ウェルス・ラダー富の階段/著者:ニック・マジューリ

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書籍情報

タイトル

THE WEALTH LADDER 富の階段

資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略

発刊 2025年11月11日

ISBN 9784478121368

総ページ数 384p

出版社リンク ダイヤモンド社

著者

ニック・マジューリ

Ritholtz Wealth Management社の最高執行責任者。
データサイエンティスト。
パーソナルファイナンスのデータ分析に定評がある。

出版

ダイヤモンド社

もくじ

  • 日本のみなさんへ
    • 前作は「戦術書」、本書は「戦略書」
    • 日本で学んだ「破船」の法則
  • はじめに 50年以上のデータから導き出されたお金持ちになれる人の共通点」と「落とし穴」
    • チェス大会のスタープレイヤーに学んだこと
    • 「お金についての考え方」を変える新しいフレームワーク
    • 言は周線的なものではなく「厳段」のようなもの
    • 「常の段」ともつの階級
    • 50年以上数方世帯のファイナンス情報を消適した「戦略」と「落とし穴」
  • 第1部 人生を変える「富の階段」とは?
    • 第1章 富の階段でお金の使い方が変わる
      • クレオパトラと真珠のイヤリング
      • 富の階段への第一歩「0.01%ルール」
      • 富の階段の6レベルにはどんな「自由」がある?
      • 「0.01%ルール」による各レベルでの支出の違い
      • 「収入」ではなく「資産」に基づきお金を使うべき理由
      • 人間の所有物の中で一番高くつくもの
      • 節約か? 収入か?
      • 「資産」と「流動資産」、どちらをベースにお金を使うべき?
      • 富の階段で変わるお金の使い方
      • 第1章のまとめ
    • 第2章 無理なく収入を増やし、富の階段を登ろう
      • 松下幸之助とお金の物語
      • キャリア決定と機会費用のはなし
      • 「1%ルール」に基づくキャリア選択
      • 各レベルではどう働くべきか
      • 資産を増やす戦略についてデータが示唆するもの
      • 収入と資産はともに増えていく
      • すべては「収入」に帰結する
      • お金を稼ぐために働くのではなく、お金に働いてもらう
        • 【4種のレバレッジ】 労働力 人類史上、最も古く、レバレッジの形態
        • 【4種のレバレッジ】 資本 レバレッジ史上2番目に古い形
        • 【4種のレバレッジ】 コンテンツ 究極のレバレッジ
        • 【4種のレバレッジ】 コード 拡張の強みと泣きどころ
      • 第2章のまとめ
    • 第3章 投資での階段をらくらく登ろう
      • 消費者金融調査に基づく富の階段の資産レベル別分析
      • どのレベルが資産に占める「現金」の割合が最も高いか
      • どのレベルが資産に占める「車両」の割合が最も高いか
      • どのレベルが資産に占める「住宅」の割合が最も高いか
      • どのレベルが資産に占める「年金口座」の割合が最も高いか
      • どのレベルが資産に占める「投資用不動産」の割合が最も高いか
      • どのレベルが資産に占める「株式と投資信託」の割合が最も高いか
      • どのレベルが資産に占める「事業利益」の割合が最も高いか
      • 各資産レベルの代表的な資産クラスとは?
      • 多様な収益資産を買い続けるべき理由
      • 第3章のまとめ
  • 第2部 「富の階段」をかけ上がる6つの戦略
    • 第2部のまえがき
    • 第4章 【富の階段】レベル1 生存戰略
      • 口座残高ゼロ・人脈ゼロの状態から人生をやり直したとしたら?
      • レベル1から抜け出すために一番大切なこと
      • データが示す借金の危険性
      • 状況を打ち破るには、これまでと違う行動が必要
      • レベル1の真の問題は「支出」ではない
      • 収入を増やすお勧めの方法
      • レベル1の人が絶対してはいけないこと
      • 最世帯の個人的なお金の貸し借りを分析した研究
      • レベル1から抜け出す方法
      • レベル1のまとめ
    • 第5章 【富の階段】レベル2 教育&スキル戦略
      • ハンガリーの教育心理学者の大胆な理論 レベル2で学べば、稼ぐ力が一生高まる
      • 教育レベルが高くなるほど世帯収入も高くなる
      • 株式や債券より優れた資産とは?
      • 仕事は「この3つ」で選べ
      • 「得意なこと」+「興味があること」
      • 「得意なこと」 + 「人がお金を出してくれること」
      • 「興味があること」 + 「人がお金を出してくれること」
      • レベル2でキャリア(収入)に集中しない人は経済的な意味で罪に等しい
      • サム・アルトマンが勧めるレベル2から抜け出すための最善策
      • レベル2のまとめ
    • 第6章 【富の階段】 レベル3 投資戰略
      • NASA 「ボイジャー計画」の教訓
      • レベル3での投資が将来のを大きく左右する
      • 棒グラフから浮かび上がる驚くべき事実
      • 大きく始めて、後でストップ
      • 「ジャスト・キーブ・バイイング」はレベル2~3向けの戦略
      • 富の階段の上位レベルと下位レベルを分けるたった1つの違い
