※サイト管理人が興味をもった部分を紹介します。
はじめに
脳を肥大化させてきた仲間たちの中で、私たちだけが先に立っています。かならず要因があったはずです。
その有力な候補のうちのひとつが、知なのではないでしょうか。私たちの唯一の武器です。
そのことについて、掘り下げてみましょう。
目次
書籍情報
タイトル
頭のよさとは何か
著者
中野信子
脳科学者、医学博士、認知科学者。
和田秀樹
国際医療福祉大学赤坂心理学科教授、和田秀樹こころと体のクリニック院長。
出版
プレジデント社
日本人は前頭葉をうまく使えていない
和田
前頭葉機能というのは、新規のことに対応する能力です。日本人は前頭葉機能がうまく使えず、AI新時代に対応できていません。
ここで注視したいのは「EQ」(感情をコントロールする能力値のこと)です。前頭葉の働きをよくできれば、EQを向上させることができます。
中野
前頭葉をフォーカスして対談を進めていくのはいい考えです。「頭がいいとはどういうことか」というテーマで本にするのがよいのではないでしょうか。
目先の問題解決するために単純に「やり方」を暗記して使う能力ではなく、数ある中から最適なものを導き出す「本当の知性」を強化しないとヤバいと考えています。
鍛えなければ、これからの不確実性の時代に生き残っていくことが難しいでしょう。
長所を磨くのが「頭のいい」生き方
和田
ちゃんとした残存能力があったとしても、「認知症」と一括りにされてしまいます。記憶力は知的能力の1つにすぎないので、その人が持つ長所に自信を持たせるようにしなければならないのです。
「認知症」に限った話ではありません。日本人は謙虚だけれども、自分の長所を理解していない人が多いのです。
「欠点を減らそう」という考え方が強いから、なかなかほかから見て「光った人間」になれません。
中野
多くの人が、加点法で自分を評価するやり方を学んでいません。
婚活中の人は「あそこがダメ」「ココガダメ」と、相手のことを減点法で見ています。それと同じように、自分も減点法で見ているのです。
結婚しても減点法で相手を見ていると、苦しくなります。
欠点もあるけれど、よいところもあります。といった「評価の目」が日本では育ちにくいのです。
「できないことをできるようにする」テクニック
和田
出口汪先生の「論理エンジン」(日本語と論理的思考力を向上させるシステム)などの課題をだした子どもたちは、ちゃんと言語能力がついたのです。
日本の学校の先生は「できない子をできるようにする教育」を知りません。できない事にこそノウハウが必要なのです。
できない子が放っておかれてしまうような、そんなバカな話があるかと思います。
中野
私は泳げなかったのですが、YouTubeで泳ぎを学びました。今ではスキューバダイビングを趣味にしています。
ちゃんと選べば有用な情報はあります。「気合」で出来るようにはならないのです。
「できない子」「できる子」の差は、知っているかどうかしか差がないのかもしれません。
「気合」ではなく、やり方を教えるのが効率的だと思います。
選んだ答えを正解にする
和田
世の中、やってみないと答えがでないことが沢山あります。
「前はこっちを選んで失敗したから、別の道を選ぼう」という判断を次の岐路でできるのです。過去には戻れないけれど、未来を変えることはできます。
中野
「こっちを選んでしまった」ことを正しくする試みは可能です。結果を受けとめることは、「これでよかった」と思い込むこととは違います。
和田
世の中のみんなを喜ばせる大スターにはなれないと思うけれど、100人くらいには「世の中で、和田秀樹しかこんなことを言っていない」と思ってもらうくらいにはなりたいです。
中野
それだけのオリジナルが響いて、芽を出し大樹に育つことがありますから。
飢えた知恵者を目指せ
和田
世の中は変わるのです。今は生産性を上げることより、消費を増やすことを考えた方がよいと思います。受給のバランスです。
中野
98年の話ですが、お米が余っているのに稲の収穫量を上げる研究がありました。強烈な違和感を感じました。
和田
「体罰は日本の伝統的な教育だ」と思い込んでいる方がおられます。復員兵上がりの教師が定年退職していなくなってから、年々減っているんです。
常識を疑ってほしいと思います。
楽しい楽しくない、我慢するしない、そんなことばかりです。我慢してよいことなどありません。我慢しないように工夫しないといけないのです。その工夫が人間の頭をよくする可能性は高いと思います。
「愚かな知識人より、飢えた知恵者を目指せ」と言いたいのです。社会を変える人は、結局そういう人たちだと思います。
中野
飢えた知恵者、私もそういう人間でありたいです。
感想
サイト管理人
残存能力やQOLを考えてケアマネがプランをたて、転倒などのリスクを理解して、ケアに当たってくださるケアラーさんが沢山います。日本では全く認知症のケアがされてない、わけではありません。(※いちよう注意事項)
自分に合った努力の仕方を見つけて、長所を伸ばしていきましょう。そんな前向きな考え方をいただける本になっていました。
世の中の変化に対応して、新しいチャレンジができる人でありたいと思います。
購入リンク
紙
amazonは↓
電子
amazonは↓