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目次
書籍情報
ブルーカラー年収1000万円時代

佐藤斗夢
自治体職員、新聞記者を経験した後、2022年に日経BPに入社。インフラや被災地などの取材をしている。
大西孝弘
日経BPの社員。日経ビジネス編集部長。経済記事を主に担当する。
日経BP
- プロローグ
- 第一章 【建設業】大企業が正社員化で囲い込み年収3000万円超の個人事業主も
- ケース1 ボーナスは上場企業トップ5入り 大林組37歳女性監督「夫より好待遇かも」
- 万博・大屋根リングの現場を支え、「木造」の専門性を育てる
- 本社勤務から現場に戻って、年収1000万円へ
- 一人前と見られない悔しさ 工事の準備徹底で乗り越える
- ケース2 中卒・とび職の逆転劇 「稼ぎで同世代の大卒に負けない」
- 中卒から手に職、現場の統率力高め年収1000万円へ
- シンプルに「この仕事が格好いいと思った」
- 未経験者の初任給は十数年で約2倍「大卒の同世代より稼げる」
- ケース3 年収3000万円、アーク溶接のプロフェッショナル「めげなければ年収1000万円は必ず稼げる」
- 16歳で建設現場に入り、20代半ばで「収まる」醍醐味に覚醒
- 月収100万円の壁は単価交渉なくして突き破れなかった
- アーク溶接や玉掛けなど約4の資格と講習修了歴を持つ
- ◎異次元の人手不足 工事の中止・見直し相次ぐ
- 「できないものはできない」から生まれるゲームチェンジ
- ケース4 積水ハウス、高卒1000人を囲い込み 大企業「正社員大工」で年収800万円超
- 引く手あまたの工業高校生が選ぶ積水ハウスの「好条件」
- 「見て覚えろ」から「丁寧な指導」へ
- 管理職の道も、現場に残って技能を極める道もある
- ケース5 保育士から転じて年収2倍強 建設派遣がかなえた「マチアプで結婚」
- 稼げる業界を狙い、建設派遣に応募
- 保育士やブライダル業界で培ったコミュニケーションスキルが生きる
- 人生の再チャレンジに挑みたい人が頑張れるのが建設派遣の魅力
- インタビュー 助太刀社長・我妻陽一 「ブルーカラーミリオネア」はまだ遠い賃上げ阻む「1社依存」
- インタビュー クラフトパンク総研所長・髙木健次 賃金が上がりやすいのは年商1億円以上、教育体制の整った会社
- ケース1 ボーナスは上場企業トップ5入り 大林組37歳女性監督「夫より好待遇かも」
- 第二章【電気関連】AI普及で電気工事に特需 ワークライフバランスにもメリットあり
- ケース6 高卒40代で1000万円プレーヤー 関電工の熟練技能者は「能率給」で稼ぐ
- 現場高年収の鍵は「能率給」
- かつて安さを競った受注競争の焦点は施工力に
- 茨城県牛久市の人材育成センターで1年間の寮生活
- ケース7 ワークライフバランスが取りやすい「国家資格」 仕事を抑えて年収500万円の電気工事士
- 年収1000万円も狙えるが、あえて仕事量を抑える
- 「女には無理だ」と言われて、負けん気に火がついた
- 「国家資格取得」の分かりやすさ
- 女性比率2%だが、子育てと両立しやすい仕事
- ケース8 電気設備の保守点検、個人で年商2000万円台も うどん店倒産から40代で再起
- 単価暴落から潮目が変わり、単価は上昇傾向
- 電験三種合格に要する勉強時間は1000時間超とも
- インタビュー 東京大学大学院准教授・大木清弘 現場の無茶が支える日本創造的な「ライトブルー人材」を
- ケース6 高卒40代で1000万円プレーヤー 関電工の熟練技能者は「能率給」で稼ぐ
- 第三章 【接客業】SNS活用とインバウンドで賃金上昇の余地が広がる
- ケース9 東レ子会社・IT企業を経て独立 脱サラすし職人はSNS活用で年収3倍
- 「会社の看板を外したら、自分には何もできないんじゃないか」
- 33歳、約100万円のすし職人育成コース 「お金で時間を買う」
