ペンタゴン・ペーパーズ/著者:キャサリン・グラハム

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書籍情報

タイトル

ペンタゴン・ペーパーズ

「キャサリン・グラハム わが人生」より

発刊 2018年4月1日 (初版)

ISBN 978-4-484-18107-3

総ページ数 350p

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出版社リンク CEメディアハウス

著者

キャサリン・グラハム

ジャーナリスト、経営者。
父、夫のあとを引き継ぎ、『ワシントン・ポスト』の社長、会長となる。
ニクソン政権で、報道の自由を守り抜き、『ワシントン・ポスト』を世界的な有力紙に飛躍させる。

出版

CEメディアハウス

もくじ

  • はじめに
  • 第1章 ポストを引き継ぐ
  • 第2章 ベン・ブラッドレーの起用
  • 第3章 ベトナム戦争とポストの立場
  • 第4章 私の女性解放運動
  • 第5章 ペンタゴン機密文書事件
  • 第6章 成功ゆえの混迷
  • 第7章 私のエピローグ
  • 訳者あとがき

書籍紹介

 この本は、ワシントン・ポストの社主として激動の時代を生き抜いた一人の女性の人生と、その背後にあった歴史的な出来事を描いた力強い物語です。キャサリン・グラハムは、夫の死をきっかけに、新聞社の経営を引き継ぎ、女性として初めてアメリカを代表するメディアのトップに立った人物です。彼女の人生は、個人的な挑戦と社会的な変革が交錯する、まさにドラマチックな軌跡そのものです。

 この本の中心となるのは、1971年にワシントン・ポストが公開した「ペンタゴン・ペーパーズ」です。これは、ベトナム戦争に関する政府の機密文書で、アメリカの戦争政策の矛盾や隠された真実を暴露した歴史的な事件でした。グラハムは、報道の自由と政府の圧力との間で葛藤しながら、出版を決断します。この決断は、彼女自身の信念と、新聞社としての使命を貫くための闘いでした。

 この本はジャーナリズムの役割や、報道の自由の重要性を改めて考えさせます。政府の圧力や社会の批判に立ち向かい、真実を伝えることの重みを、グラハムの経験を通じて実感できます。彼女の物語は、現代のメディア環境においても、変わらぬ意義を持つテーマを投げかけています。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

見聞旅行、日本

 当時最大の数百万部の発行部数を誇っていた朝日新聞の訪問から旅程が始まりました。次に訪れたのは大手の広告会社「電通」です。大きな掲示に「歓迎」と書かれていて啞然とさせられました。玄関には80人くらいの若い女性たちが拍手で迎えており、びっくりするばかりです。

 佐藤首相、宮沢喜一、中曽根康弘と個別に会談することができ、中曽根氏はセクシーな男性のリストに入るだろうとなどと考えていました。

 天皇との会見では、「正真正銘の神様」に対し終始おどおどと困惑し、大きく会話が弾むこともなかったです。しかし、謁見がたいへんな成功であったと保証してくれたので、何事もなく日本訪問を終えることができました。

「ペンタゴン・ペーパーズ」の利益

 6月13日のニューヨーク・タイムズから独自に発掘して掲載を始めた、ベトナム戦争に関する秘密文書の記事があります。後に「ペンタゴン・ペーパーズ」として知られるものです。

 振り返ってみても、ニクソン政権が「ペンタゴン・ペーパーズ」の公表で、あれほど狼狽したのか、理解に苦しみます。ニクソン自信の不名誉となるような内容は一切含まれておらず、国家安全保障および秘密主義に関して変質的な態度の表れだったような気もしているのです。

 「ペーパーズ」の公表によってポストの得た利益も非常に大きいものとなりました。このペーパーズ事件によって、ポストとニューヨークタイムズを同時に引用することが増えました。新聞界でプロとして働くようになって初めて、私たちは大リーガーになったのです。

 全国的な舞台に上がり、私は公衆の面前にさらされ、記事にされ、写真を撮られ、インタビューされました。私にとっては新たな学習経験です。また、事件が知名度を広める働きをして、会社を前進する力をくれました。1960年代終わり頃から、私の生活は楽しいものになっていきます。

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