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目次
書籍情報
夫は犬だと思えばいい。
発刊 2024年6月17日
ISBN 978-4-569-90416-0
総ページ数 218p
高濱正伸
「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸に据えた学習塾「花丸学習会」を設立。
子どもを「メシが食える大人に育てる」ことが教育信条。
PHP研究所
- はじめに
- part1 苦しそうな大人たち
- 誰が学業不振の子をつくる?
- NGワードを投げつける
- 不登校・家庭内病力の子のお母さん
- 「夫婦で相談に来てください」の意味
- 比較をするから悩みは深まる
- ある日見えた核心…母親こそギリギリだった
- ズレていく夫婦の感情
- 帰宅恐怖症…お父さんも限界だった
- 文章題の指導は、母親以外がよい
- コラム 「花まる」の現場から①ある夜の夫婦の会話
- コラム 「花まる」の現場から②堂々たる「太陽ママ」
- part2 うまくいかない結婚
- 愛や恋は遺伝子プログラム
- 結婚は約束事にすぎない
- コンプレックスは宝物
- 異性と付き合えない若者たち
- 立ちはだかる異性の壁
- コラム 「花まる」の現場から③紫陽花の少年
- コラム 「花まる」の現場から④心揺さぶる修学旅行
- part3 「夫よ、妻の話を聞こう」では解決できない
- 「妻の話を聞きましょう」では通じない
- 無理なものは無理
- 男はプライドで生きている
- コラム 「花まる」の現場から⑤宇宙と命と友と
- コラム 「花まる」の現場から⑥絆に支えられて
- part4 夫は犬だと思えばいい
- 女たちの落とし穴
- 男たちの落とし穴
- 夫は犬だと思えばいい…意識改革のすすめ
- 妻を〇〇と思いなさい
- 異性の扱い方がうまい人
- 「かわいげボックス」に入れ!
- 「繰り返し」て「言い換え」て「共感」する
- 男と女の違いとは?
- コラム 「花まる」の現場から⑦父の愛に触れて
- コラム 「花まる」の現場から⑧逆境こそ最大のチャンス
- part5 大人はみんな困っている
- 講演会の感想から
- お母さんたちの感想
- お父さんたちの感想
- 社員研修の感想から
- 先生たちよ、異性を学ぼう
- 思春期の入り口でこそ、話してあげよう
- 異性を大切にしよう
- おわりに
書籍紹介
犬と比喩する
夫を「犬」と見立てることで、妻がいかにして夫を理解し、コントロールするかを解説しています。この比喩には、男性の行動や考え方をシンプルに捉えることの重要性が込められています。夫を「犬」として可愛がり、しつけ、上手に褒めることで、より円滑な夫婦関係が築けると説いています。
夫婦生活のヒント
本書の魅力は、現実的かつ具体的なアドバイスが豊富に詰まっている点です。例えば、「夫を怒らせない方法」「褒めて伸ばす技術」「夫を理解するための思考法」など、日常生活にすぐに取り入れられる実践的なヒントが多く紹介されています。
夫婦間を良くしたいと考える方へ
本書は、夫婦間における相互理解と尊重を促すものであり、決して夫を見下すようなものではありません。むしろ、妻が自分自身の心の余裕を持つことで、夫婦関係全体が改善されるといったポジティブなメッセージが伝わってきます。
総じて、『夫は犬だと思えばいい』は、夫婦関係に悩む人々や、より良い関係を築きたいと考える全ての読者にとって、有益でありながらも気軽に楽しめる一冊です。高濱正伸氏の軽妙な語り口と共に、夫婦関係を見直すきっかけになること間違いありません。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
NGワードを投げつける
「自分は勉強ができない」という意識を子どもに植えつけてしまうお母さんが、なんと多いことでしょう。長年教育の現場を見ていると、弟には優しいのに姉には厳しい言葉をかけるなど、兄弟で優劣をつけるケースが目立ちます。
「どうしてお姉ちゃんなのにそんなこともできないの?」と、理不尽なことを言い出すこともあります。こういった言葉や行動は、確実に子どものやる気をくじいてしまいます。
そんなお母さんには、「子どもを自立させるためには、そのような言動は避けるべきです」と毎回指摘するのですが、「つい言ってしまう」と言い訳をされます。そして、反省する様子もなく、平然としています。
子どもに些細な問題が起こると、それをわざわざ暴き出すこともあります。たとえば、「ちゃんと手を洗った?」といった小さなことです。その「ウソ」を執拗に追及し、子どもが過ちを認めるまで事情聴取を続けてしまいます。挙げ句の果てには、周囲の人がいる前で「この子はダメですから」といったNGワードを口にします。
他人に迷惑がかかるような社会的なモラルに関わることでない限り、子どもを厳しく叱ることは、決して良い結果を生みません。
怒りに任せて、「もうお兄ちゃんなのになんでできないの」「少しは〇〇君(もしくは兄)を見習いなさい」「何回言ったら分かるの?」「あんたなんか生まなきゃよかった」と責め立てるのはNGです。怒ることと叱ることは、全く異なる行為です。
異性と付き合えない若者たち
「花まる学習会」のある教室には、若手のアルバイト講師が10人ほどいます。彼らのほとんどが、異性と付き合った経験がありません。若く、それなりにイケメンだったり、かわいい女の子だったりするのにです。
女性陣から「カッコイイ」と陰で噂される男性講師もいますが、それでも彼女を作ろうとしません。これが今の若者たちの現状です。
大きな流れとして、子孫を残さなくても自分一人で生活するのに困らない状況があります。子どもに田畑を手伝ってもらう必要も感じません。特に日本人は、生身の人間関係を避ける傾向が強まっているようにも思えます。
インターネットもあり、ゲームもあり、何より失敗を恐れる必要がありません。異性との関係を学ぶ機会がほとんどないのです。
無理なものは無理
何十年経っても分かり合えないことはあります。夫婦間の相違もその一つです。無理に理解し合おうとするのではなく、解決策を考える際には、その現実を前提にしましょう。
お父さんが完全にお母さんの気持ちを理解するのは難しいかもしれません。それでも、家のことを考えているという行動や思いやりを、言葉で伝えることは大切です。
一方で、お母さんが「お金さえ持ってきてくれればそれでいい」などと口にしてしまうと、その言葉が噂として広まり、お父さんが「稼ぐだけの人」として家庭内での居場所を失うことになりかねません。悩みや愚痴を打ち明ける際には、言葉の選び方や場所に十分注意しましょう。
犬だと思えばいい
『犬だ』と思えばいいのです。つまり、少し違う生き物だと考えるということです。
いざという時には、犬は体を張って飼い主を守ろうとします。『今日は散歩したくない』と犬に交渉する飼い主はあまりいないでしょう。犬がしっぽを振っていれば、『喜んでいるんだな』と理解できます。試しに、夫のことも『犬だ』と思ってみてください。
日曜日にゴロゴロしている夫も、『犬(お父さん)だからね』と考えれば気にならなくなるでしょう。ドッグランで思いっきり走らせるように、ゴルフ場や飲みに行かせて息抜きをさせれば、ストレスも解消されるはずです。
犬を褒めると、自慢げに姿勢を正してお座りし、しっぽを振ります。子どもの前でお父さんを褒めると、必要以上に家事や育児、そして仕事までも張り切ってこなしてくれるはずです。だって男ですから。
こんな男性の性質とうまく付き合っていくしかないのです。