※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
はじめに
絵画の見方は人それぞれです。専門の研究者でもなく一介の美術愛好家にすぎない私が「正しい見方」を教えられるはずもありません。
本書や動画で述べたことは、あくまで個人的な意見です。それぞれの見方を楽しんで下さい。
目次
書籍情報
タイトル
「山田五郎 オトナの教育講座」
世界一やばい西洋絵画の見方入門
著者
山田五郎
出版
宝島社
ナイスバディはエロくない
カトリック教会による規制が緩くなったところに、クラーナハは裸体画を量産しました。イタリア風のナイスバディではなく、ドイツの殿方好みのリアルな体系を描いています。
薄いヴェールを1点加えてエロを強調する、匠の技も見逃せません。
ナイスバディや全裸がエロの全てではないと教えたクラーナハの絵画は、全欧の美術館で観られるほど人気を博しました。
印象派を震撼させた生き人形
ドガが生前に発表した唯一の彫刻作品は、不気味さを感じられる作品になっています。
オペラ座バレエ学校に通う14歳の少女をモデルに、蜜蝋を捏ねて全裸の塑像を創り、人毛のカツラや布の衣装を着けた後に、蝋で覆っている作品です。
観客も仲間も全員、ドン引きして大ひんしゅくを買いました。
その後も、ドガの変態魂は折れずに続きます。失明してからも自分のアトリエでこっそりと、手の感触だけを頼りに、美少女フィギュアを造り続け、死後に遺族をドン引きさせました。
しかし、ドガは誰にも迷惑をかけていない変態としても有名です。
イギリスのオカルトブーム
将来を嘱望されながら心を病んで父親を殺し、精神科病院に収容されながら描いた作品がテート・ブリテンです。
産業革命と化学の発展の反動から、オカルトや妖精のブームが起きました。その古典の絵画の作品の代表として有名です。
アウトサイドな作品に思われがちですが、19世紀イギリスの当時の古典技術で描かれていて、妖精画としては特に珍しいものではありません。
ロックバンド、クイーンが『The Fairy Feller’s Master-Stroke』の同題曲でテート・ブリテンを歌っています。
女たちを争わせる悪い奴
ドイツ空軍がスペインの古都ゲルニカを無差別爆撃したときに、パリ万博に飾る壁画を依頼されたピカソが描いたものが『ゲルニカ』です。
フランス共産主義であったピカソが、共和国側から依頼されて創作された。人民戦線に疑問を持っていたピカソが悲劇を訴えるために描かれた。など、様々なことを言われています。
ピカソは、妻子がありながら愛人にも子どもを作っていたような人物です。自分のアトリエに愛人2人を呼びつけ、ケンカで決着をつけろとけしけて、大泣きするドラを『泣く女』として作品に残す鬼畜ぶりを発揮しています。
感想
サイト管理人
説明されると、絵画は面白いとおもいます。個々の作品について、詳しく動画を残してくれているので、とても伝わりやすく、美術愛好家ならでは教養が楽しく学べるはずです。
私個人としては、ピカソの若い頃の激うまの作品や、ラス・メニーナスなどの純粋に凄い作品は鳥肌が立ちます。けれども、アフリカ彫刻に魅了されてからのピカソの作品は、説明されてわかるような理解できないような感じを受けます。説明されても解らない作品があるのです。ただ、その作品が生まれた過程が尖っていて面白いと思います。
マネが、他の作品や画家からインスピレーションを受けて、というかパクって生まれた絵画は、元ネタと並べて飾ったほうが、芸術なんじゃないかと思うほど笑えます。
動画でもいいですし、本でもいいです。美術愛好家の考えを覗いてみて下さい。