※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
書籍情報
作家になる方法
発刊 2024年2月14日
ISBN 978-4-86667-665-4
総ページ数 423p
千田琢哉
文筆家。
日経損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。
あさ出版
- はじめに 人はなぜ作家を目指すのか。
- 1 準備をする
- 畢竟、社会不適合者が作家に向いている。
- 「作家になるぞ!」と興奮して、つい勢いで会社を辞めない。
- 日常のすべてがネタだと考えると、赦せるようになる。
- つべこべ言わず、今いる場所で輝こう。
- プライドの高いモブ男君やモブ子ちゃんは、小説家に向いている。
- ナルシシストかつ法螺吹きは、エッセイストに向いている。
- 下衆の勘繰りをやめられない人は、ノンフィクション作家に向いている。
- お節介な教えたがり屋さんは、生活実用書の著者に向いている。
- オーバードクターで”無敵の人”は、専門書の著者に向いている。
- 早慶旧帝大以上の入学者は、上流のビジネス書/自己啓発書作家に向いている。
- 早慶旧帝大未満の入学者は、中流のビジネス書/自己啓発書作家に向いている。
- 味のある絵が描けて礼儀もある人は、漫画家に向いている。
- 自分がどう見られたいかではなく、他人からどう見られているかがすべて。
- 大雑把でいいから、本気のサクセスストーリーを描いておく。
- 本名にするかペンネームにするかは、あなたが本心からやる気になるほうで。
- 作家の養成学校には、いつまでもちんたら通わない。
- 準備ばかりしていると、寿命が尽きる。
- 2 執筆する(設計編)
- 第1作目に、すべてを籠めろ。
- 建前は読者のため、本音は編集者のため。
- たった一人、あなたの最愛の人に向けて書くといい。
- 書きたいことではなく、書く資格のあることを書く。
- 「です・ます調」でもいいから、ちゃんと言い切る。
- この世のすべてはパクりだから、せめてオリジナルを超えるように挑め。
- ミリオンセラーは、四面楚歌の修羅場から生まれる。
- ベストセラーの真似をしても、ベストセラーの超劣化版で終わる。
- 仮タイトルが決まったら、執筆は51%終了したも同然。
- プロローグは、ラブレター。
- 本文デザインの配置を想像しながら書くと、それが内容に反映される。
- タイトル+見出し=99%、本文=1%が、プロのエネルギー配分だ。
- 3 執筆する(原稿執筆編)
- まず、「自分と似たタイプの作家」になり切って書く。
- 次に、「自分と似ていないけれど憧れの作家」になり切って書く。
- 難しい語彙を使いたがるのは、学歴コンプレックスがあるから。
- 文字数をたくさん書いた作家が偉かった時代は、20世紀で終わった。
- 「これを読んでもらいたい」順番に書く。
- 書いた直後と翌日に読み返す。
- 自分が書いていて面白くない文章を世に出してはいけない。
- 立ち読みした人がパッと開いて、「おっ」と思うように書く。
- 最終項目が、エピローグ。
- ネタ切れになったら、「さて、ここでとっておきの話だが」と書いてみる。
- 行き詰ったら、とりあえず寝る。
- 真の口述作家には、簡単になれない。
- AI作家は、意外に善戦する。
- ゴーストライターを使うか否かの答えは、好みの問題。
- 速筆になりたければ、アイデアが溢れる頭を作ること。
- 良質の推敲をしたければ、きちんと睡眠を挟むこと。
- 他社に指摘された箇所は、何らかの形で書き換えよう。
- 脱稿の出来映えが、作家の実力。
- 脱稿するまでには、次の作品の企画がもう浮かんでいる。
- 4 第1作目を出版する
- 実費出版は一生の恥。商業出版は一生の誇り。
