忘れる読書

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 世界に情報が氾濫し、情報を持っていること自体の価値は著しく低下しました。そんな中で価値を生み出すのは、自分なりの「文脈」に気づき、俯瞰して情報を位置づけられる人ではないでしょうか。つまりそれが、「持続可能な教育」なのです。

 「本」というパッケージは、持続可能な教養を身につけるために、とても適しています。思考体力と気づく力はウェブで細切れの情報に触れているだけでは、なかなか身につきません。

 大学の准教授、研究センター長、起業家、テレビのコメンテーターという今の活動の根幹は、他でもない読書です。

 私の読書のスタイルは、読んだ内容を覚えていようといものではなく、むしろ「忘れるため」に本を読んできます。

 積読、乱読、パラパラ読みをすることは当たり前です。「較べ読み」することで、本の内容を血肉にしていくのです。

書籍情報

タイトル

忘れる読書

発行者 永田貴之

発行 (株)PHP研究所

著者

落合陽一

メディアアーティスト、博士(学際情報学)、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授。

出版

PHP新書

「3つの点」に着目すると、深く読める

UnsplashMikołajが撮影した写真

3つの点
●コンテンツとう「材料
●著者の「主張
●それを伝える「方法

 著者が主張をアップグレードするための「材料」に目を通し、本の書き手の「主張」を摑まえることが大切なのです。さらに、「方法」に着目すると、その主張の読み解きがさらに深まります。

 本を通じてそれを読みとっていくのが読書の面白さでもあるのです。

本の内容は忘れよう

S. Hermann / F. RichterによるPixabayからの画像

 ウェブで調べれば十分な知識は、記憶しておかなくてもいいと思います。必要なときにその都度、調べればいいのです。

 これからの時代、クリエイティブであるためには、読後に自分に残った知識や考えをざっくりと頭に入れ、フックがかかった状態にしておくことが重要だと思います。頭の片隅に残しておけば、検索すればわかるのですから。

 そうするためにも、何かを呼んで知識を得た時、適度に忘れていくことが大事なのだと思います。 メモを取ったりはしません。

 本全体の10%くらいが頭に残るくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

「較べ読み」は楽しい

Myriams-FotosによるPixabayからの画像

 較べ読みすると、単体で読むより格段に思考や文脈の整理ができるからです。

 ケヴィン・ケリーの『テラニウム』とユヴァル・ノアハラリの『ホモ・デウス』は、どちらも数理的な世界が社会の中でどのように隣接しているかを解き明かしていく本になります。

 書き味はそれぞれことなっていて、『テラニウム』は長編で読み応えがあり、読了するのが大変だけれど、ゆるっと、ふわっと、優しいのです。ケヴィンが来日時に対談した時の、「いろんなことをしっている、いいおじいちゃん」の雰囲気があります。『ホモ・デウス』は西洋的観点での超人生徒その閉塞感を東洋的なあたりに染み出させようとしているのがわかるのです。

読書で自分の熱を探す

Hermann TraubによるPixabayからの画像

 偏愛してやまない熱源の1つにトーマス・A・エジソンがあります。この人にまつわるありとあらゆる本に目を通してきました。

 『エジソンの生涯』は相当読み込んできたと思います。

 蓄音機を発明して名声を得て、ニュージャージー州にメンロパーク研究所を設立し、大変な思いをして白熱電球を作りました。発電機を作り、ガリ版印刷機の原型を発明して、蓄電池の開発に燃えているころにはエジソンは60代でした。

 また、エジソンはサイコパスなところもあり、蓄音機に口喧嘩を入れて人々の前で聞かせたりして驚かせるような一面もあったようです。結婚当初に開発に夢中になり、妻のところに帰るのを忘れたなどの、人間的な部分も垣間見れます。

 毎日突き進むエジソンの生涯にジェラシーすら感じ、やはり尊敬しているのです。

 私は30歳を過ぎてから、5年単位でどれだけの物が生み出せるかということを、これまで以上に意識するようになりました。一年に1つとか何年に1つとか、「面白いものを淡々と創り続けていくことが大事」なんだと思っています。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 本を読むことの楽しさと、自分の好きを見つけるキッカケにもなるということも書かてれていました。

 カッコイイ造語をベースに独自の考えを展開してきた今までの書籍とは、一風変わっている新書です。

 突き詰めすぎて、何も触れたことがない一般人には何言っているのかわからないということがありませんでした。落合陽一氏の人間味ある部分が知れたような気がします。

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