      • 今まで見た中で最もユニークな副業
      • 5年間に及ぶミシガン大学「PSID」調査で判明した事実
      • 浪費は経済生活に大きな打撃をもたらす
      • レベル3のまとめ
    • 第7章【富の階段】レベル4 起業戰略
      • 小さな島国「ナウル」とレベル4の意外な共通点
      • 「たった一度の大失敗ですべてが台無し」を防ぐには
      • レベル4の投資戦略
      • レベル4が最も抜け出しにくい理由
      • これまでのやり方は、これからは役に立たない
      • レベル4とレベル5~6との最大の違い
      • 「生まれ変わったら起業しない」と答えたエヌビディアCEO
      • ノースウェスタン大学とMITの起業家の研究
      • 起業前に最後に考えるべきこと
      • レベル4のまとめ
    • 第8章 【富の階段】 レベル5 事業拡大戦略
      • 世界で最も裕福な人たちに共通するパターン」
      • MITスローン経営大学院の研究でわかったこと
      • 新規事業に関するモーツァルトの教え
      • 大企業に11倍の評価倍率」がある理由
      • ベンチャーキャピタル「カウボーイ・ベンチャーズ社」の調査
      • レベル5の最大の落とし穴
      • レベル5で直面するコントロールできないリスク
      • これをミスると「損失10倍」
      • レベル5で一番考えるべきこと
      • なぜ「富のデメリット」は議論されないのか
      • 超富裕層向けセラピストが見た超の共通点
      • 「世界一の富豪であることはとてつもなく不安だった」
      • 臨床心理学者が明らかにした「お金と家族」の関係
      • 雷が子どものやる気を削ぐ理由
      • バフェットの遺産に関する考え方
      • お金と人間関係の際則
      • レベル5のまとめ
    • 第9章 【富の階段】レベル6 資產防衛戰略
      • ノーベル賞はいかにして誕生したか
      • レベル6で最も大切なこと
      • 【レベル6の落とし穴1】 離婚リスク
      • 【レベル6の落とし穴2】 訴訟リスク
      • 【レベル6の落とし穴】 動機と認識の変化
      • 【レベル6の落とし穴1】 相対的剥奪
      • バフェットのビジネスパートナーが後悔していたこと
      • あなたが後世に残したい「レガシー」とは?
      • レベル6のまとめ
    • 第10章 富の階段を登るにはどれくらいの年月がかかるのか?
      • 希望と期待に対する考え方を根本から変える実験
      • アメリカ消費者金融調査による各資産レベルの年齢分布
      • データが明かすの階段を登るのにかかる時間
      • 年齢別のの分布からわかる「時間」の重要性
      • 富の階段の目的は「その道を楽しむ」こと
      • 所得動態パネル調査「PSID」が教えてくれること
      • 「10年後の資産レベル」の傾向と注目点
      • 「20年後の資産レベル」の傾向と注目点
      • 10年後20年後に資産レベルが上下動した世帯はどのレベル?
      • 資産レベルが上がらなくても、多くの世帯が資産を増やしている理由
      • 第10章のまとめ
  • 第3部 自分のゴールの見つけ方
    • 第3部のまえがき
    • 第11章 お金で幸せは買えるか
      • 人類史上、最も古く、最も多く問われてきた質問
      • ノーベル賞受賞者カーネマンに反旗を翻した心理学者の主張
      • カーネマンとキリングスワース、勝ったのはどっち?
      • お金は飛行機で非常時に使う酸素マスク
      • お金と幸福度の関係
      • 「終わりのない”もし~」という考え方
      • 7か国のデータを分析した研究結果
      • 今まで出会った中で最も幸せそうだった人
    • 第12章 人生を変える4つの富 社会的な富・精神的な富・身体的な塞・時間的な富
      • 「お金」と「塩」の共通点
      • 【人生を変える4つの富1】 社会的な富
      • 本当の豊かさとは、嫌な人たちと時間をすごさないこと
      • 「社会的な富」と「経済的な富」の関係
      • 【人生を変える4つの富2】精神的な事
      • 世界で最も不幸な人たちの特徴
      • ステータスと自尊心
      • 「精神的な富」と常の階段が交差する場所
      • 【人生を変える4つの富3】 身体的な高
      • 【データが語る】 定期的な有酸素運動が重要な理由
      • 「身体的な富」と富の階段
      • 【人生を変える4つの富4】 時間的な富
      • 時間に関する哲人・セネカの言葉
      • 時間は「これ以上増やせない唯一の富」
    • 第13章 富の階段を登る私の旅
      • 6歳のときに両親が破産・離婚
      • 適切な時期に適切な場所にいる意味
      • 人生を変えた大学2年の出来事
      • 貸借対照表に載らない資産を磨く
      • ブロガーとして精神的に最も辛い日々
      • 富の階段レベル3に到達した瞬間
      • 34歳で「レベル4」へ到達した理由
      • 資産が増えるにつれ、戦略を変える
      • あと3分、教授を待っていなかったら……
      • あなたが現在を変えられれば、過去の解釈も変えられる
      • 富の階段の隠された教訓
      • 「富の階段」から得た最大の教え
      • 人生の優先順位を変える 
  • おわりに 複雑さの中でシンプルさを見つけよう