- ダメと明記されていない限り、出版社への持ち込みは”一斉”に限る。
- 就活と同じで、コネがあってもダメなものはダメ。
- ベストなのは、小粒ピリリ系出版社の社長をやる気にさせること。
- ビジネス書は、プロフィールを買ってもらっている。
- 企業書とは、プロフィール+タイトル+見出しのコピーのこと。
- ビジネス系は、完全原稿を送ってもプロフィールがダサいと読まれない。
- 小説家志望者は、正々堂々と新人賞を狙うのが王道かつ近道。
- 新人賞に落選したら、実費出版や共同出版のハイエナ業者には注意しろ。
- 出版コンサルは利用するものであって、利用されるのもではない。
- 出版社からお断りのメールが届いたら、それはチャンスだ。
- 出版社からOKの返事が届いたら、スピードと具体的行動でやる気を示せ。
- 編集者に求められる最重要能力は”目利き”である。
- 最初の担当者編集者とのやり取りは、あなたの記憶に一生残る。
- 販促の一部費用負担を求められたら、その仕事を最後に絶縁しろ。
- 印税は、刷り部数で10%(税別)以上ならあなたが「先生」と認められた証拠・
- 複数社からオファーがあったら、躊躇せず一番好条件のところを選ぶべし。
- PDFでいいから、妥協せず「念校」を出してもらう。
- タイトル・カバーデザイン・帯・イラストは、出資者である出版社に任せる。
- 帯推薦は、ダサい。
- 自分のSNSやホームページは2年以上前から仕込み、継続的に更新しておく。
- 誤字脱字は、何度も睡眠を挟んでランダムにチェックすると見つけやすい。
- 初版部数は、「あなたの価値はこれくらいですよ」という出版社の本音。
- 5 第1作目を重版させる
- 書店に並ぶ前に、勝負はもう決まっている。
- 書影が届いたら、SNSやホームページで爽やかに告知しよう。
- ビジネス系なら、初版の印税を日経新聞半五段広告に投じる価値あり。
- ”売れないモード”になってから慌てても、ご臨終。
- アマゾンキャンペーンは、もはや逆ブランディング。
- 他社に販促の借りを作るのは、借金も同じ。
- 第1作目が売れることと、SNSとホームページの繫盛が2作目へのマーケティング。
- 献本はおススメしない。
- 無名作家の書店訪問やサイン色紙の配布は、迷惑行為。
- 人生最初で最後、チームを組んでリアル&ネット書店で購入するのも有効だ。
- 「あなたの本をベストセラ―に」という営業メールは、即着信拒否に設定せよ。
- ライバルが「真似できない」「真似しにくい」「真似したくない」ことをやれ。
- たまたま立ち寄った書店で平積みされていたら、1冊購入して帰ろう。
- もし書店や出版社にイベントを依頼されたら、積極的に協力しよう。
- ここだけの話、作家自身が開催する出版記念パーティーは迷惑。
- 講演が好きな人は、ガンガンやろう。
- 取材・インタビューのオファーがあれば、1年間は引き受けよう。
- 実売数は、編集者に訊けば教えてくれる。
- もしお好きなら、地道に手売りするのもいい。
- 大江健三郎でさえ酷評されたのだから、あなた如きが酷評されるのは当たり前。
- 2刷では、足りない。
- 3刷からが、本物。
- 6 ヒット作を出す
- 第1作目を脱稿したら、2作目の執筆に取りかかろう。
- 第1作目の著者見本が届いたお礼と一緒に、2作目の原稿を編集者に送ろう。
- 編集者が生理的に無理だったら、出版社を変えよう。
- ミリオンセラーを購入して、日々触れておこう。
- 暇さえあれば、リアル&ネット書店の売れ行きを眺めておこう。
- 名編集者たちの動画配信から、ヒット作を生み出す本質を掴む。
- 2作目も同じ出版社から出せたら、それが信頼になる。
- 2作目の依頼をいつまでも待っていると、”昔、1冊書いた人”でおしまい。
- 3作目の準備は、2作目を書き終えたらすぐにとりかかろう。
