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目次
書籍情報
奪われた集中力
もう一度”じっくり”考えるための方法
ヨハン・ハリ
英国出身のジャーナリストで、世界的ベストセラー作家。
作品社
- イントロダクション メンフィスを歩く
- 第1章 原因1 速度、スイッチング、フィルタリングの増加
- 第2章 原因2 フロー状態のマヒ
- 第3章 原因3 身体的・精神的疲労の増加
- 第4章 原因4 持続的な読書の崩壊
- 第5章 原因5 マインド・ワンダリングの混乱
- 第6章 原因6 あなたを追跡して操作する技術の台頭(その1)
- 第7章 原因6 あなたを追跡して操作する技術の台頭(その2)
- 第8章 原因7 残酷な楽観主義の台頭
- 第9章 もっと深い解決策の最初のひらめき
- 第10章 原因8 ストレスの急増と、過覚醒を引き起こす仕組み
- 第11章 素早い対応が求められて疲弊する これを逆転させる方法を思いついた職場
- 第12章 原因9・10 食生活の乱れと汚染の悪化
- 第13章 原因11 ADHDの増加と向き合い方
- 第14章 原因12 子どもの監禁(肉体的にも精神的にも)
- 結論 アテンション・リベリオン(注意力の反乱)
- 注意力を向上させるための取り組みをすでに始めている団体
書籍紹介
ヨハン・ハリは、ジャーナリストとして鋭い視点を持ち、テクノロジーや社会構造が私たちの注意力に与える影響を丁寧に分析しています。この本は、なぜ私たちがスマートフォンやSNSに時間を奪われ、深く考えることが難しくなっているのかを解き明かし、その背景にある科学や文化、経済的な要因を探ります。
スマートフォンやインターネットから離れた生活を通じて、彼は集中力の回復を実感し、テクノロジーがどれほど私たちの心を支配しているかを痛感したといいます。しかし、この本は単なるテクノロジー批判にとどまりません。睡眠不足やストレス、過労といった現代人の生活習慣が、どのように脳の働きを阻害するかを科学的な研究に基づいて解説します。特に、子どもたちの注意力がスクリーンタイムによってどのように影響を受けているかについては、親や教育者にとって考えさせられる内容です。
専門的な知識をわかりやすく伝え、読者が自分自身の生活を見つめ直すきっかけを提供します。たとえば、スマートフォンの通知をオフにする、決まった時間にメールをチェックするといった小さな習慣の変更が、どれほど集中力を取り戻すのに役立つかを具体的に示します。テクノロジーと上手に付き合い、自分にとって本当に大切なことに時間を使うためのヒントとなるでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
イントロダクション
自分が抱えるこの問題を軽くするために、実践できる現実的な手順があります。本書を最後まで読んでもらえたら、その方法がわかるでしょう。少なくとも、問題の一部を解消することにはなります。それだけの価値があると考えていて、私自身で実証済みです。
システムの問題にはシステム的な解決策が必要であり、甚大な対処するためには共同で責任をもたなければならないでしょう。現実的な解決策はあるのです。実際に、注意力が回復し始めるきっかけになります。われわれは問題を根本的に捉え直し、行動を起こす必要があります。何から始めるべきか、ぼくにはその見当がついたと思います。
スマホに費やしていた時間を解放しようとする

スマホに費やしていた時間が突然自由時間になったらどうするだろうかと空想を膨らませました。
毎日スマホを何時間いじっているのかをアップルのスクリーンタイムで表示させ始めました。平均的な米国人だと、3時間15分です。ぼくらは24時間で2617回もスマホをいじっているようです。
私はインターネットにアクセスできないような携帯電話を探していました。店頭には売っていないため、インターネットにアクセスしなければならないとは、なんたる皮肉でしょう。探していたものはジターバグと呼ばれるもので、超高齢者向けに設計されているものです。緊急医療機器としても使えるようになっています。
届いた箱を開け、大きなボタンを見てにんまりしました。転倒しても、勝手に最寄りの病院につないでくれるオマケがついていたのです。