頭が良くなる下ネタ大全/著者:堀元見

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書籍情報

タイトル

読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全

発刊 2025年5月15日

ISBN 978-4-10-356291-7

総ページ数 246p

書評サイト Real Sound

出版社リンク 新潮社

著者

堀元見

作家。YouTuber。
知的ふざけコンテンツを作ることに精力を注いでいる。

出版

新潮社

もくじ

  • はじめに
  • 第1部 医学医は仁術
    • 自らのイチモツで実験した英雄たち。 アリストテレスからガンディーまで。
    • 古代ローマの「義務づけられたキス」と隠された医療ドラマ
    • ルソーも認めたオナニー害悪論と、その呪いからの解放。
  • 第2部 秘部秘すれば花なり
    • ホモ・サピエンスの陰茎に骨がない理由。 人類学者と聖書学者の視点から。
    • 「くぱぁ」全史。 ヘロドトスが目撃した光景はいかにして現代日本に蘇ったか。
    • 恐竜の研究史は、「巨人のキンタマ」から始まった。
  • 第3部 聖水奇蹟の液仕
    • 無限の用途がある尿。修道女の聖水から生まれた薬。
    • 正岡子規も熱中した 「おしっこ俳句」。 深くて広い下ネタ詩歌の世界。
    • 女性の潮吹きの正体を探るために、色付きの水を膀胱に入れるということ。
  • 第4部 房事快楽の起源
    • 正常位の呼び方には、人類史が宿っている。 宣教師の体位に起きた革命。
    • 性行為およびその場所の一般理論。 牛車やバーチャル空間を例に。
  • 第5部 公民 世を治め民を救う
    • クリントン大統領の不貞の言い訳は古代ローマ式。古代エジプト式ならよかったのに。
    • 財としてのオナニーに関する諸考察。 ギッフェン財の存在証明。
  • 第6部 技術 革新される性
    • マッサージものAVは、タイムスリップ歴史ドラマ。「健全なマッサージ」は欺瞞ではない。
    • アダルトはスマートになるが、人はスマートにならない。乖離する知性のアイロニー。
    • コーンフレークは、性欲を抑えるために作られた。食事と性欲の相関を調べた栄養学者。
  • 第7部 交流慇懃を通ずる
    • 恋人へのプレゼントの最適解はディルド。あるいはおまる。 我々はなぜ失敗プレゼントを贈るのか。
    • 乳首責めの社会学。FANZAレポートが捉えた、日本人の上流階級化。
    • 「寒くなりましたね」はセクハラ。うっかり言いがちなトラップ下ネタ10選。
  • おわりに

書籍紹介

 この本は、ただの下ネタ本ではありません。歴史、医学、生物学、テクノロジーといった多角的な視点から「下ネタ」を徹底的に考察し、教養とユーモアを融合させた、まさに「賢者の書」と呼ぶにふさわしい作品です。YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」でおなじみの堀元さんが、3年間にわたり100冊を超える古今東西の文献をリサーチし、知的興奮に満ちた内容を織り上げました。たとえば、コーンフレークが性欲を抑えるために開発されたという逸話や、「正常位」という名称に人類史の深い背景が宿っているという考察は、思わず「へえ!」と声を出してしまうほどです。

 アリストテレス、ガンディー、フロイト、正岡子規といった偉人たちが、性科学の探究にどのように関わってきたのか、その知見がユーモラスかつアカデミックに紹介されています。『カーマ・スートラ』や『和泉式部日記』といった古典から最新の研究論文まで、幅広い資料を基にしているため、読み進めるうちに自然と知識が深まっていく感覚があります。

 下ネタという一見軽薄なテーマを、化学や文学、ネットミームといった多様な切り口で掘り下げることで、単なる笑い話ではなく、人類の文化や歴史を理解する手がかりに変えているのです。たとえば、ガンディーの禁欲実験や古代ローマの「義務づけられたキス」に隠された背景を紐解く章では、クスッと笑いつつも、なるほどと頷かずにはいられません。この本は、下ネタを通じて教養を磨くという、なんとも斬新な体験を提供してくれます。

 発売前から予約が殺到し、重版が決定するほどの話題作となったのも納得です。SNSでは「新潮社の気の迷い」と冗談交じりに語られつつ、その攻めた姿勢が称賛されています。紀伊國屋書店や書泉などでは、購入者特典としてオリジナルポストカードやステッカーが用意されており、ファンにはたまらない魅力が詰まっています。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

陰毛のカツラ「マーキン」

 「マーキン」は、陰毛を剃っている女性が、股間につけるカツラです。

 陰毛を剃っている人もいる現代人の感覚だとよくわからないことですが、マーキンが誕生した時代背景を知れば納得できます。

 当時は毛じらみを予防するために、貧しい女性たちが陰毛を剃っていました。陰毛をそっているのは下層階級の女性であり、豊かな陰毛こそが上流階級の女性の証とされ、望ましいものでした。

 マーキンを着用していたのは、主に娼婦や踊り子です。彼女らは貧しいので陰毛を剃りはするけれど、顧客にそれを見せるのは望ましくないので、陰毛のカツラが誕生したというわけです。

 上流階級を見分ける短歌にこんなものがあります。

4本のうち1本は陰毛。どれが陰毛でしょう。

中世を再現したマッサージものAV

 『派遣マッサージ師にきわどい秘部をさわられて、快楽に耐えられず寝取られました』というマッサージものAVシリーズがあります。人妻がマッサージ師を読んで夢中になってしまうというものです。

 このシリーズの特筆すべき点は、複数回、同じマッサージ師を呼ぶ点です。絶頂を施した後で、あっさりとマッサージ師は帰っていき、これはマッサージではなく性行為なのではないかと疑問に思いつつも、快感を忘れられず同じマッサージ師を呼びます。そして、マッサージは過激なものになっていくという流れです。

 この描写は、中世に頻発していたであろう事態を正確に描いています。自慰行為をしてしまいそうになるヒステリーが病気ではないと思いつつも、マッサージを娯楽にしていたのでしょう。

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