インド太平洋戦略

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 バイデン大統領は日本での記者会見で、台湾防衛のために軍事的に関与することを明確にしました。中国は巨大な経済力を背景に、各地域に勢力を拡大するのと同時に軍事的な拠点を構築しています。

 「自由で開かれたインド太平洋」構想において日米豪印は極めて重要な枠組みです。価値観を共有する諸国と連携を深めていくことが重要になります。

書籍情報

タイトル

インド太平洋戦略

大国間競争の地政学

著者

編著者 ブレンドン・J・キャノン

アラブ首長国連邦(UAE)のハリファ大学助教授。国際安全保障に関する科目を担当しています。

編著者 墓田桂

成蹊大学文学部教授。専門は国際政治と安全保障研究です。

出版

中央公論新社

日本の地政戦略

吉田ドクトリン
 日本国憲法の制限の中、安全保障の多くをアメリカ合衆国に担ってもらう方針を打ち出しました。
 当時、経済成長と経済発展を最優先に考えられたものです。吉田茂にちなんで、「吉田ドクトリン」と呼ばれています。

 戦後日本の外交方針は、吉田茂が提唱した「吉田ドクトリン」と呼ばれるものです。政治的な現実主義によって形成されたものでした。

 1980年代前半には日本政府が「総合安全保障」という概念を採用しています。安全保障の課題を薄め、エネルギーなどの資源重要性に適切な注意を向けるものでした。

 1997年に日本はユーラシア大陸への関与を提唱し、太平洋とインド洋で発展していく構想が徐々に明確になっていきます。

 2007年5月安倍政権は「四国間安全保障対話」通称「クアッド」を創始しました。オーストラリア、インド、日本、アメリカを結ぶ安全保障ダイヤモンドを形成する戦略に繋がるのです。

 「一帯一路」構想への対抗概念と広く理解されることが多いインド太平洋戦略ですが、日本政府は対抗策ではないと公式に否定しています。実際に「一帯一路」のプロジェクトに参加する条件を、具体的に日本は中国に提示しているのです。

オーストラリアの地域戦略

インド太平洋戦略の豪目的
●将来起こるかもしれない米中の対立と、その時の豪の役回り
●日本、フランス、インドなどの安全保障のパートナー国との関係づくり
●海洋領域の地域安全保障の開発
●インド洋の国々との友好関係構築
●中東との安全保障面での基盤拡大

 拾い面積に対して人口が少ないオーストラリアは、自国の防衛と安全保障は不可欠という戦略をとってきました。

 インド洋と太平洋に挟まれた場所に位置し、米中が対立が激しくなった場合は、地理的にオーストラリアは担う役割が大きななるかもしれません。

 海を挟んで競争している大国のあいだで、アジア大陸諸国との関係を深め安全保障の進展を概念的基盤としています。

インドの連携拡大

ソフト外交(ソフト・パワー)
 軍事力や経済力などの強制力によらず、その国の文化や価値観などを理解する取り組みのことです。国際社会から信頼と発言力を獲得することを目的とします。

 インドにとって戦略的な周辺地域で中国がとる強固な動きは、インドの国家の安全に脅威を与えてきました。それゆえ、アメリカは力と能力を与えてくれるアクターなのです。

 好戦的な中国と、国内を重視するアメリカとの連携と二重の困難に、インドは折り合いを付けようと努力をしています。

 40年にわたって中国との力の均衡を維持するように努め、インドが中国のパートナー国ではなく、対等な国を目指そうとしていました。

 しかし、2020年6月にガルワン渓谷でインド軍と中国軍が武力衝突し、やや中国側有利に進みつつあり、インドが受け入れ始めているのは事実です。

 そんな事情がある一方で、インフラ開発を通じた、国境を超える協力を可能にする「ソフト外交」に取り組んでいます。

 そしてネパールには石油パイプラインの建設し、安全保障の幅を拡大しようと着手しているようです。

 中国にとってインドは競争相手となっており、着実に妨害しているアジアの大国になります。陸と海での行動をみれば、インドが深刻な脅威を受けているのは厳然たるものです。

中国の夢

中国の夢
 習近平がアメリカンドリーム真似して創った宣伝標語です。「中華民族の偉大なる復興」と「一帯一路」の2つの内容になります。
 昔の漢民族の復興を思わせる目的と、中国を中心とした文化や経済、科学技術の発展の意気込みのスローガンです。一帯一路は広大なシルクロードをひいて、流通の拠点を支配することを目的としています。

 中国は「人類運命共同体」の建設を目標に掲げた者の、世界への貢献に関して温和なイメージを築くことに失敗しています。利益を主張して軍事力をみせるやり方は、調和的な関係を結ぶ失敗に繋がっているのです。

 中国の夢を実現するために、中国の各民族の文化を受け入れず、ウイグル自治区での強制収容や台湾での暴力的鎮圧などの強硬手段を使ってきました。

 そして、中国はアメリカやインド太平洋諸国との緊張を辞さない構えです。

 この攻撃的な外交は習主席の政策(奮発有為)を表すもので、この外交が止むことはないでしょう。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 どんな外交をしてきたか、インド太平洋という括りで書かれています。

 石油石炭の輸入が1日に2回ほど行われており、輸送船が襲われるという事件も発生しています。海の安全が、生活に使うエネルギーに直結していると考えると、なかなか恐ろしい事実なのではないでしょうか。

 「安倍元首相~」と、クドイなと感じつつも行った政策が学べるので、ためになったと思います。

簡単な地政学はコチラの本がお勧めです。

購入リンク

(Visited 5 times, 1 visits today)
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です