書籍紹介

 この本は、著者のニック・マジューリさんが書いたもので、ダイヤモンド社から出版されています。前作の『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』が世界中で40万部以上売れ、日本でも18万部を突破した大ヒット作の続編として、大きな注目を集めています。発売直後から世界的ベストセラーとなり、多くの人々がその実践的なアドバイスに魅了されているようです。

 50年以上にわたる数万世帯のファイナンスデータを分析して導き出したのが、この本の核心である「富の階段」というフレームワークです。富は直線的に増えるのではなく、階段のように段階的に上昇するという考え方で、資産レベルを1から6までの6つの階級に分け、それぞれのレベルで最適な戦略を提案しています。

 データに基づいた客観的な分析と、著者の個人的な洞察がバランスよく融合しています。節約や投資、起業といったテーマを扱いながらも、無理を強いるのではなく、各人の資産レベルに合ったシンプルな戦略を提案しているので、初心者から上級者まで幅広く役立つと思います。スコット・ギャロウェイさんからも絶賛されているように、世界的な評価が高いのも納得です。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

富のレベルで変わるお金の使い方

  • レベル1 余裕なし
  • レベル2 流動資産1万ドル 食料品の自由
  • レベル3 流動資産10万ドル レストランの自由
  • レベル4 流動資産100万ドル 旅行の自由
  • レベル5 流動資産1000万ドル 住居の自由
  • レベル6 流動資産1億ドル 影響力の自由

 資産形成が支出にどう影響するかをレベル別に表したリストです。

 資産には収入を生み出すものと、支出を減らすものがあります。株は利益を生み出します。自家用車は交通費を減らせるかもしれません。家は家賃を払わなくてすみます。

 この資産レベルについては、時間と共に価値が変わったり、自由になったりする物・事がかわります。物価が2倍になれば自由になるための資産額が変わるはずです。世界中を旅行するコストを大幅に削減する技術が生まれた場合はレベル4は旅行の自由ではなくなります。

 この資産レベルで大切なのは、富の階段を登るにつれてお金の使い方が変わっていくことを理解する点です。

収入を増やすオススメの方法

 レベル1を抜け出すには、貯蓄ができる程度に収入を増やさなければなりません。オススメは市場価値のあるスキルを身につけることです。

 仕事に就き、懸命に働きましょう。低賃金でもひたむきに努力して脱出した人たちは数えきれないほどいます。頼まれたことは何でもやり、欠勤することなく働き続け、スキルを高め、収入を上げる機会を得たのです。

 もちろん、頑張っているのに昇進できない、上司からのフィードバックがない、責任を与えられないといった状態なら、環境を変えることを検討しましょう。

 やりたい仕事があるなら無報酬でその仕事を経験させてもらうと、安くスキルを身に付けられます。教育をうけることも、市場価値のあるスキルを身に付ける方法です。適切な教育を受ければ、高給の仕事に就けることができるかもしれません。

 ただし、教育費用に借金をすることは人生を厳しくさせてしまいます。レベル1の人は、多額の借金をしてはいけません。できるだけ費用を抑えて教育を受けるように工夫しましょう。

資産レベルが上がらなくても、多くの世帯が資産を増やしている

 ある世帯が富の階段を上がらなかったとしても、資産が増えている場合が多いです。実は多くの世帯が資産を増やしています。

 SCFやPSIDのデータはアメリカにおける資産レベルの流動性を肯定するものになっています。富の階段を下るより登る傾向がわずかに多いようです。アメリカの繁栄期におけるデータですが、世界的に同様の資産の向上がみられます。

 世界銀行の報告では、極度の貧困で生活している人の割合は、1990年の39%から2015年の10%まで減少しています。この期間で世界人口が20億人以上増えたにもかかわらず、極度の貧困の人が10億人以上減っているのです。貧困が減っているということは、多くの人の資産が上がっていると考えられるでしょう。

レベル3に到達した瞬間

 自分が本当に好きなこと、パーソナル・ファイナンスと投資について文章を書くことにしました。「オブ・ダラーズ・アンド・データ」というウェブサイトを立ち上げ、週1ペースでブログ記事を投稿し始めました。

 10時間かけてブログ記事を書いても、誰にも気にも留めてくれませんでした。自分の仕事の仕方に理解ができないと捨て台詞をはいて、5年間も交際した彼女は出ていきます。彼女が正しいのではないかと思う日々はとてもつらいものがありました。

 それから数か月後、投資カンファレンスで金融ライターたちと知りあったことで、ニューヨークの資産運用会社の共同創業者たちに自分を売り込むことに成功しました。データサイエンティストとして金融サービス業界に飛び込むことができたのです。6年間フルタイムで働き、投資を続けているうちに富の階段「レベル3 資産10万ドル~100万ドル」に到達していました。

 2020年になって、コロナウイルスのパンデミックがトリガーとなり、ブログのページビューが急増しました。この時期にウェブ広告で収益化を始め、気が付いた時にはレベル4に近づいていたのです。

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