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目次
書籍情報
金を使うならカラダに使え。
老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方
発刊 2024年3月
ISBN 9784344042506
総ページ数 224p
堀江貴文
実業家。
SNS media&consulting株式会社ファウンダー。
ロケットエンジン開発を中心に、さまざまなジャンルをプロデュースしている。
予防医療普及協会
2016年9月、堀江貴文、経営者、医者、クリエイター、社会起業家などの有志を中心として発足。
予防医療に関することにアクションを起こし、企業や団体と連携してプロジェクトを実施している。
幻冬舎
- はじめに
- 第1章 老いゆくカラダを阻止する
- 検診 健康診断に時間と金を投資せよ。
- 1回の健診結果に一喜一憂するな
- 専門性の高い検査は投資価値あり
- 運動 骨格筋が出すマイオカインが健康の鍵を握る。
- がんも鬱も「運動」が予防策になる
- 日本の健康寿命は70代という現実
- ”運動が身体にいい”を裏づける「マイオカイン」
- 「筋疲労は乳酸が原因」は誤解だった!
- 「最強の薬」の現実へ
- Column ホリエモンの運動論”楽しい運動”を探そう
- 細胞 ミトコンドリアの治療薬が健康寿命も叶える。
- 身体のエネルギー工場・ミトコンドリア
- 植物ホルモンで人体のエネルギーを増やす薬「MA-5」
- ミトコンドリアの機能をコントロールする未来
- 予防医療を広げるためには「指標」が必要
- 身体 エクソソームが血管から老化を防ぐ。
- 幹細胞が放出するエクソソームの発見
- エクソソームの点滴で血管から老化にアプローチ
- 情報の上書きは重要
- 老化防止の治療は将来の病気予防にもつながる
- Column 僕は「予防医療」を日本に広めたい
- 検診 健康診断に時間と金を投資せよ。
- 第2章 「老いの不便」は解決できる
- 眼 裸眼で見えると世界が変わる。
- 毛様体と水晶体の老化は宿命
- 最新技術で老眼鏡なき人生を手に入れる
- 「手術が失敗して失明」は迷信
- 認知機能を保つには「視覚」が大事
- 睡眠 いびきは動脈硬化・糖尿病・肥満にもつながるサイン。
- いびきが出る3大要因は骨格・肥満・加齢
- いびきをしなくなったら危険信号
- 動脈硬化や糖尿病も引き起こす睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠の質を上げるCPAP療法
- 実際にCPAPを試してみた
- 合併症も診てくれる内科を受診しよう
- 耳 微笑みの障害・難聴は認知症や鬱を進行させる
- 難聴の種類と原因
- 耳の老化は30代から始まっている
- 日本では補聴器の使用率、満足度が低い
- 最先端の補聴器はマルチチャンネル対応
- 60歳を超えたら自発的に聴力検査を受けよう
- 口腔 自分で歯を磨けていると思う方が間違っている
- 歯を失う原因は”放置”にある
- ほとんどの人は歯が磨けていない
- まず取り入れるべきは「歯間ブラシ」
- 歯周病菌の毒性は全身に影響する
- 歯石クリーニングの習慣が広がらない理由
- 歯 嚙む力をコントロールし100歳まで歯を保て。
- 伸び続ける寿命に歯は対応していない
- 犬歯の役割は”ストッパー”
- 噛み締める力を減らすためのボトックス
- 精力 働き、闘い続けるにはテストステロンが必要だ。
- テストステロン低下は働く意欲を下げる
- 男性更年期は「LOH症候群」
- 日本ではなじみの薄いテストステロン補充
- テストステロン値は唾液でも測れる
- ゲルの塗るだけで働く気力が上がる⁉
- なぜ閉経後の女性は元気なのか?
- Column メンテナンス感覚で肌の老化をやっつける
- 眼 裸眼で見えると世界が変わる。
- 第3章 無駄死にしない知識を持て
- 脳 人間の最後の病・認知症に立ち向かえ。
- 認知症の原因? アミロイドベータ仮説とは
- 新しい治療法の可能性と脳脊髄液
- 日常をアクティブに過ごすことが最大の予防策
- 感覚器の機能低下を見過ごすな
- 腎臓 過剰なリンから腎臓を守れ。
- 過剰なリンと弱った腎臓が老化を加速させる
- 40代から機能低下する腎臓
- 健康バロメーターの新基準「FGF23」
- 細胞毒・リンにやられないためにできること
- 大腸 助かる大腸がんで年間5万人が死んでいる。
- 大腸がんは”予防と検診”がものを言う
- 自覚症状がないと検診を受けない日本人
- 「50代で1度は内視鏡検査」が大腸がんの芽をつむ
- 大腸がん検診の受診率が4倍に伸びた韓国
- 大腸がんで死ぬのはもったいない!