- 第1作目の重版がかかれば、3作目も出しやすい。
- リピートされる作家の必要条件は、口約束を死守すること。
- 自著が3冊あると、「出版の厳しさをわかっているな」と思われる。
- 依頼を受けたら、その依頼者を出世させるために書こう。
- 「そのテーマはちょっと難しいかな」と思っても、挑んでみよう。
- 「n番煎じ本」の依頼は、受けて立つ。
- 千田本がヒットするまで_1冊目と2冊目について(保険専門書)
- 千田本がヒットするまで_3冊目について(経営書)
- 千田本がヒットするまで_4冊目について(営業書)
- 千田本がヒットするまで_5冊目について(経営書)
- 千田本がヒットするまで_6冊目について(保険専門書)
- 千田本がヒットするまで_7冊目について(経営書)
- 千田本がヒットするまで_8冊目について(ビジネス・自己啓発書)
- 千田本がヒットするまで_14冊目について(ビジネス・自己啓発書)
- 何が何でも出版社の「今年の勝負本リスト」に、滑り込ませてもらう。
- 「今年の勝負本リスト」にいれてもらったら、協力を惜しまない。
- 「作家」×「編集者」×「営業」で、売れ行きの49%が決まる。
- 3万部突破は、ベストセラーの下限。
- 5万部突破は、芥川賞受賞作の下限。
- 10万部突破は、直木賞受賞作の下限。
- 私が専業作家になったのは、著者数が50冊を超えてから。
- 7 作家になる
- 専業作家になったその日から、あなたの本当の人生が始まる。
- 私が自分のスタイルを確立できたのは、135冊目からだった。
- 中堅以上なら編集長、小粒ピリリ系なら社長と仕事ができる作家を目指そう。
- 個人事業主になる前に、『小説家になって億を稼ごう』Ⅱ部を熟読玩味せよ。
- ビジネス系作家は小説を、小説作家は小説以外の本をもっと読もう。
- 取材・インタビューは、相手に質問を遅らせてメールで回答すればいい。
- 参加費無料の講演会は、引き受けない。
- 自分の本の読者から成功者が生まれるのは、著者冥利に尽きる。
- SNS・動画配信・マスコミに一切かかわらないというのも、立派なブランド戦略だ。
- 自分の”オワコン度”を、虚心坦懐に把握しておく。
- 音声ダウンロードサービスを始めたのは、インタビュアーが無能だったから。
- PDFダウンロードサービスを始めたのは、編集が邪魔だったから。
- 紙書籍を餌にして高額セミナーへ勧誘すると、”酷いお金持ち”になる。
- 8 書籍を出し続ける
- 本が売れた最大の報酬は印税ではなく、次の執筆依頼である。
- ガッツポーズをやらかすと、それを機に人生は下り坂になる。
- どん底時代のボツ原稿の山が、売れたあとですべて書籍化された。
- ベテランや売れっ子になっても締め切りを死守するのが、一流。
- 1社から3冊出してもらえると、長いお付き合いになりやすい。
- 1冊で100万部は難しいが、100冊で100万部なら目指しやすい。
- ビジネス系作家の”スタートアップ”とは、5年以内で50冊出すことだ。
- ”赤字にならない作家”は、最高のブランド。
- 20社以上と取引実績があれば、一目置かれる。
- 編集者の悩み相談を本にすれば、永遠にネタ切れにならない。
- 読者にとって麻薬的存在になったら、作家は勝ちだ。
- 9 作家として生きていく
- 著作数が、作家の実績。
- 個人競技で活躍した人こそ、有利な時代が到来した。
- 貯蓄に走ったら、作家人生は終了。
- 不安になっても、中途半端同士で群れるな。
- 「元作家」という肩書は、存在しない。
- せっかく選ばれし作家になれたのだから、ガンガン書け。
- 運動しないと、文章が老け込む。
- 脳に不可欠な栄養は、タンパク質だ。
- 何が何でも、寝たいときに寝られておきたいときに起きられる環境を確保すべし。
- 作家は世界を変えられる。
はじめに
