが実践していた食事法が紹介されています。これらの知恵は現代の科学的見地からも再評価され、長寿に寄与する可能性が示唆されています。
- 具体的な食材とその効能
- 抹茶、アスパラガス、梅干しなど、身近な食材がどのように体に良い影響を与えるかが詳述されています。例えば、抹茶はリラックス効果があり、アスパラガスは若返りに、梅干しは病気予防に役立つとされています。
- 食文化の深層
- 日本人の伝統的な食文化が、どうして長寿を支えてきたのかを解説。特に「大根」や「サケ」などの食材が、長寿食として取り上げられています。
- 実践的なアドバイス
- 単に食材を挙げるだけでなく、どう食べるべきか、どのタイミングで摂るのが良いかなど、日常生活にすぐに取り入れられるアドバイスが満載です。
自然に健康を保つ方法
この本は、健康を維持するためのサプリメントに頼るのではなく、食事から得られる栄養とその歴史的な背景を理解することで、自然な形で健康を保つ方法を教えてくれます。特に高齢者だけでなく、健康寿命を気にする全ての人にとって参考になる内容です。永山久夫さんの研究に基づく知識は、食事が単なるエネルギー補給ではなく、生活の質を高める手段であることを再認識させてくれます。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
抹茶でリラックス
「茶は養生の仙薬なり。人の寿命をのばす妙薬なり」と、鎌倉時代の禅僧である栄西が『喫茶養生記』に記しているように、お茶は古くから万病に効く薬であり、長寿の妙薬として重視されてきました。
今はアメリカやヨーロッパで注目され、粉末化した「抹茶」がちょっとしたブームになっています。世界トップクラスの長寿国、日本が生んだ伝統的なドリンクです。ストレス解消とリラックス効果をもたらしているようです。
日本の歴史の中で、人々が最もストレスに苦しみながら生活していたのは、戦国時代といってよいでしょう。毎日のように合戦があり、武士はいつ命を落とすか予測もつかない大乱世です。ストレスを解消し、リラックスするため、武将たちは戦いの合間を見ては、陣中で茶をたてて飲用していました。
つくだ煮の生みの親は徳川家康
作者: 佐桃冬雪
参勤交代の武士たちの江戸土産として大変に人気があったのが、つくだ煮です。江戸、東京の名物となった「つくだ煮」の生みの親は、あの徳川家康でした。
戦国の乱世を終わらせて江戸に入国する折に、摂津の佃村(大阪)から漁師を呼び寄せ、故郷の名前を取った保存食が生まれました。近海で獲れた小魚やエビ、貝類などを用いたご飯のおかずとして、「つくだ煮」が江戸っ子に受け入れられました。大人気の「名物珍味」だったようです。
ニンニクとタマネギ支給
古代エジプトには、ピラミッド建設に従事した労働者にニンニクとともにタマネギが支給されたというエピソードがありますが、古くからスタミナ強化食として崇拝されてきました。
日本にタマネギが伝わったのは江戸時代で、長崎を経由して入ってきました。本格的に北海道でタマネギ栽培が始まったのは、西洋料理が普及した明治時代です。
カレーライスの流行とともにその普及が進み、辛味と甘味を持つタマネギは疲労回復に役立つ食材としても知られています。また、抗酸化作用があり、血液をサラサラにする効果も注目されています。