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目次
書籍情報
世界のお弁当とソトごはん
岡根谷実里
世界の台所探検家。クックパッドに勤務し、独立。
30以上の国と地域の家庭を訪問。
三才ブックス
- はじめに
- 本書で訪れる国々
- 第1章 メニューに注目 世界のお弁当
- カラクッコ/ フィンランド
- 「森と湖の国」で包む1キロ超えのライ麦弁当
- エマダツィ/ブータン
- 見つからない竹籠弁当箱と唐辛子煮
- チーズサンド/オランダ
- シンプルなチーズサンドへの 絶対の信頼
- 揚げバナナ / パプアニューギニア
- バナナを揚げて山道を下る
- アーロールとボルソック/モンゴル
- 仕事をしながらいつでも遊牧民のカチカチ乳製品
- トナカイの干し肉/ノルウェー
- 北極圏の放牧には凍らない弁当を
- カラクッコ/ フィンランド
- 第2章 スタイルに注目 世界のお弁当
- おかず棚/インドネシア
- 弁当も食事もガラス棚からセルフで
- シェアスタイル/トンガ
- のんびり南の島国の分け合う昼食
- ダッバー/インド
- 三段ランチボックスの用途は弁当以外?
- ディジョスタンド/ボツワナ
- 昼どきのオフィス街に登場練り粥ずっしりつゆだく弁当
- ラクダ乳とデーツ/ヨルダン
- 砂漠の遊牧民の生きた携帯食
- おかず棚/インドネシア
- 第3章 お弁当持たずに ソトごはん
- ピエチョンキ/ポーランド
- 焚き火専用鍋で雪の中の外時間
- マッカラ/フィンランド
- 森でもサウナ後でもソーセージさえあれば大丈夫
- ワティア/ペルー
- 畑仕事の昼食は現地調達のイモで
- アルブード/ヨルダン
- 粉を携え窯のない砂漠でパンを焼く
- カザンカバブ/ウズベキスタン
- ピクニックは油を飛ばしてあつあつの肉じゃがを
- ポンセン/インド
- 竹筒で蒸される川魚と唐辛子の共演
- ピエチョンキ/ポーランド
- 日本で作る 世界のお弁当レシピ
- エマダツィ/ブータン
- サンバル/インド
- チュオゲトシラク(思い出のお弁当) /韓国
- カラクッコ/ フィンランド
- ピエチョンキ/ポーランド
- 特集
- 街なかで買って路上でぱくり世界のサンドイッチ
- 道端で食事を調達する世界のストリートフード
- お隣の国のお弁当事情台湾編
- 「弁当」ではなく「便當」ご飯もおかずも常にあつあつ
- お隣の国のお弁当事情 韓国編
- 懐かしのアルミ箱弁当がドラマとSNSの影響で流行中
- 留学生が語る私のお弁当
- column
- アルミの丸盆であつあつをお届け市場のご近所デリバリー
- 「単なる「弁当代わり」にあらず世界あちこち給食模様
- 世界で進化する日本のおにぎり米は主役かクッションか?
書籍紹介
この本は、世界の台所探検家として知られる岡根谷さんが、30以上の国と地域、170以上の家庭の台所を訪れた経験をもとに綴った食のエッセイです。
お弁当や屋外で食べる「ソトごはん」を通して、各国の暮らしや社会を深く掘り下げる内容となっています。岡根谷さんは、フィンランドの1キロを超えるライ麦弁当や、ブータンの竹籠弁当箱に詰められた唐辛子煮、オランダのシンプルなチーズサンドなど、各地のユニークな携帯食を紹介します。これらの料理は、ただの食事ではなく、その土地の歴史や文化、生活スタイルを映し出す鏡のような存在です。モンゴルの遊牧民が持ち歩くカチカチの乳製品や、ヨルダンの砂漠でラクダの乳とデーツを携帯する様子からは、過酷な環境での知恵と工夫が伝わってきます。
岡根谷実里さんの視点は、料理を通じて社会や暮らしの背景を丁寧に紐解くことにあります。東京大学大学院を卒業後、クックパッドでの勤務を経て独立した彼女は、京都芸術大学や立命館大学、大阪大学で研究や講義を行う一方、各地の台所で人々と料理を共にすることで、食の奥深さを伝え続けています。本書でも、彼女の好奇心と温かい人柄が随所に感じられ、読むほどに食に対する新たな発見があるでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
シンプルなチーズサンドへの絶対の信頼

オランダに来てから毎日弁当を持参するようになりました。理由は外で食べるのが高いから、自分で作るハードルが非常に低いからです。
周りが持参する弁当は簡単なサンドイッチが基本です。食パンはベーカリーの物を使わず、スーパーで売っている大入りのものを使用します。
来る日も来る日も同じものを持ってくるオランダ人です。マーガリンを塗ったものに、チーズを挟んだらそれがお弁当になります。
毎朝考えなくてもいいメニューであり、お腹が満たされて、動きながら食べられるものは美味しいものという認識ではないかもしれません。
しかし、スーパーで売っているゴーダチーズはコクが深く風味豊かで、プロセスチーズで育った私にとってはうまみの塊です。