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目次
書籍情報
シリコンバレーによろしく
お金もコネも英語力もない僕のアメリカ起業

内藤聡
Anyplace CEO
立教大学在学中に映画『ソーシャル・ネットワーク』に感銘を受け、シリコンバレーへの憧れを抱くようになった。当時はお金も人脈も英語力もほとんどなく、社会人経験もゼロという状態で、大学卒業後に単身でアメリカに渡り、2015年に会社を設立しますが、最初の事業は失敗に終わる。
試行錯誤を重ねた末、2017年にリモートワーク向けの賃貸サービス「Anyplace」を立ち上げ、現在では全米主要都市で事業を展開するまでに成長させた。
YouTube共同創業者スティーブ・チェン氏や、Uber初期投資家のジェイソン・カラカニス氏など、世界トップクラスの投資家から出資を受け、Forbes JAPANの「30 UNDER 30」にも選出された実績をお持ちです。
大和書房
- はじめに
- 第1章 人生を変えた映画
- I’m CEO, bitch!
- スタートアップのメジャーリーグ
- 普通の大学生
- ドクター・マシリト
- 世界で”やんちゃ”する
- 二度とアメリカなんて行くか!
- シリコンバレーによろしく
- 初めてのベンチャーキャピタル
- スタートアップの熱
- 憧れ続けるか、挑戦するか
- 第2章 シリコンバレーへ!
- 最初の居場所
- サンフランシスコの現実と混沌
- 戦友との出会い
- 起業家の筋肉
- 起業家たちのシェアハウス
- ネットワークの広げ方
- マイヒーロー
- 喜びと不安
- 第3章 自分が欲しくて、まだ世の中にないもの
- 起業のアイデア
- ファースト・ビリーバー
- プロボクサーでエンジニア
- シェルタースタートアップ
- 初めてのプロダクト
- さよならAirbnb
- 起業家にとって最も大事なもの
- 後世への最大遺物
- 本当に良いアイデアとは何か
- 暗黒の2年間
- アイデアは「考えてはいけない」
- 泊まるように住む
- 第4章 地獄の千本ノック
- 実績をつくれ
- フェイスブックをハックせよ
- 減りゆく口座残高
- 起業の学校
- ジェ イソン・カラカニス
- 運命のピッチ
- 君たちはハスラーだ
- スタートラインに立った日
- 地獄の始まり
- 猛特訓
- 言葉以外で勝負しろ
- Anyplace爆誕
- 大逆転
- 卒業
- ジェイソンからの学び
- シードラウンド
- 第5章 地べたを這いつくばってでも
- 世界中で使われるために
- 初めての現地採用
- 手探り営業
- アメリカで会社を経営するということ
- CEOの直接営業
- 日本という強み
- 投資家との信頼関係
- スケールしないことをやれ
- さらなる資金調達
- パンデミック
- ピボット
- 潜入営業
- CEOだけの新規事業
- 商売の喜び
- 未来に賭け続ける
- 最高の投資家
- 銀行が消えた週末
- 社外取締役のマイク
- 宴の終わり
- 生きるか死ぬか
- 商売の本質
- 再会
- 意地
- Anyplaceが目指すもの
- 第6章 個ではなく、群れで挑め
- 仲間の力
- 日本人起業家のゴッドファーザー
- ラーメン・ヒーロー
- 残飯起業家
- シリコンバレーの挑戦者たち
- サンフランシスコのトキワ荘
- 第7章 僕たちは、アメリカで戦える
- 憧れのままのシリコンバレー
- 時代があなたを待っている
- アメリカで起業すべき三つの理由
- 最大の敵
- コミュニティという力
- 「挑戦者の数」を増やす
- デライトX
- 使えるものは、なんでも使え
- 投資家の重要性
- アメリカ挑戦というフロンティア
- 起業家の生き様
- 僕が残したいもの
書籍紹介
内藤さんの10年にわたる挑戦の軌跡が、リアルに描かれています。事業がうまくいかず資金繰りに苦しんだ時期、ピボットを繰り返しながらアイデアを探した日々、人脈をゼロから築いていく過程など、華やかなイメージの裏側にある苦労や挫折が丁寧に語られます。失敗を恐れず、地べたを這いつくばるように前進する姿は、読む人に強い印象を残します。
この本は起業に興味がある人だけでなく、最初の一歩を踏み出せずにいるすべての人に響く内容です。自信がない自分を変えたい、海外で何か新しいことを始めたい、そんな思いを抱いている方に特におすすめします。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
起業家たちのシェアハウス

「シェアハウスをやってみたらどうか」
キヨさんとの何気ない会話の中にそんな言葉がありました。アメリカでも戦えるプロダクトを考えるには、現地で生活する時間が必要だと感じていたのです。
サンフランシスコの物件は高い、それなら自分で宿泊施設を運営する形にしてしまいましょう。シェアハウスは実際、現実的な解決策でした。
アメリカに滞在したくて、時間がありそうな人を探すことにしました。脳裏に浮かんだのは先日のピザ泥棒です。彼はアメリカに残ると決めたが、ホテルをとるお金もないはずです。「いつかアメリカで挑戦したい」とキヨさんに相談したところ、「今すぐ残ったほうが良い」と返答され、帰国便をすぐにキャンセルして数か月延長した人物でもあります。
シェアハウスをすると、その日から私とピザ泥棒の同棲生活が始まりました。ピザ泥棒はひろくんに昇格し、子ども用のベッドに一緒に寝る羽目になってしまったのです。
アイデアは「考えてはいけない」

2年間にわたって自分なりのプロダクトの見つけ方は「自分が欲しくて、まだ世の中にないもの」です。
スタートアップのアイデアで大事なのは、問題に気づくことでした。考えて作ったアイデアは、需要がなかったりします。スタートアップでよくあるのは、自分で考えたアイデアが売れないことです。
まだ世の中になくて、問題があるものに気づくのは難しいです。自分の問題であったとしても、意外と自分ではよくわかっていません。多くの市場では大半の問題が解決されており、未開拓の問題を発掘するのは至難の業です。だからこそ、「自分が欲しいのに、誰も気づいていない」ものの発見が、数少ない自分なりのプロダクトを見つける方法になったのだと思います。
ウーバーイーツも考えたから生まれた事業ではありません。自分が欲しかったけれど、世の中になかったから作っただけです。それが大きくなってトレンドになりました。こうした話も、ゼロからイチをつくっていると見なされ、周りから見れば「狂気」のように感じるでしょう。
顧客体験のフィードバック

サンフランシスコだけでなく、他の主要都市にも展開するべきだと考えてニューヨークへ飛びました。現地で内見しては営業をかけ、時間がかかったけれど物件をおさえたのです。これで、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨークという主要都市で自社物件を運用できるようになりました。
顧客体験でのレビューは星5ばかりです。滞在を延長する顧客も多く、平均して月6000ドルほど支払ってくれます。
僕らのターゲットは仕事ガチ勢です。エンジニアを中心としたリモートワーカー、ノマド滞在という理由で利用しています。プロジェクト単位で都市を移動するような顧客に、リモート環境を体験してもらったわけです。通信が不安定で会議が途切れたり、デスクや椅子がないということは許されない収入水準の人達から高評価をいただいています。滞在先からそのまま仕事したいというニーズに答えられた証拠です。