- 肺 肺炎のワクチン接種率が低い日本。
- 多くの人が抱く肺炎のイメージは軽い
- 一生、肺の機能が回復しない⁉
- 肺炎の原因は子供から感染する肺炎球菌
- 欧米では7割の人が肺炎球菌ワクチンを打っている
- なぜ、3000円程度のワクチン接種が広がらない?
- 喉 在宅ワークも影響⁉ 意外と知らない嚥下障害。
- 嚥下障害は親子二代にわたる老化
- 早期は開口トレーニングで機能の回復を図る
- 嚥下と筋肉の関係
- 男性は嚥下機能低下に要注意
- 嚥下障害は社会との関わりに影響する
- 要注意! 難病の”サイン”の場合も
- Column 近未来の医療を変える「人工冬眠」の話
- おわりに
- 脳 人間の最後の病・認知症に立ち向かえ。
紹介
健康と長寿をテーマに、現代人が直面する老化のリスクをどのようにして低減させるかを提案する一冊です。
健康診断への投資、運動の重要性、先進的な予防医療技術の活用など、科学的根拠に基づいたアプローチを通じて、老化に対抗する方法を探求しています。特に、ミトコンドリアの活性化やエクソソームによる老化防止、視力や睡眠、聴力の維持、認知症や腎臓病、大腸がんなどの疾患予防に焦点を当てています。最新の医療技術の凄さとその活用を促すことで、読者に健康寿命を延ばすための具体的な知識と習慣を提供し、無駄な死や介護の必要性を避けるための指針を示しています。
堀江氏は健康への投資の重要性を訴え、科学的根拠に基づく予防医療の普及を目指しています。本書は、健康意識の高い現代人にとって必読の書であり、老化に立ち向かうための知識と習慣を身につけるための指南書と言えるでしょう。
ミトコンドリアをコントロール
ミトコンドリア病の治療が可能になると、予防医療やアンチエイジングへの波及効果が期待されます。加齢によりミトコンドリアの機能が低下し、ATPの産生が減少することで、フレイル、難聴、腎臓病、糖尿病、代謝疾患、老化などが引き起こされることが知られています。このため、ミトコンドリアを活性化する※MA-5のような新しい治療法の発見は、アンチエイジングの分野においても大きな転換点となる可能性があります。
※Mitochonic Acid 5 (MA-5)
Mitochonic Acid 5 (MA-5)は、ミトコンドリアの機能を活性化させ、ATP産生を促進する化合物です。これは、植物ホルモンのインドール-3-酢酸(IAA)から派生した新規合成インドール誘導体で、特にミトコンドリア病の患者の線維芽細胞の生存率を改善する効果が報告されています (JSTAGE)。
MA-5は、ミトコンドリアの内膜を整理するシステム(MINOS)に作用し、ミトファイリンと相互作用してATP合成酵素のオリゴマー化を促進し、ミトコンドリアのダイナミクスを改善します。これにより、ATPの合成が最適化され、全体的なミトコンドリアの膜電位は変化しないものの、局所的なpH勾配と膜電位が向上します (MDPI) (JSTAGE)。
また、MA-5はミトコンドリアに対してホーミング効果を持ち、Duchenne筋ジストロフィー(DMD)やパーキンソン病(PD)モデルの改善に有効であることが示されています。この薬剤は、これらの病態モデルでの運動能力の低下、筋肉のトーンの低下、ミトコンドリアの断片化、カルシウム蓄積などの症状を緩和する効果が確認されています (MDPI)。
これらの研究結果から、MA-5はミトコンドリア機能障害を有する様々な疾患の治療薬としての可能性が高いと考えられます。
健康を維持するためには、喫煙や睡眠不足は避け、高血圧や糖尿病がある場合は適切に治療を受けることが重要です。また、適度な運動は筋肉内のATP産生を促し、健康を支えます。
最近の研究では、タウリンの摂取がミトコンドリアの機能を改善し、マウスの寿命を延ばす効果があったと報告されています。日本では、5-ALA、EPI-743、CoQ-10など、ATP産生を助ける物質の研究が進められています。
老眼鏡なき人生
ICLとは、新しい治療法で、遠近両用の多焦点レンズを使用し、仕事や日常生活を裸眼で過ごすことが可能となり、老眼鏡への依存を減らせます。
レンズを挿入する際、水晶体が濁っていると白内障のリスクがあるため、予防的に摘出されることがあります。白内障はほぼ全員が患う病気であり、水晶体が透明でも予防目的での摘出が選択されることがあります。この手術は一度で完了します。
ICLのレンズは20~30年間は問題なく機能し、その安定性は40~50年にわたって確立されていますが、近視が進行した場合はレンズの交換が必要となることが一般的です。眼内レンズは半永久的にそのまま使用できます。
