発売日 2024年10月7日
ページ数 144p
ISSN 2086-0651
もくじ
- FOCUS
- 地下洞窟へ繋がる月面の縦穴
- 老化防止の鍵となるタンパク質
- 超高速な電子の動きをとらえる
- 地球内核の時点速度は減速している
- 昆虫に着想を得た超小型ドローン
- 人類史上最古の物語
- 宇宙ごみの周囲を人工衛星が初飛行
- 新型コロナ治療用のキラーT細胞を作製
- 徹夜明けに深く眠るしくみ
- From 朝日新聞
- 世界でも10列ほど、激レアの流星クラスター出現
- 日向灘地震は「プレート境界型」
- 地検進む難治がん
- 素粒子ミューオン、「透視」に期待
- 第1特集 Newton Special
- “量子時代”のかぎをにぎる もるれる量子
- 皮膚の新常識
- 肌のキメとは? 進化するアトピー治療とは?
- 第2特集 Newton Special
- DNAでたどる 新説・日本人の起源
- 新紙幣のテクノロジー
- 世界最先端の偽造防止技術を徹底解剖
- 超新星爆発最新ギャラリー
- 最先端の望遠鏡がとらえた星の最期の姿
- 数式いらずの数学入門
- 古代の数学 数学の歴史はどのようにはじまったか
- Nature View
- 海岸の歩き方 陸と海の境界にきざまれた地球の歴史
目次
Focus
宇宙ごみの周囲を人工衛星が初飛行
ジャンル:宇宙開発
出典 アストロスケール社ニュース 2024年7月30日
役割を終えたロケットの残骸は、デブリや宇宙ゴミとよばれ、軌道を周回しつづけています。
デブリの除去に取り組むアストロスケール社は、商業デブリ除去実証衛星ADRAS-Jを2024年2月に打ち上げました。デブリの周囲を飛行することに成功したの世界で初めてです。
今回のADRAS-Jではデブリの周囲を約50mの距離を維持しながら周囲を飛行士、デブリの連続撮影に成功しています。
アストロスケールは、デブリへの接近に加えて捕獲や軌道離脱も行う「ADRAS-J2」の開発を進めるといいます。
徹夜明けに深く眠るしくみ
ジャンル:神経科学
出典 東京大学プレスリリース 2024年7月22日
リバウンド睡眠は、脳が覚醒していた履歴を記憶し、その履歴に応じて必要な睡眠量を調節することができると考えられていましたが、詳しいことはわかっていません。
東京大学の上田泰己教授ら研究チームは、今回のマウス実験により覚醒後の大脳に「PV発現神経」とよばれる抑制性神経細胞が活性化されることを明らかにしました。
PV発言神経を刺激すると、十分な睡眠をとっていても、リバウンド睡眠に似た症状が出ることが確認されています。
PV発現神経のたんぱく質を制御できれば、睡眠改善に役立つことが期待できるかもしれません。
新紙幣のテクノロジー
監修:前田秀一 東海大学情報理工学部長 東海大学理工学部情報メディア学科教授
執筆者:梶原洵子
印刷にほどこされた工夫
3Dホログラムと高精細なすかし模様が、新紙幣に新しく導入された技術です。これ以外にも、額面数字と認識マークには「深凹版印刷」「凸版印刷」「オフセット印刷」の3種類の印刷方法が使われています。
また紙幣に使われるインクは、複合機などでは再現できない複雑な色合いを持たせており、独自性と芸術性が高いものになっています。感覚的にも、おかしい点があれば気づきやすくなっている使用です。
この紙幣を偽造しようと思えば、国家規模の計画が必要です。偽造するのに割が合わないと、偽札作りを諦めさせる効果があるでしょう。
ICチップが搭載される
21世紀初期には、ATMで感知される紙幣のチェック項目を悪用した事件が起きました。本物の紙幣とは呼べないような紙でも機械が認識してしまう場合があったのです。その事件の後では、様々な対策がとられたため同様の事件は起きていません。
20年周期で紙幣が刷新されるなら、2044年ごろとなるでしょう。次に偽造防止技術が搭載されるならICチップの可能性があるといいます。
日本のエレクトロニクス企業が薄いチップの開発を発表していて、実現するかもしれません。