- IT活用できめ細やかな顧客管理、リピーター生む
- インタビュー 東京すしアカデミー代表取締役兼校長・福江誠 すし職人争奪戦、AI失業恐れるホワイトカラーが週末修業
- ケース10 美容師「月収13万円」からの逆転劇 SNSと海外富裕層で年収3000万円突破
- スタイリストの給与は指名客の多さで差が付く
- 海外富裕層を呼ぶ高い技術と丁寧な接客
- 目指せ年収1億円、ブランド立ち上げとともに収入源が多様化
- インタビュー ファイブスターCEO 佐久間正之 年収1000万円以上の美容師が12人「独立せずに高収入」の道を拓く
- ケース11 店舗接客×SNSマーケティング フォロワー1万人で年収2倍の「二刀流」
- 店舗接客のすきま時間で動画の撮影・編集
- フォロワー数に応じて手当が出る社内インフルエンサー制度
- 異色の日建設計出身、出産退職後に趣味が高じてアパレル勤務
- ケース12「結果主義」を掲げるアパレル企業 TOKYO BASE 新卒4年目が推定年収1000万円
- 若手にチャンス、販売員のまま年収2000万円を狙える仕組み
- チャットで常連客とつながる、百貨店の外商に近い販売スタイル
- インタビュー トリドールホールディングス社長・粟田貴也
- 年収2000万円の店長を従業員の幸せが顧客に感動を生む
- 第四章【運送業】「年収1000万円の運送ドリーム、今は無理」トラック運転手はタクシーへ
- ワタミ創業者も飛び込んだ「運送ドリーム」はもうない
- 小口配送が追い風とならず、時間外労働規制が減収要因に
- タクシー会社6年目の48歳、年収1264万円に
- 新卒採用を強化する日本交通、配車アプリで効率よく稼ぐ
- トラック運転手の過酷な現状
- インタビュー リクルートワークス研究所主任研究員・古屋星斗 稼げない現場から人が流出、このままでは普通の生活は維持できず
- 第五章 【農林水産業】 地方で奮闘、高収入 30代のアルファードと30代の後継者育成
- ケース13 ホワイト化進むマグロ漁船 若手船員の希少化で年収1000万円続々
- 30歳で船長になり、年収1000万円を超える年も
- 海上で10ヶ月~1年働き、陸上で12ヵ月休む
- 高収入の背景には日本人船員の希少化
- ケース14 年収1500万円、31歳米農家の誇り「残クレじゃない」 現金一括アルファード
- 繁忙期は朝3時半から動き、午後7時までトラクターに乗る
- 農業の担い手不足をチャンスに農地を引き受ける
- 無農薬や減農薬は「俺が戦うところじゃない」
- ケース15 年商4000万円の33歳親方に弟子入り元国家公務員、60歳で林業の現場に
- 林野庁出身のオールドルーキー「課題解決のモデルケースを」
- 山あいの町のキャッチコピーは「林業で1000万プレーヤー」
- 木材の最も価値が出る販路を見定め年商4000万円に
- 若き新弟子”が仲間に加わる
- ケース13 ホワイト化進むマグロ漁船 若手船員の希少化で年収1000万円続々
- 第六章 【究極系】 パイロットと医師は高度技能が強みのブルーカラー
- ケース16 年収2000万円超のパイロットAI普及後も求められる協調性と学習意欲
- 訓練が続き、入社後に副操縦士になるまで4~5年
- パイロットの適性はオープンマインド、批判的内省など
- 45年までに新たに6万人のパイロットが必要
- ケース17 心臓外科医から訪問診療クリニック院長へ 過酷な働き方を見直し、やりがいも高める
- 時間外勤務が200時間
- ベルギー留学で発見したチームで取り組む医療
- ケース16 年収2000万円超のパイロットAI普及後も求められる協調性と学習意欲
- 第七章 【米国編】ブルーカラービリオネアを生む背景 移民、AI、奨学金とチップ
- トランプ政権の影響も
- 高額な学生ローンに苦しむホワイトカラー
- ケース18 米国の職業訓練校卒業生 19歳、溶接工1年目で月収約130万円
- 第八章 【指針】 年収1000万円の正体、価値の源泉はどこにある?
