Newton 2023 1月号

Focus

 話題の最新研究やニュースをコンパクトに紹介するコーナーです。
 毎月いくつかの情報を紹介されています。ここでは個人的におもしろかった記事を、さらにコンパクトにしてピックアップします。

イプシロンロケット打ち上げ失敗

UnsplashBill Jelenが撮影した写真

ジャンル:宇宙開発

出典 宇宙航空研究開発機構(JAXA)プレスリリースほか

2022年10月12日

 日本が開発を進める固体燃料ロケット「イプシロン」6号機は、2022年10月12日、内之浦宇宙空間研究開発観測所から打ち上げられたが、機体の姿勢に異常が発生し、地上からの指令信号により破壊されました。

 固体燃料は、比較的安価で打ち上げができるので、世界的に需要が急増しています。コスト削減や信頼性の向上を進めてきましたが、今回はじめて打ち上げ失敗になったのです。

 宇宙ビジネスは国際競争が激化しており、開発の停滞は打撃となります。早期の原因究明と開発再開が望まれているのです。

ハチをまねた建設ドローン

UnsplashLukas Blazekが撮影した写真

ジャンル:工学

出典 Aerial additive manufacturing with multiple autonomous robots

Nature,2022.9.21

 飛行しながら複雑な構造をつくるドローンが開発させた。巣づくりを行うハチに着想を得て創られています。

 イギリス、インペリアル大学ロンドン校のジャン博士らは、通信ネットワークでつながった多数のドローンを使って大型建築物を建設する「空中積層造形法」の開発に取り組んでいるようです。

 課題は、材料の正確な積層と測定をことができなければならないこと、ドローン間の通信システムが確立させていること、自立できるプログラムの作成でした。

 完成したシステムの実証試験では、2メートルのドームを誤差5ミリメートル程度の高い精度でつくれることがわかっています。

 人間がアクセス困難な場所にも遠隔で建築物をつくることが可能になるかもしれないと、述べられました。

ヒト細胞由来の脳組織をラットに移植

UnsplashDrew Haysが撮影した写真

ジャンル:生物学

出典 Maturation and circuit integration of transplanted human cortical organoids.

Nature,2022.10.12

 ヒトのiPS細胞を3次元的に培養してつくる「脳オルガノイド」を脳のミニチュアモデルとして用いた研究が進められてきました。

 アメリカ、スタンフォード大学のパスか博士らは、脳オルガノ売井戸をヒトiPS細胞から作成し、免疫をもたないラットの赤ちゃんの脳に移植したのです。その結果ヒト由来の脳オルガノイドはラットの感覚神経回路などに組み込まれ、3カ月で9倍の大きさに成長し、成熟した神経回路をつくりました。

 ヒト由来の脳オルガノイドを動物の脳へ移植することで、ヒトの脳で生じる神経回路の異常を研究できるようになるかもしれません。

Focus Plus

 話題のニュースを紹介するコーナーです。

史上初の「衛生防衛」実験に成功

Alexander AntropovによるPixabayからの画像

ジャンル:惑星科学
監修:吉川真 宇宙航空研究開発機構准教授
執筆者:小熊みどり

 宇宙探査機DARTがディモルフォス小惑星を識別し、正確に衝突して軌道を変えることに成功しました。

 地球に接近する軌道をもつ天体は、現在約3万個発見されています。10メートルくらいまでの天体なら、大気圏に突入の際にくだけて、大気中でほとんど燃え尽きてくれるのです。しかし、それ以上の天体となると衝撃波による被害が心配されます。

 アメリカ・アリゾナ州に直径約1.2キロメートルのバリンジャー・クレーターを形成した隕石は、50メートルほどの大きさだったと考えられているのです。

 今後100年ほどの間に地球に衝突する災害級の隕石はありません。今後、接近する大きな隕石が発見されたとして、衝突20年前までに天体を発見できればDARTのような探査機をぶつけるなどして対処できるでしょう。

 継続的な観測し、小天体のデータを集めていき、天体衝突が起きないにこしたことはありません。

日本周辺の巨大地震

日本列島付近の海底プレート 作者: まりん

主題タイトル:プレートで読み解く正解の巨大地震
監修:加藤愛太郎 東京大学地震研究所教授
執筆者:福田伊佐央

南海トラフ、首都直下、千島海溝の巨大地震に警戒

南海トラフ地震の被害想定(2019年発表)
最大深度:7
津波の高さ:最大約25メートル
死者:最大約23万人
建物の全壊:最大約200万棟

 日本で今後発生が危惧されている巨大地震は「南海トラフ地震」と「首都直下地震」です。

 南海トラフの広い範囲が連動して一気にずれ動くことで、M9にせまる巨大地震が発生し、太平洋沿岸付近が大きな津波に襲われる可能性があります。連動型の地震に警戒しているのです。

 関東地方は複雑なプレート境界の上にあり、地震が多い地域になります。大都市の直下で地震が起きると経済被害が拡大するため、地震がきても普段通りの生活が送れる社会を目指すべきです。

注目を集めるスロースリップ

 スロースリップとは、非常にゆっくりと進行する地震のことです。数日~何十年かけて地面が動きます。長期的な観測によってはじめてみえる現象になります。

 スロースリップは人が感じることはできません。

 注目をされている理由は、大きな地震の前にスロースリップが起きている場合が多いからです。残念ながら、巨大地震とスロースリップの関係性はまだよくわかっていません。

 地震の発生メカニズムの解明は、地震予知と防災につながります。個人としての地震対策はしつつ、地震研究の進展に期待したいです。

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