自民党という絶望

※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 国民の生活は苦しくなる一方で、政治の風景は野党とかみ合わない議論、茶番が続きます。半ば当事者意識を失いながら眺めている私たちです。

 自民党は、自由選挙の下に、かくも揺るぎない長期政権を維持し続けてきました。「思考停止」しているは、与党なのか、野党なのか、有権者なのでしょうか。

 石破茂氏はインタビューの中で、防衛費倍増を突き動かすもの正体は「空気」のようなものではないかと語っています。

 船が沈没する前に、この「空気」の正体を見極めなければなりません。

書籍情報

タイトル

自民党という絶望

第1刷 2023年2月10日

発行者 蓮見清一

発行 (株)宝島社

印刷・製本 中央精版印刷(株)

ISBN 978-4-299-03850-0

総ページ数 255p

著者

石破茂

鈴木エイト

白井聡

古谷経衡

浜矩子

野口悠紀雄

鈴木宣弘

井上寿一

亀井清一

出版

宝島社新書

「自衛隊がかわいそう」の予算増

インタビュー:石破茂(自民党、衆議院議員)

作者: ぐり。

 GDP2%は年間およそ11兆円ですから、予算的にはインドを追い抜いて、アメリカ、中国に次ぐ世界3位の軍事大国になることを意味します。アメリカからのプレッシャーがあるわけもないのに、なぜ急いでいるのでしょうか。

 強いて言えば、「空気」かもしれません。山本七平先生は、1977年に発表された著作で『空気とは絶対権もった妖怪』と表現しています。
 ウクライナが大変なことになっています。台湾も危ないです。自衛隊も頑張っていて、食料も制限されて可哀そうに思えます。そんな情緒的な空気を「防衛費を増額に国民の理解が得られている」とメディアが報じてしまうのです。
 本質ではない部分で同情を集めている違和感があります。
 日本の戦車1両は約10億円します。完全国産だからです。海外へも売れません。しかし、友好国との共同開発できていればどうだったでしょう。システムの開発や改修も他省庁の予算と桁が違います。視野を広げれば、効率化できる予算があるのです。
 中国が脅威と認識し、「防衛費を増やせ」と言い立てるのは、政治家として無責任でしょう。メディア側も、中国の脅威は何なのか、有事において日米同盟がいかに機能するのかといった、冷静な検証をするべきではありませんか。

石破茂氏インタビューより注釈

日本という”戦利品”

インタビュー:白井聡(政治学者、京都精華大学准教授)

UnsplashSteven Diazが撮影した写真

 有権者側にも「増税はイヤだけど、防衛力増強は必要だよね」という意見が少なくありません。

 国民からの税金を使い、アメリカと一体となって軍事力を行使していこうという道を、日本はひたすら突っ走っています。
 米軍は、火力としては世界最強で情報力もあります。しかし、イラン戦争、アフガン戦争では勝ちきれていません。大勢の戦死者を出すことにアメリカの世論と指導者が耐えられないのです。
 中国と対峙することになった場合は、誰かに死んでもらわなければならず、そこで手元に置いてあった戦利品の日本を使うということになります。
 私がアメリカの政策当局者であったとしたら、日本という国を心の底から軽蔑します。あらゆる手段を使って、自立した存在であることから逃げてきました。そんな人たちに、尊厳を感じられるでしょうか。
 対米従属で延命を図ってきた自民党は、自国民の命を差し出す振る舞いをするのではないでしょうか。自民党を王者とする日本の政治は破滅に向かっているということを、私たち一人ひとりがどう自覚していくかが問われています。

白井聡インタビューより注釈

「デジタル後進国」から脱却

インタビュー:野口悠紀雄(経済学者)

Image by fancycrave1 from Pixabay

 日本が「デジタル敗戦」から巻き返すために、政治が果たすべき役割はどのようなものになるでしょうか。

 「デジタル元年」と謳い、実際やろうとしていたとこは巨大IT企業による市場の寡占を規制することでした。無理な話です。
 世界の最先端を行くGAFAは日本の生活に浸透していて、規制をすれば日本の夜明けがやってくるというのは幻想にすぎません。
 「ハンコをやめよう」「FAXをやめよう」といっている日本と世界では、大学院と幼稚園ほどの差があります。
 しかし、世界は20年以上前からインターネットが使えます。そこを理解し、幼稚園を卒業することから始めなくてはならないのです。
 時代が流れ、官僚のステータスは以前ほどではなくなったものの、激務だけは変わりません。省庁は優秀な人材を確保できなくなっています。
 デジタル化が日本にとって、喫緊の課題であることは明らかでしょう。

野口悠紀雄インタビューより注釈

矛盾を抱えたまま「終わらない」戦後

インタビュー:井上寿一(歴史学者、学習院大学教授)

Image by Ari Galang Udayana from Pixabay

 政治に対する諦観があり、保守とリベラルのねじれがあることで、有権者には「改憲、護憲、どうすればいいんだ」とどこか呆れて匙を投げるような感覚が生じているのではないのでしょうか。

 結局のところ、外交安全保障の基本路線が一番長く支持されたからです。
 自前でやるべき防衛をアメリカに委ねることで経済成長できたのだと思い込んでいます。今では日米安保を廃棄しようという政党などほとんどありません。
 日米安保が様々な問題を内包していることからも、他の外交安保の枠組みが見いだせない以上、これからも続くでしょう。
 敗戦国という歴史ということがあので、戦後を終わらせるには戦争で勝つしかありません。現実的に、もう一度戦争すること自体難しく、勝つことは余計に難しいのです。
 原理的な解決ができないからこそ、戦後は同じようなもん段が連綿と続いています。解決しないまま、現在に至っているということなのです。

井上寿一インタビューより注釈

あとがき

なし

感想

サイト管理人

サイト管理人

 増税反対というのを、防衛費拡大に紐づけて論じる新書でした。

 歴史、デジタル技術、政党内、政治、など様々な視点から防衛費増についての反論を学べます。

 考えようで終わるのですが、

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