アート・オブ・スペンディングマネー/著者:

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書籍情報

タイトル

アート・オブ・スペンディングマネー

1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?

発刊 2025年11月18日

ISBN 978-4-478-12314-0

総ページ数 350p

出版社リンク ダイヤモンド社

著者

モーガン・ハウセル

米国ビジネスライター。ニューヨーク・タイムズ紙Sidney賞、Best in Business賞などを受賞している。
『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』などのヒット作がある。

出版

ダイヤモンド社

もくじ

  • はじめに
  • 序章
  • 第1章 十分な情報があれば、あらゆる行動は意味をなす
  • 第2章 アテンション・プリーズ
  • 第3章 収入<期待=不幸
  • 第4章 見えざる真実
  • 第5章 最も価値ある資産
  • 第6章 あなたを幸せにするもの
  • 第7章 金持ちと真に豊かな人の違い
  • 第8章 「実用性」対「ステータス」
  • 第9章 リスクと後悔
  • 第10章 他人と自分を比べないための知恵
  • 第11章 自分で選べない人生は、一種の貧困である
  • 第12章 社会的負債
  • 第13章 静かな複利
  • 第14章 アイデンティティ
  • 第15章 新しいお金の使い方を試す
  • 第16章 お金と子ども
  • 第17章 表計算シートは感情を気にしない
  • 第18章 小さな支出との付き合い方
  • 第19章 強欲と恐怖のライフサイクル
  • 第20章 惨めになるお金の使い方
  • 第21章 運に恵まれたら、優しくあれ

書籍紹介

 モーガン・ハウセルさんは、全米屈指の金融ライターとして知られ、ベンチャーキャピタル会社のパートナーも務めています。彼のこれまでの著作は、お金と人間の心理を深く掘り下げたものが多く、今回の本もその延長線上で、私たちの日常的なお金の使い方を根本から見直すきっかけを与えてくれます。

 見えざる真実や最も価値ある資産、あなたを幸せにするものについて触れ、金持ちと真に豊かな人の違いを明確に区別します。実用性とステータスの対比、リスクと後悔の関係、他人との比較を避ける知恵なども取り上げられ、自分で選べない人生が一種の貧困であるという洞察が印象的です。

 この本をおすすめしたいのは、お金を貯めることだけでなく、使うことの意味を深く考えたい方です。たとえば、収入が増えても期待値が上がって不幸を感じてしまう人や、他人との比較で消耗している人にとって、目から鱗のアドバイスが満載です。ハウセルさんの語り口は親しみやすく、専門的な知識がなくても読み進めやすい点も魅力です。1度きりの人生をより豊かにするために、お金の使い方を再考する良い機会になるはずです。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

「逆死亡記事」を書いてみる

 自分自身の理想的な死亡記事を書くというアイデアを気に入っています。自分が何を望んでいるのかを考える簡単な方法です。

 自分の死亡記事に書かれていないのは、どんなことでしょうか。自分の死亡記事に所有していた車やブランド品、家の広さを書く人は少ないでしょう。キッチンをリフォームしたことなど書かないはずです。

 良い品を買うのは好きです。洒落た物もいくつか持っています。しかし、大衆が欲しがっているものと、実際に求めているものには違いがあるようです。理想的な死亡記事に物質的な豊かさが記述されないのは、たいして重要ではないことを私たちは知っているからでしょう。

 自分の死亡記事を書くというワークで振り返ると、本当に大切なものを書きます。しかし、たいていの人は、お金で買える快適さよりも、他人からの注目を重視する傾向にあるようです。知性やユーモア、共感、愛情、尊敬などを得るのに苦労している人が、高価なものを買うという手段に頼ってしまうのでしょう。

幸せは「ギャップ」に宿る

 普段慣れ親しんでいるものと比べてギャップがあれば、平凡な物事でも感動できるでしょう。

 喉が渇いてるときに飲む水道水は、すごく美味しいです。キャンプなどの少し過酷な環境で、空腹の時に食べるカップラーメンはお店のラーメンより感動できます。万人に当てはまる幸せな経験というものはありません。幸せの実態は「期待と現実のギャップ」だからです。

 聖職者のウィエイアム・ドーソンは、「お金に関するあらゆる喜びは、倹約が不要になった時点でおわる」と言っています。何かをえるために貯金に励んでいるときの期待感や、思いかけず手に入ったときの驚き、以前は買えなかったものが変える喜び、そうしたものが価値を生んでくれるということです。

 資産や年収アップに喜びを感じなくなるわけではありませんが、苦労して稼いでいたスリルやアドレナリンの感覚は味わえないでしょう。

経済的自立15段階

Lv.7 ひどい職場や不要な面倒を避けて、仕事を選べる

 市場価値のあるスキルをもっていたり、より良い転職先を見つける時間を確保できる貯蓄がある段階のことです。まずは、この段階を目標にすることでしょう。

Lv.9 自動車ローン、学資ローン、住宅ローンなどのローンを抱えなくてよい

 借金は便利な調達手段ではありますが、将来の時間を奪うものにもなります。ローンなどによりキャリアの自立を奪われ、死ぬまで働かなくてはならない人もいます。借金をしなくてもよい状態を作って、身動きがとれない状態をつくらない段階です。

Lv.12 投資収益によって、平均寿命以上生きた場合でも、残りの基本的な生活費を賄える

 もう他人に雇われなくても生きていける段階です。仕事を続けてもいいし、好きな時間を、好きな相手と過ごすことができます。資産をふやすことでこのレベルに到達する人は少なくありません。

Lv.15 毎日を自分の思い通りに進められる

 何にも縛られず、人生が左右されることがない段階です。思いのまま生きることができて、誰もが経験したことのない事由を手に入れたことになります。

小さな支出にこだわりすぎない

 「会社員になってから30年間、毎日ラテをお店で買って飲んでいるのだとしたら凄い金額になっているぞ。年間で約1900ドルを使っている計算になる。そのお金を8%の利回りで投資していれば、今頃25万ドルになっている。フェラーリが1台買えるぞ」といった笑い話があります。長期的な資産を築くには、小さい着実な決断の積み重ねが重要です。

 しかし、小さな問題を意識しだすと、大きな問題を自覚しにくくなります。一般的に大多数の人の大きな支出項目はこうです。

  • 学費
  • 住宅費
  • 車両費
  • 健康保険代
  • 子育て費用

 大まかに注目すべき支出はこの程度の項目なのです。それ以外は誤差でしょう。

 小さな節約を積み重ねれば、大きな金額になることもあります。それは同時に、大きな問題から目を背けることにも繋がります。この2点は矛盾していません。どちらも大切なのです。

 最大の支出をコントロールしなければ、富は築けません。その一方で、小さな支出を気にせずに富を増やすことも極めて困難でしょう。

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