肉ビジネス/著者:小池克臣

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※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

肉ビジネス

発刊 2024年3月1日

ISBN 978-4-295-40919-9

総ページ数 238p

著者

小池克臣

普通の会社員で肉の求道者
実家を継がずに肉を焼く日々。
牛肉料理全般を愛し、和牛の生産過程、加工、熟成を研究中。

出版

クロスメディア・パブリッシング

もくじ

  • はじめに 魚屋の長男が「肉の求道者」になるまで
  • 第1章 和牛から学ぶ肉ビジネスの世界
    • 1「国産牛」と「和牛」は何が違うのか
    • 2 肉産業の歴史
    • 3 肉産業で行われる検査
    • 4 ブランド牛の潮流
    • 5 但馬牛という存在
    • 6 これからの和牛が向かう道
    • COLUMN 食肉の歴史
  • 第2章 キーワードに学ぶ美味しさの世界
    • 1 肉の格付けは味に関係があるのか
    • 2 性別による味の違いはあるのか
    • 3 経済効率と美味しさのバランス
    • 4 人間の技術が詰まった品種改良
    • 5 飼料による味の変化
    • 6 気候と水がブランドを作る
    • COLUMN 牛肉にも旬がある
  • 第3章 東京食肉市場に学ぶ枝肉流通の世界
    • 1 国内最大の肉の取引所「芝浦市場」
    • 2 枝肉のセリでは何が起こっているのか
    • 3 和牛が高くなる理由
    • 4 吉澤畜産と上物
    • 5 一頭買いとは何か
    • 6 良い肉を定義する要素
    • COLUMN セリを通さない「相対」という文化
  • 第4章 美味しさの視点から学ぶ鮮度の世界
    • 1「冷凍肉は美味しくない」は本当なのか
    • 2 冷凍技術の進化
    • 3 熟成の世界
    • 4 ドライエイジング
    • 5 鮮度が良い精肉の味わい
    • 6 なぜホルモンは鮮度が大事なのか
    • COLUMN 冷凍牛肉補助金
  • 第5章 カルビとロースに学ぶ焼肉の世界
    • 1 カルビとロースはどこの部位か
    • 2 焼肉ブームの流れ
    • 3 化学調味料の存在
    • 4 タレこそが焼肉店の技術を表す
    • 5「炭vsガス論争」に終止符を打つ
    • 6 網による味わいの変化
    • COLUMN 網の交換と清掃
  • 第6章 焼肉に学ぶ内臓流通の世界
    • 1 本当の希少部位はタンとハラミ
    • 2 黒タンは黒毛和牛のタンだけではない
    • 3 内臓処理による品質の違い
    • 4 鮮度の見極め方の迷信
    • 5 良い内臓を仕入れる難しさ
    • 6 屠畜方法の変化によるクオリティの変化
    • COLUMN 地域による屠畜の違い(憧れの個体識別番号付きホルモン)
  • 第7章 生肉と火入れから学ぶ温度の世界
    • 1 生食の歴史とリスク
    • 2 生肉は冷たいほど美味しい
    • 3「焼肉好き」なら、肉を焼けて当たり前
    • 4 厚切り肉を低温で焼く意味
    • 5 温度が肉の美味しさを決める
    • 6 薄切りの難しさ
    • COLUMN 火入れの達人伝説
  • 第8章 海外から学ぶWagyuの世界
    • 1 世界に広がるWagyu
    • 2 海外で食べられる和牛の種類
    • 3 和牛とWagyuは何が違うのか
    • 4 サンフランシスコから見た和牛事情
    • 5 海外の人が和牛に求めるもの
    • COLUMN 海外だけで有名な渋谷のステーキ店
  • 第9章 これからの肉ビジネスの世界
    • 1 肉産業の環境と倫理問題
    • 2 減少し続ける生産農家
    • 3 仲卸業者・精肉店の未来
    • 4 焼肉店の未来①
    • 5 焼肉店の未来②
    • 6 すき焼き店・ステーキ店の未来
    • 7 海外への肉の輸出はどうなるのか
    • 8 ハラルへの取り組み
    • COLUMN 私が肉について発信し続ける理由
  • 終章 外国人に日本の肉を振る舞う
  • おわりに

概要

 現代社会における肉の生産、流通、消費に関する様々な側面を探求しています。本書では、肉業界の経済的な側面、環境への影響、倫理的な問題、そして健康への影響を詳細に分析しています。

 肉ビジネスがどのように進化してきたか、そしてそれが私たちの食文化、経済、そして環境にどのような影響を与えているかについての深い理解を得ることができるのです。また、将来の食肉産業が直面する課題と、持続可能な肉の生産と消費に向けた可能性についても考察しています。