本書を手にしたあなたはすでに頑張り屋さんのはずですい。いつまで経ても報われない人にとって一番大切なことはもっと頑張ることではありません。勇気を出して休むことです。幸せはいつも逆にあるのだということを忘れないでください。
人はなぜ作家を目指すのか。それは、啓示を受けたからです。
作家はなぜ書籍を出し続けるのか。それが、使命だからです。
業界最大手から1人出版社まで幅広い取引をさせてもらいながら国内外でこれまでに240冊以上の紙書籍を出させてもらった私が、すべての作家志望者と継続して書籍を出したい同志に向けて全身全霊で書きました。
オリジナルを超えるように挑め
劇作家の世界だとシェイクスピアが、作曲界の正解だとハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンがすべてを出し尽くしたという話はよく聞きます。要は、この世^はすべてがパクリなのです。
作家の中に「私がオリジナルだからパクるなよ!」と叫ぶ人がいたら、お気の毒な老害だと考えてよいでしょう。
オリジナルをパクらせてもらった相手に対する唯一の恩返しとは、そのオリジナルを超えようとした痕跡を残すことです。
インターネットでちょっと有名になって消える流行作家たちの共通点は、オリジナルを倒錯してそのまま勝ち逃げしようとした連中です。
読者が顕微鏡で細部まで厳しくチェックしているので、放置措置を取るまでもなく自然淘汰されてしまいます。
私のもとにも読者から「またパクられていましたよ」とメールが写真つきで届けられたが、その手の作家はすぐに消えてしまいました。出版社すら倒産することもあります。
パクらせてもらった相手よりも売れようと挑戦し、将来インタビューの席で「今の私があるのは〇〇さんのおかげです」とお礼を述べればいいのです。
AI作家は、意外に善戦する
作家や評論家の中には「所詮、AIだから」と批判的な意見を述べる人も多いが、私は意外に善戦すると考えています。
人気作家の作品が5だとするならば、AI作家の作品は「オール4」といったところでしょう。新人賞を受賞するのは難しいけれど、その一歩手前くらいまでは仕上がるのではないでしょうか。
とはいうものの、プロの書家がポタリとこぼした墨汁すらも作品の味にしてしまうようなアナログ的な創造はAIにはきつそうです。
安価で読みやすい文章を求める人はAI作家を好む傾向になり、お金を払ってでも教養が必要とされる文章を求める人は職業作家を好む傾向になるでしょう。
自称作家や売れない作家よりもAI作家のほうが支持されるのは間違いありません。
ヒットするまで、ビジネス書編
『20代で伸びる人、沈む人』(きこ書房)はブログから生まれました。
現実逃避に簿記の勉強をしながらブログを綴っていたのです。何か書かないと爆発しそうな気持ちでいました。
70項目ほどで完結したので、「そのまま本にならないかな」と思って2010年1月20日前後に5社の出版社に送りました。すると5社すべてからレスポンスがあって手ごたえを感じたのです。
最終的に、自己啓発の高額コンテンツを販売する営業組織があって、正統派エリート本のベストセラ―が出ていた出版社にお世話になりました。
累計発行部数が4万7000部まで伸びてこれまでの中で最高のヒット作を生み出すことができました。本書で私を知ったという読者も多いでしょう。
他者からの執筆依頼が増えて企画も通りやすくなりました。
これまでと景色がガラリと変わったのです。
本が売れた最大の報酬
売れる本を書ければ最高の報酬があります。
高額な印税はもちろんのこと、それ以上に次の執筆依頼がくることです。
私の知る限り、多作家の作品はどれも面白いし、水準を超えています。
お金儲けが好きだからたくさん本を書くのではなく、面白い本を書けるから多くの出版社から声をかけられるのです。
これは本を何冊か出せば必ずわかるでしょう。