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目次
書籍情報
新版 お金の減らし方
森博嗣
小説家、工学博士。
1996年にメフィスト賞を受賞してデビュー。
SBクリエイティブ
- まえがき
- 第1章 お金とは何か?
- お金はもともと仮想のもの
- お金は社会が保証したもの
- お金は価値を測る物差し
- 価値を交換するためにお金がある
- 価値は誰のためのものか?
- 他者のためにお金を使う人たち
- 価値を見極めるためには?
- 自分の欲求をよく知ることが基本
- 値段が価値ではない
- ものの値段に左右されないこと
- コミュニケーションが個人を拘束する時代
- お金がないからできない?
- お金に価値がある、という勘違い
- 自分の欲求を見定めること
- 目的があれば仕事も楽しくなる
- 将来にツケを残さないこと
- 価値は時間経過で変化する
- うまい話には裏がある?
- お金が目的になるのは倒錯
- 交換によって個人が自由になる
- 自分の満足を得ることが最終目的
- 損をさき、得をあとにする鉄則
- 基準は自分。人と比較しない
- 自分の自由を防衛する費用……
- 第2章 お金を何に使うのか?
- 札束をオーブンで焼いた母
- 財布の紐が緩むって、何?
- 「なにか買いたい」症候群
- 「一点豪華主義」の心理
- 「自分で作ったから」という言い訳
- 沢山作られたものは安くなる
- 欲しがる人が多いものは高くなる
- 売ることを前提としてものを買わない
- 自分が買ったものは自分で消費する
- 自分でものを作ることで価値が増す
- お金に困る原因は十年まえにある
- 必要だからしかたがない、という罠
- どれくらい欲しいか、が基本
- 本人がしたいかどうかで判断
- それは本当に必要なものなのか?
- 誰もいない環境を想像してみよう
- 他者に認められたい症候群
- ストレスを解消するためにお金を使う?
- 自分の欲しいものがわからない人たち
- 目先の楽しさを求めると虚しくなる
- あなたの未来のためにお金を使う
- 母が買ってくれたニッパの話……
- 第3章 お金を増やす方法
- 餌で釣られないように
- 確実にお金を増やす第一の方法
- 手っ取り早くお金を増やす第二の方法
- リスクと引き換えでお金を増やす第三の方法
- さらにリスクの高い第四の方法
- ギャンブルはお金を減らす立派な方法
- 人からお金をいただく方法
- 遺産がもらえても遅い
- 人間の仕事はどんどん楽になっている
- 工学部は就職を斡旋している
- 手に職をつける、ということ
- 仕事量と賃金は比例していない
- 仕事を覚える、ということ
- 就職と転職について
- 大学や大学院の社会人入学
- 会社勤めを辞めて商売を始める場合
- 感謝をされる仕事がしたい症候群
- 先輩が仕事を教えてくれない症候群
- 嫌な思いとお金を交換する
- とにかく勉強が大嫌いだった……
- 第4章 お金がないからできない?
- 「お金がない」とはどういう意味か
- 人は常に欲求を満たす道を選択する
- 社会は「合理」でできている
- あなたは、誰に支配されているのか
- 家族の理解が必要なのは何故か
- 個人を制限する精神的な拘束
- 周囲の理解を得るためには
- 目的のためには犠牲が必要である
- お金がないという言い訳が欲しい人
- 本当の趣味人は人を誘わない
- 「お金がないから……」は相手に失礼
- お金で買えない夢を持っている人たち
- 他者との関係を自分の願望にしても……
- 第5章 欲しいものを買うために
- 偉そうな人は、偉くない人である
- 人に良く見られて、なにか得がある?
