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目次
書籍情報
最新科学が証明する ひとり時間のすごい力

ロバート・コプラン
発達心理学者。カールトン大学心理学部教授。
30年以上、人がひとりで過ごすことの心理的意味や社会関係が及ぼす影響を研究している。
河出書房新社
- 第1章 わたしはひとり ひとりのすすめ
- みんなひとり
- ひとりの時間の過ごし方(についてこの本)が約束すること
- 第2章 わたしは今ひとりで過ごしていると思う ひとりの時間は何であり、何ではないのか
- では、「ひとりで過ごすこと」とは何か?
- ひとりで過ごすことの逆説
- 第3章 ひとりでいるとなぜ悪く受けとめられるのか わたしの仮説
- ひとりで過ごすことが「悪い」のは、人と一緒にいるのが「よい」ことだから
- 第4章 さびしい者たちだけではない 最悪のひとりの時間の過ごし方に向きあう
- 極端な社会的孤立からもたらされる悲劇
- 排斥は「サイバー急所」を蹴り上げられる痛さ
- あまりにも孤独で·····死んでしまいそうだ
- 第5章 まあ、ひとりでも十分? ひとつの仮説
- ひとりで過ごすのはいいことだ! 情熱か例証か
- ひとりで過ごすことで自由が得られる
- 「~からの自由」くつろぎ、回復する
- 「~する自由」、自己決定理論、要するに大事なのは「自律性」!
- 第6章 「ちょうどよい」孤独とは ひとりでいることとゴルディロックスの原理
- 「ちょうどよさ」を得ることの重要性
- 社会的時間とひとりの時間のシーソーをどう釣り合わせるか
- 第7章 ひとりが好き? 引きこもり? 内向型? ああ! ひとりを好むことをめぐるミームと現実
- ひとりは仲間、ふたりは人混み
- 内向型について改めて考える
- 第8章 ひとりで遊ぶことを学ぶ ひとりの時間とうまく付きあう方法
- 孤独は好きなように楽しめばいい
- ひとりで過ごす、心が現実をつくる
- 練習すればひとりの時間を最大限効果的に活用できる
- ひとりで過ごす、人との交流を避ける
- 第9章 ひとりで行う ひとりの時間はいかにして創造性を高めるか
- 自分の芸術のために苦しむ。ひとりで?
- 自動運転、白昼夢、シャワー中のひらめき
- インキュベーション(孵化)と切り替え
- 流れに身をまかせて、ただまかせて
- 第10章 わたし、わたし自身、AI スマートフォンとひとりで過ごす方法
- 居場所のない世界でひとりにしないで
- 技術的にひとり
- 技術は助けになるか、それとも邪魔になるか?
- アンプラグのすすめ~デジタル・デトックス、FOMO、JOMO
- では、テクノロジーとどう付きあえばいいのか?
- 第11章 ひとりで育つこと 子供時代に健やかな「ひとりの時間」を育むには
- 母は知っている… ひとりで過ごすことを
- 幼児期のひとりの時間に、ひとりで遊ぶことを学ぶ
- 学童期から思春期にかけてのひとりの時間の過ごし方 ひとりになるための「余白」をつくる
- 思春期のひとりの時間 ひとりでいる自分を見つける
- 第12章 ひとりでいること、あるいはともに過ごしながらひとりでいること 人との関係において、ひとりの時間をいかに見つけるか
- ひとりで生きる時代
- 独身という生き方を選ぶ
- ひとりで過ごすことの逆説を改めて考える ひとりの時間は、いかにして人との関係を深めるか
- ひとりの時間を求めること
- 第13章 最後はひとり ひとりで過ごすことの最終考察
- ひとりの時間を楽しみにする
- ひとりの時間の約束をあなたがかなえる
書籍紹介
著者のロバート・J・コプランは、カナダのカールトン大学心理学部の教授であり、ひとりで過ごす時間を三十年以上にわたって研究してきた発達心理学者です。子どもから大人まで、孤独とソロitudeの違い、内向的な人と外向的な人の関係、そしてひとり時間が心と創造性に及ぼす影響を、心理学、神経科学、社会学の知見から積み上げてきました。
孤独は望まない孤立から生まれる苦しみである一方、ひとり時間は自ら選ぶ静けさです。十五分だけでも、スマホを置き、誰ともつながっていない時間をつくると、気分が安定し、心の電池が充電され、アイデアが湧きやすくなる、と著者は複数の研究を引きながら説明します。多くの人が十五分すら落ち着いていられず、刺激のない状態を避けようとする実験の話も印象的です。
自分と向き合う時間が足りないと、他者との会話は反応の連続になりやすいです。一度自分の内側を整えてから人と接すると、関係の質が上がります。著者はこれを、最新の研究と日常の観察の両方から描いています。常時接続の世界では、つながっていることと満たされていることが混同されがちです。だからこそ、意図的なひとり時間が、自分と他者の両方を守る技術になると説明されています。
この書籍は、科学的な根拠があるからといって堅苦しい本ではなく、文学や社会の話題も交えながら、読者に「自分ならどう過ごすか」を考えさせる構成になっています。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
くつろぎ、回復する

