沖縄について私たちが知っておきたいこと/著者:高橋哲哉

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書籍情報

タイトル

ちくまプリマー新書457

沖縄について私たちが知っておきたいこと

発刊 2024年5月10日

ISBN 978-4-480-68479-0

総ページ数 162p

著者

高橋哲哉

哲学者。東京大学名誉教授。

出版

筑摩書房

もくじ

  • まえがき
  • 第1章 沖縄の歴史
    • 琉球処分
      • 沖縄は琉球という国だった
      • 「処分」は侵略だった
      • 「現代の琉球処分」
      • 宮古・八重山「分島・増約」案
      • 「日毒」という言葉
    • 人類館事件
      • 人を展示
      • 「土人」発言事件
    • アジア太平洋戦争と沖縄
      • なぜ地上戦が決行されたのか
      • 捨て石とされた沖縄
      • 天皇メッセージ
      • マッカーサー発言
  • 第2章 構造的差別とは何か
    • 沖縄戦後に「戦後」は来たか
      • 沖縄に「戦後」は来たか
      • 米軍への抵抗と「復帰」運動
      • 日米安全保障条約とは
    • 基地の島・沖縄
      • 「復帰」後も続く基地負担
      • 沖縄への基地集中とその経緯
      • 辺野古移設を望んだのは誰か
      • 経済的に依存しているという俗説
      • 日米安保体制を支えているのは誰か
  • 第3章 沖縄から問われる「構造的差別」
    • 沖縄からの「県外移設」論
      • 本土から「押しつけ」られている
      • 「県外移設」を求める市民
      • 「琉球独立」の場合
      • 沖縄の基地の「本土引き取り」論
    • 新たな「沖縄戦」の危機
      • 「台湾有事」問題
      • 自衛隊の「南西シフト」
      • 安全保障政策の大転換
      • 求められているのは
  • 対話 沖縄へのコロニアリズムについて

書籍紹介

 沖縄は日本の一部でありながら、その歴史、文化、そして現在の政治状況は本土とは異なる特異な背景を持っています。本書は、沖縄の現実を知らない人々に向けて、歴史的背景から現代の問題までを包括的に解説しています。

沖縄の歴史とその影響

 本書の冒頭では、沖縄の歴史的背景が詳細に述べられています。琉球王国時代から始まり、明治時代の日本への編入、そして第二次世界大戦後のアメリカによる統治など、沖縄が辿ってきた歴史が丁寧に描かれています。これにより、沖縄がなぜ特別な地域であり続けるのか、その理由を理解することができます。

現代の沖縄と基地問題

 本書の大きなテーマの一つは、現代の沖縄における米軍基地の存在です。高橋氏は、基地問題が沖縄の人々の日常生活にどのような影響を及ぼしているのかを、具体的な事例を挙げて説明しています。特に、普天間基地移設問題や辺野古新基地建設に対する地元住民の反対運動について詳しく述べられており、沖縄の現実を直視することの重要性を訴えています。

沖縄の文化とアイデンティティ

 本書はまた、沖縄の豊かな文化と独自のアイデンティティについても触れています。音楽、舞踊、食文化など、沖縄の魅力的な文化要素が紹介されるとともに、これらがどのようにして沖縄の人々のアイデンティティを形成してきたかが語られています。これにより、沖縄が持つ多様性とその魅力を再認識することができます。

著者の視点と結論

 高橋哲哉氏は、哲学者としての鋭い洞察力を持って、沖縄問題に対する深い理解を読者に提供しています。彼の分析は感情的でありながらも理性的で、読者に考えさせる力を持っています。本書を通じて、読者は沖縄の過去と現在、そして未来について考えるきっかけを得るでしょう。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

マッカーサー発言

 日本国憲法第九条は、戦争放棄と戦力(軍事力)の不保持を定めていますが、これはもともとマッカーサーが日本の民主化を柱として考えた新たな憲法の三原則の一つです。

 国権の発動たる戦争は、廃止する。日本は、紛争解決のための手段としての戦争、さらに自己の安全を保持するための手段としての戦争をも、放棄する。日本はその防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に委ねる。
 日本が陸海空軍をもつ権能は、将来も与えられることはなく、交戦権が日本軍に与えられることもない。

マッカーサー・ノートより

 世界の平和を国連の集団安全保障体制が保証していくという機運が高まっていました。東西冷戦が始まりつつある中、国連軍が創設され、世界の警察のような役割を果たすことで、各国の軍隊が廃止されるという理想が語られた時代でもありました。

沖縄戦後に「戦後」は来たか

 2005年といえば日本の敗戦から60年です。しかし、沖縄では「戦後」はまだ始まっていないという趣旨もありました。

 1950年に始まった朝鮮戦争は米軍の出撃基地として沖縄の重要性を再認識しました。しかし、米軍による事故や米軍兵士による犯罪が発生するたびに、沖縄の人々を刺激しています。

 なかでも「由美子ちゃん事件」当時6歳の女児が軍曹に誘拐され、レイプされ、殺害されるといった事件や、宮森小学校米軍機墜落事故で生徒11人と6名が亡くなる事件は、今でも時折ニュースにされます。

米軍基地は経済的ではない

 沖縄は基地関連の職を得て生活している人が多いと言う人がいます。今では5%ほどまで、基地の経済依存度は縮小しています。

 過去に返還された基地跡で発展した経済効果は返還前の108倍と言われ、経済の面でいえば阻害要因といって間違いないでしょう。

 経済的観念、文化面で考えている人が、基地負担の軽減や基地の撤廃を求めるのも無理ないでしょう。

台湾防衛

 台湾有事が現実になれば、沖縄本島を中心とする琉球諸島が最前線になると考えられています。1990年からは冷戦時代のソ連に対する措置として、自衛隊の活動が多少行われていました。そして、ソ連の崩壊後、2010年には「南西シフト」が打ち出されました。

 この方針に従い、奄美大島から与那国島に至る島々への自衛隊の配備が進められています。現在、琉球諸島全体が軍事要塞化され、中国との戦争に備えてミサイル発射基地として利用されています。

 安倍政権では集団的自衛権の一部を解禁し、岸田政権では「敵基地攻撃能力の保有」を決定しました。これにより、敵国が軍事侵攻した段階で武力行使が可能な体制に変わりました。

 琉球諸島は「第二の沖縄戦」になる恐れがあります。

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