最後のエッセイ集「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」を読んで

書籍情報

タイトル

九十八歳。戦いやまず日は暮れず

著者:佐藤愛子(さとう あいこ)

大正十二年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和四十四年「戦いすんで日が暮れて」で第六十一回直木賞、五十四年「幸福の絵」で第十八回女流文学賞、平成十二年「血脈」の完成により第四十八回菊池寛賞、二十七年「晩鐘」で第二十五回紫式部文学賞を受賞。二十九年春に朝日小緩章を受章。エッセイの名手としても知られ、二十八年に刊行した「九十歳。何がめでたい。」は二十九年の年間ベストセラー尊号第一位になった。近著に「人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか女二人の手紙のやりとり」(小島慶子との共著)などがある。

冒頭の紹介文より抜粋

出版

小学館

どんなエッセイが書かれているか

90代のおばあちゃんの生活が語られている

長いこと、お世話になっているかかりつけの病院があったり、ちょっと転んだだけでも大騒ぎになってしまったり、知りあいが亡くなりふと思い出を懐かしんでいたり、とおばあちゃんアルアルが語られていて、ご年配の方の生活と普段の思いを知れる本です。

社会問題のガヤに触れる佐藤節

政治家の発言に対してメディアは必要以上に批判し、テレビを見たほとんどの人がそれを鵜呑みしてしまいます。著者の佐藤さんは、自分の感性で問題になることを疑ってみることができる人の様です。長い経験から導き出された疑問は、説得力が凄いので納得せざるを得ませんでした。

政治だけではなく、教育の面では社会問題になっている虐待についてユーモアに語られていますし、お金についての捉え方もお尻ペンペンのエピソードで柔らかく吹っ飛ばし、お金の使い方も別荘を買うお話で参考になる部分があります。

ファンレターにも色々

やっぱり、批判的な声を送ってくる人もいて、そういう人に限って「言葉使い」が間違っていたりするようです。文章からは小馬鹿にしたような感情が読み取れると、著者は憤りを隠さずエッセイに残している。

本物のファンからの愛ある批判も紹介している。「ブルンブルン体操」は言い過ぎだ、というファンレターでしたが面白かったです。

サイト管理人

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自分で調べもせずに、他人から言われたことを鵜呑みにして、他人の意見を酷評するのは間違っています

という話です。

戦時中やこどものころの話

皆、少しは思っていた日本軍への懐疑的なことや、公の場ではいう事さえ躊躇われた時代の背景が書かれるなかで、著者は「どこに兵がいるんだい?」と、沸いた疑問に素直でした。その性格は天性のもので、こどもの頃から、「歌は歌いたいから歌うものであって、歌わされるものではない。」とそう述べています。

サイト管理人

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学校でやらされる歌、歌でなくても卒業式とかはツマラナイものです。心から楽しいと思って校歌を熱唱している人を見たことがありません。

感想

情報がありふれている社会で、フェイクニュースが飛び交い。誰かを痛めつけることで、楽しませてお金を稼いでいるひとが多く存在するなか、女性セブンという雑誌にこんなエッセイの記事があったなんて驚きです。

情報を疑ってみることを、学んだ気がします。

これで筆を置くといっていますが、また書き出すかもしれません。
医者から書いてリハビリしたほうが良いと言われても、それをするしないは本人の勝手だと思います。

聖マリアンナ医科大学で発信された、暗い感情を持ってしまうご年配の方にはレクリエーションが必要だ。という昔のデータが今も重宝されていて、時間とスタッフの人数に余裕がないのにイベントの実施や、食べないのに食事の回数をしっかりと3回の食事を提供するといったことがあります。水を飲まないと確かに危険ですが、運動は確かにしたほうが良いですが、ネガティブよりはポジティブな方がいいですが、水分補給をしないのが法律に触れるわけでも、リハビリをしないことで誰かに迷惑をかけるわけでも、ネガティブになっちゃいけないわけでもないのです。

どう生きるか、死ぬか、思うか、私が決めていいのです。

行うか、行わないかも自分の勝手です。

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