車の窓を全て閉じたとき、圧迫感が消えて驚くほど静かになります。車内に吹き込む風の音がどれだけ大きかったか気づくことでしょう。多くの人はひとりで過ごすことで、この感覚を得られます。
普通は、他者と一緒にいることで高揚感や興奮を覚えます。ポジティブな感情が生じるようです。人によっては、周りに人がいることで不安や怒りを引き出すこともあります。
これに対して、ひとりでいるときは「落ち着く」「満足感」といったポジティブな弱い感情を得ます。退屈や寂しさを感じる人も稀にいるようです。
この理論は、ひとりで過ごすことで感情の強度は全体として弱まる傾向があることを示しています。ギスギスした感情が緩和され、自然にリラックスできるようです。険しいハイキングをしたり、瞑想したり、ひとりでいる理由によって、得られる結果が違います。ポジティブな感情が生まれるかどうかは、個人の動機で大きく左右でしょう。
孤独は好きなように楽しめばいい

ひとりの時間は極めて個人的なものです。自分でカスタマイズすればうまく機能します。シンプルに言えば、自分の時間を好きなように楽しめばいいのです。
若年成人までは、ひとりの時間を「ほとんど何もしない」と答える人がいます。自分の考えと向き合うと言った理由でも、実際楽しめるものではありません。何かをする人のがストレスレベルが下がります。
ひとり時間の過ごし方は、かなりの自由度が認められています。各個人で楽しめる何かを見つけなければなりませんが、本当に何でもいいのです。
ひとり時間を無駄にしないために、工夫してひとりの生活にエネルギーを割くことです。小さな投資で大きなリターンが期待できます。
ひとりを求める

60代~80代の成人で10日間にわたり、ひとりでいたか他者といたか、そのときどんな気分だったかを調査した実験があります。
参加者自身が「自ら望んだひとりの時間」と自らは望まなかった「煩わしいひとりの時間」で、ずいぶんと感じ方が違うという結果がでました。
自らひとりの時間を過ごしていた場合、本人の気分が良好で、さらに他者に対しても否定的な感情を持つことが少なかったようです。 自ら望まないひとりの時間を過ごした人は、ペアとなった人も含め気分が低下していたことがわかりました。 自らひとりの時間を過ごすことは、親しい人たちにとっても有益です。
本を読みたかったり、動画をみたかったりしたときに、周囲の目を気にして一緒に出掛けることもあるでしょう。罪悪感や責任感から、自分より他人を優先する行為です。しかし、ひとりの時間は必要な時に過ごさなければなりません。
ひとりになりたいときに過ごすひとりの時間によって、人間関係が強化されることが科学的に証明されています。大切な人との関係を充実なものにするためにも、ひとりの時間は素直に求めていいのです。