- リスクとリターンで就労形態を整理するなら
- 米国ではAIが毎月1万6000人の雇用増を抑制
- 「ラストワンタッチ」と「人間でないと味気ないサービス」
- 20~30代のブルーカラー転職者の年収は増加傾向
- 市場原理が働くか否か ブルーカラー職の待遇は二極化
- 個性が際立つ「お店屋さん」へのニーズ
- 新しい技術を柔軟に学び続け「アドバンスト・ブルーカラー」に
- インタビュー 日本共創プラットフォーム会長・冨山和彦 AIが壊す 「ホワイトカラー天国」管理職不遇の時代に必要な「ボスカ」
- あとがき 2人の著者から
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
電気工事に需要

関電工の直用技能者は社員総数の4分の1を超えて、国内最大規模です。高卒技能職の新卒採用に力を入れて人材を確保してきたからです。AIの普及に伴い工事需要が膨らむ現状では、施工力がある関電工は特需を得ています。
高卒技能職の育成には時間がかかります。配属する前に人材育成センターで、1年近い研修生活を送る必要があります。電柱に上る訓練のほか、電気が流れたまま低圧線、停電させた高圧線の扱いなど、基礎をみっちり叩き込まれるようです。
関電工の平均給与は、2026年3月期で1000万円を超えました。現場の人で不足を受けて、初任給を2025年4月から5万円上げて月給26万円になりました。人を定着させるために待遇を大幅に改善しています。
電気工事士の資格をもって個人で仕事を受けている人も、年収500万以上がほとんどです。年収2000万円も夢ではありません。
ホワイト化進むマグロ漁船

約25名が乗る第一昭福丸で、小山氏は船長として活躍しています。船員となってから6年目です。船長になってからは年収が1000万円を超えることもあると語ります。
マグロ漁船の働き方は独特です。船上で1年近く働き、帰港後に1ヶ月ほどまとめて休みます。途中の港で補給が終われば観光に出られる場合もあります。自由な時間も持てるようです。
しかし、仕事の負荷が半端ではありません。5時間働いてから短い睡眠を挟み、今度は13時間連続で働くといった日もあります。3日に1度ほどこの勤務サイクルが来るようです。
マグロ漁船で若手が稼げるようになったのは、マグロ価格上昇と、日本人船員の希少化です。日本人船員は50代以上が大半を占めています。ネパール人やインドネシア人といった外国人も乗組員となりますが、日本語で行う試験を突破するのが難しいため、日本人船員の確保が欠かせません。
意志をもって技能を磨くことができれば、若くして高収入を得ることができます。
20代30代のブルーカラー転職者の年収は増加傾向

キャリア支援サービス「レバジョブ」で、ホワイトカラーからブルーカラー人材に転職した人を対象にした調査があります。40代以上だとブルーカラーへの転職は減給に繋がっていましたが、20代30代では年収が増えた人が38.2%、減った人が16.4%という結果です。
ブルーカラーの年収は一律に上がっているわけではありません。ドライバーでも、トラック運転手は収入が上がりにくく、タクシー運転手は年収が年々上がっています。トラック運転手の場合は、需要が天井をむかえていますが、サービスを提供する企業が減っていない現状です。多重に下請けがあるため、元請けが価格を引き上げてもドライバーにまでお金が渡りません。対して、タクシー運転手は需要に直結して年収に結びつきます。
ブルーカラーに転職する場合は、受給構造を調べて自分の給与にどう反映されるかを確かめたほうが、年収が上がりやすいでしょう。