50歳前後の手術は予防効果もあり、視界のストレスも軽減されます。また、白内障手術の9割は保険適用内で行われますが、5焦点レンズは実費での治療となり、費用が高額です。今は、一生メガネなしで過ごすことが可能な時代です。
ICL(インプラントコンタクトレンズ)治療
ICL(インプラントコンタクトレンズ)治療は、近視、遠視、乱視を持つ人々に適した眼科手術です。この手術では、眼内にコラマー素材で作られたレンズが挿入され、視力を改善します。ICL手術はLASIK手術の代替として利用されることが多く、角膜を変形させることなく行われるため、乾燥眼のリスクが低いとされています (Vision Center) (Optegra)。
手術は通常、30分以内に完了し、両目を同時に行うことが一般的です。手術後は比較的早く日常生活に戻ることができますが、完全な視力回復までには数日から1週間かかる場合があります (Cleveland Clinic)。
ICLの最大の利点の一つはその可逆性です。視力が変わったり、他の理由で必要があれば、レンズを取り外すことが可能です。また、手術は角膜を切開しないため、視力が安定しており、将来的に他の眼科手術が必要になるリスクも低減されます (Vision Center)。
この治療は特に角膜が薄い人や、高度な近視や乱視を持つ人に適しています。また、レンズにはUV保護機能も備わっており、長期にわたって目を保護することができます (Optegra)。
- ICL治療法の主な特徴
- 非侵襲性
- ICL治療は角膜に影響を与えず、主に眼の内部に小さなレンズを挿入することで視力を改善します。
- 可逆性
- 必要があれば、ICLは取り外すことが可能です。これは、レーシック手術など他のレーザー矯正手術とは異なる特徴です。
- 視力の質
- 多くの患者が手術後に非常にクリアな視力を報告しており、夜間の見え方が改善されることがあります。
- 非侵襲性
- 手術プロセス
- 事前評価
- 目の健康状態、角膜の厚さ、瞳の大きさなど、多くの要因が評価され、患者がICLに適しているかを判断します。
- レンズのカスタマイズ
- 患者の眼の形状と視力のニーズに合わせてレンズがカスタマイズされます。
- 手術
- 局部麻酔の下で行われ、手術自体は約20〜30分程度で完了します。小さな切開を通じてレンズが挿入され、治癒過程が比較的迅速です。
- 事前評価
睡眠の質を上げる療法
睡眠時無呼吸症候群の治療法として推奨されているのがCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)です。
実費診療の範囲であれば、睡眠の質を改善する目的で使用することが可能です。そのため、ビジネスパーソンやアスリートも自主的にこの方法を取り入れています。
CPAP治療を開始すると、加圧された空気が鼻を通して流れ込むため、誰もがすぐに呼吸がしやすくなります。初めはマスクの装着が煩わしく感じるかもしれませんが、慣れれば呼吸が楽になり快適です。マスクを装着しないと、翌日に疲れやだるさが残ることがあります。
実際にマスクを装着して眠ってみると、苦痛を感じることなくぐっすり眠れ、QOL(生活の質)が向上したと実感しました。CPAPには様々な機器やマスクがあり、私が試したものはマスクのフィット性が高く、加湿された空気を気道に送り込むタイプでした。このおかげでのどの乾燥も防げ、インフルエンザの予防にも寄与しそうです。
歯のヒビが原因
厚生労働省が公表しているデータでは、80歳の約半数が自分の歯を維持できていません。
歯を維持できない原因は虫歯と考えがちですが、虫歯だけで歯を抜くことはありません。痛みを感じると多くの人が受診するため、通常は抜歯には至りません。
歯を失う原因は、歯にヒビが入ることで、これにより歯が折れて抜歯に至るケースが多いです。歯周病も痛みがないため、自己対応が難しいです。グラグラすると多くの場合、抜歯が必要になります。
ほとんどの場合、悪化するまで放置してしまうことで歯を失います。
寝ている間に歯ぎしりをしていたり、ゴリゴリと噛み締める癖があると、犬歯が削れてしまい奥歯を強く噛み締めることが可能となります。肉眼では見えないヒビが進行し、歯の内部が削れて最終的には破折します。
定期的に歯石クリーニングを受け、歯の状態をチェックしてもらうこと、嫌気性の細菌が口内で増えないように歯間ブラシとデンタルフロスを使用する習慣をつけることが推奨されます。