- 好きなものに敏感だと、お金持ちになる
- 僕は自分の仕事にほとんど興味がない
- 手に入れたあと価値が増すもの
- 熱心に取り組めば価値が生じる
- 自分が好きなものは、いずれ活かされる
- 誰でも、好きなものでは博学である
- 価値は、自分自身の中で育つ
- ものを買うことが自分への投資になる
- 将来性に対してがめつくなろう
- 欲しくて買えないものばかりだった
- 欲しいものを探す旅を続けた若い頃
- インターネットは革命的だった
- ネットオークションで世界が変わった
- 個人の手仕事が価値を持つような時代
- 価値のあるものは、市場に出ない
- スペシャルな品には独自の流通がある
- 価値がわかる人のところへ価値は届く
- 価値は評価者によって決まる……
- 第6章 欲しいものを知るために
- 欲求のセンサが麻痺している人たち
- 周囲と一緒ならば安心だという心理
- 仕事が趣味になってしまった人たち
- ストレスを発散することが生きる目的か?
- 子供のように素直に憧れる気持ちを
- ぴんと来るものを見逃さないこと
- 僕は後悔というものをしたことがない
- 好奇心を抱くことが人間の特長
- 目を輝かせた時間を思い出そう
- あとがき
書籍紹介
内容の深さと哲学
この本は、森博嗣氏がこれまでに培ってきた視点から、お金という概念を哲学的に解きほぐします。お金とは何か、お金をどう使うべきか、そしてお金を増やす方法についての一般的な知識を超えて、「お金がないからできない」という思考パターンから脱却し、自分自身の価値観を見つめ直すきっかけを提供します。特に、「お金がない」とはどういう意味か、という問いかけは、読者に新たな視点を与えます。
読者の反応と影響
X(旧Twitter)上でも、この本に関する投稿が見受けられます。あるユーザーは、「お金の減らし方」というタイトルに驚きつつも、森博嗣の抽象的な表現や普遍的なテーマに共感を示しています。別の投稿では、お金を増やす方法についての考察がシェアされており、収入を増やす、支出を減らす、資産を増やすという基本的な三つの方法が再確認されています。これらの反応から、この本が読者に深い洞察を与え、自己啓発のきっかけとなっていることが伺えます。
支出と生活
『新版 お金の減らし方』は、単なるマネー本ではなく、人生の哲学書とも言える一冊です。お金を減らすことで何が得られるのか、または何を失うのかを考えさせられるこの本は、現代社会における物質主義や消費社会への対抗意識を刺激します。お金の使い方を通じて、自分自身の生き方を見つめ直す機会を提供してくれるでしょう。お金に振り回されることなく、自分らしいライフスタイルを追求したいと考える方には特におすすめです。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
お金に無縁の作者
なぜ、私に「お金の増やし方」なんてテーマを依頼したのでしょうか。私はお金を増やした経験がありません。というより、お金は増えないのが自然だと思っています。
国家公務員は安月給です。建築会社に就職した元同級生たちは、僕の倍も稼いでいました。子どもも生まれ、将来のことを考えて新築のマンションに引っ越したのです。私の妻はママ友と一緒に喫茶店にも行けていません。お金がなくて、そんな贅沢ができなかったのです。よくも離婚されなかったものだ、と今になって少し反省しています。
損をさき、得をあとにする
個々の交換の損得でなく、全体的な収支を評価します。ある時点での損が、将来の得になることも非常に多いのです。
世の中では、小さな目先の得に手を出す人から搾取して、少し遅れて大きな利を得ることが起こっています。これをビジネスと呼んでいるのです。
お互いに得を積み重ねていることがほとんどでしょう。そうでなければ、市場経済は崩壊しているはずです。個人によって得手不得手があるからこそ、目先の損得の交換が成立します。得をできるだけ後回しにできた人が、富を築くことができるのです。
お金に困る原因は10年まえにある
経済的に困窮している人の悩みは、どこにでも見受けられます。ローンの支払いが苦しいという話はよく耳にします。
最初に得を取ってしまい、そのツケを自分で支払っている状態と言えます。そうなる前に何とかするべきだったのです。まず、それを反省しましょう。
収入に見合わない買い物をしてしまうと、未来の自分を苦しめることになりかねません。過去は変えられないので、現状はどうにもならないでしょう。しかし、今から努力を重ねれば、10年後には生活が改善するかもしれません。
借金をする人は非常に多いです。利子の支払いに苦しんでいるように思えます。これに助言するのは難しいです。「借金するな」という以外に解決策がないのですから。