  • 産業化と規模の経済
    • 近代化に伴い、肉の生産は小規模な家畜飼育から大規模な工場型畜産へと変化しました。この変化は、効率性と生産性の向上をもたらしましたが、動物福祉や生物多様性への懸念も引き起こしました。
  • 食文化の変化
    • 肉は多くの文化において重要な役割を果たしてきましたが、工業化による安価で豊富な肉の供給は、消費パターンの変化を促進しました。肉消費の増加は、健康への影響や肉中心の食文化への批判を招いています。
  • 経済への影響
    • 肉産業は世界経済にとって重要なセクターであり、雇用創出、輸出入、および国内経済への貢献があります。しかし、市場の変動や貿易政策は、産業の安定性に影響を与えることがあります。
  • 環境への影響
    • 畜産業は地球温暖化、森林破壊、水資源の枯渇など、多くの環境問題に大きく関わっています。持続可能な生産方法や代替肉製品への関心が高まっています。
  • 倫理と福祉
    • 動物の福祉や倫理的な問題は、消費者の選択に影響を与え、業界に対する規制や基準の導入を促進しています。
  • 技術革新と将来の展望
    • 遺伝子編集、精密畜産、培養肉などの新技術は、肉ビジネスの未来を形作る可能性があります。これらの技術は、持続可能性と効率性の向上を目指しています。

 食品業界の専門家、政策立案者、環境活動家、そして一般の読者にとっても、肉ビジネスの現状とその将来について理解を深めるための重要な資料となるでしょう。

気候と水がブランドを作る

 日本は島国ですが、地域ごとに気候の違いがあるので、各地域ごとの特産品が生まれています。

 お米と同じように、和牛も全国で飼育されていて、47都道府県すべてでブランド牛が存在するのです。

 和牛にもテロノワールが存在し、気候や土壌、水質といったものが飼育に関わります。

 島で和牛を肥育する生産者と話す機会がありました。その生産者いわく、「和牛の味わいに大切なものは飼料だ」とのことです。

 潮風で育った牧草をコントロールすることで、感動的な旨味の強いブランド牛が生まれます。

 和牛の血統に関しては、一部の地域を除いて差がありません。よって、地域の特徴がブランド牛として盛り上げる話題となるでしょう。

ホルモンの鮮度

 内臓類は正肉とは全く違った扱いが必要です。正肉の熟成には技術や経験、設備がなければ肉が腐敗します。ですが、内臓類には基本的に熟成という考えは存在しません。

 内臓がお腹の中に入っている臓器なので、筋肉よりも血液が多く、酸化しやすく腐敗しやすいのです。消化器系の内臓には細菌がいるので、繁殖させないような工夫をしなければなりません。

 コプチャン(小腸)、シマチョウ(大腸)、ギアラ(胃)などは酵素によって自己消化が起きるので腐敗が早いです。鮮度が良い状態ではピンク色をしていますが、鮮度が悪くなると茶色くなりぬめりが出て臭くなります。

 また、鮮度の良いホルモンは、焼くことでプリプリとした食感や心地よい歯切れが楽しいです。鮮度が見た目でもわかるのでわかりやすい部位ではありますが、かなり重要な要素となっています。

タレこそが焼肉店の技術

 タレには醤油やみりん、ごま油、にんにく、生姜など、様々な調味料や香辛料が使われています。

 一部の焼肉のタレには、酵素や果汁から抽出された成分が含まれていて、これらの成分は、肉の繊維をほぐし、柔らかくする効果があります。もみ込んでタレを染みつかせたり、焼いた肉をつけたりすることで、より美味しさを引き出せます。

 つまり、焼き肉のタレとは、その焼肉店の顔なのです。

 同じようなタレを提供する焼き肉店は散見されますが、一流と呼ばれるところではこだわっています。サシの強めな和牛の部位には、酸味でまろやかに中和させて、食べ疲れずに白米が進むような工夫などです。

 焼肉が美味しくなるように、網焼き、石焼き、炭焼き、ガス調節、タレ、塩を微調整するのが職人技となっています。

減少する生産農家

 生産農家が減少している理由はいくつかあります。

①生産農家の高齢化

 生産農家の跡取りとなる若者は、全国的に都市部への流出が進み、都市での生活や働き方の選択肢が増えたことで、生産農業を継承する意欲や機会が低下しています。

 労働時間の長さや過酷な労働条件は、若者が農業を継承する意欲を減退させる要因となっているようです。

②高い経済的負担

 和牛の生産には高いコストがかかります。飼料や施設の維持、血統や品質の維持など、多くの費用がかかるため、跡取りがいない場合は経済的負担が大きいのです。

③継承の難しさ

 和牛の飼育には専門的な知識と技術が必要です。

 家族経営の場合、農家経営のノウハウや家族の関係性など、継承には多くの要素が絡んできます。その複雑さから継承者がみつからない場合もあるようです。

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