学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか/著者:工藤勇一、鴻上尚史

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか

発刊 2021年08月18日

ISBN 978-4-06-523475-4

総ページ数 272p

著者

工藤勇一

著者

鴻上尚史

出版

KODANSHA

シリーズ 講談社現代新書

もくじ

  • はじめに 鴻上尚史
    • 先生を信頼したかった
    • やりたいなんて言ってないけど
    • 下校時の買い食い…etc
  • 第一章 学校が抱える問題
    • 校則に悩む女性教師からの相談
    • ブラック校則問題は、一部にすぎない
    • 校則を変えたあとの「むなしさ」…etc
  • 第二章 自律をさせない日本の学校
    • 「国や社会を変えられると思う」は18.3%
    • 私なんて_自己肯定感の低さ
    • 自律とは、自ら考える習慣をつけさせること…etc
  • 第三章 同質性への違和感
    • 日本独自のみんな同じ
    • やまがたでの教員時代
    • 自分だけいい人間みたいだ…etc
  • 第四章 対話する技術
    • 「絆」と「団結」が目標になってしまう
    • 対話が苦手な日本人
    • 教育の最大の課題は何なのか…etc
  • おわりに 工藤勇一
    • 人は信頼する人からしか価値観を学ばない
    • 教育の問題は作られた幻想にすぎない
    • 自分の学校を当事者として受け止める…etc

教科書を使わない授業

 オランダでは私立でも親の負担は同じです。北欧は大学まで学費はタダです。そのことを棚にあげて、日本は教育予算が他国より少ないと指摘されます。

 実は、日本は教科書が無償化されているだけです。

 教科書は一律の教育を施すための道具になっています。けれど、生徒の理解度に合わせて授業するなら、そもそも教科書はいらないのです。

 とんでもなくできる子もいますし、とんでもなくできない子もいます。それを、同じ時間で均等にわかりやすく教えることは至難のわざなのです。

アクティブ・ラーニング

 日本の授業は「チョーク&トーク」が主流です。黒板の前に立ってステレオタイプでしゃべり続けます。教えてもらう授業です。

 アクティブ・ラーニングには、自分の頭で考える子どもを育てることができるんじゃないか、という期待をもっています。自習に近い学習をすれば、一般的な授業と同じように寝る子もいれば、小説や漫画を読んでいる子もいます。

 寝てしまう子を叱っても、自律を奪うだけです。どこかのタイミングで自分で調べたり、友達を頼りにディスカッションしたりしたほうが、よほど歴史を理解できます。

 タブレット1つで、いろいろな教材を用意できるので、自由度がかなり高いです。学びのレベルに違いはでますが、わからないところがあれば先生に質問できるし、友達と交流できます。ばらばらに見えてじつはちゃんと学んでいて、問題解決のスピードも速いと着ています。通常は、一番学習速度が遅い生徒でも通常の一斉授業よりは、比べ物にならないぐらいは速く学習進度が進みます。

タイムマネジメント

 宿題というのは、わかっている人間にとってはやる意味がないし、わからない人間にとっては手も足もでないので、ほんとうに無駄です。

 そして、日本はタイムマネジメントを子どもたちに学ばせないなで、時間が無限にあると勘違いしています。それこそ、睡眠時間を削ってまでやる子が優れているというふうに勘違いをしているのです。

 道徳で学ぶ集団維持の重要性は、社会のなかで生きていく力を教えません。人の心は育てられるようなものではないので、他者との関係を学ぶことと同時に市民教育を施さなければいけないと思っています。

教育から見る日本社会

 明治維新から変わっていない一斉授業スタイルを続けても、自律型の人間は少数しか育ちません。

 評価されることを予測したうえでの対話なんて、なんの力にもならないのです。子どもたちが学びたいという気持ちを活かして、対話できれば埋もれる子どもなんていません。

 教育について話すと、日本の危機が見えてきたような気がします。違いを受け入れること、他者と合意すること、大人にこそ求められる能力について語っているのです。

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