ウクライナ戦争と世界のゆくえ

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

ウクライナをめぐる動き

出来事
1853年クリミア戦争
1914年第1次世界大戦
1917年ロシア革命、ウクライナ人民共和国(中央ラクーダ)政権成立
1917年ウクライナ・ソビエト戦争
1922年ソビエト社会主義共和苦国連邦(ソ連邦)設立
1939年第2次世界大戦
1941年独ソ戦開始、独によるウクライナ占領
1949年NATO(北大西洋条約機構)が発足
1953年スターリン死去
1954年ウクライナ併合300年を記念してクリミアをウクライナ領に編入
1964年フルシチョフ第一書記失脚、ブレジネフを実験をにぎる
1985年ゴルバチョフ、ソ連共産党書記長に就任
1986年チェルノブイリ原発事故
1987年ペレストロイカ始まる
1991年ソ連崩壊、ウクライナ独立宣言、独立国家共同体(CIS)創設
クラフチェク大統領就任
1994年クチマ氏が大統領就任
1997年ロシアと友好協力条約締結
2000年プーチン氏がロシアの大統領に就任
2004年オレンジ革命(民主化運動)を経て、親欧米派ユシチェンコ大統領就任
2008年ロシアがジョージアと武力衝突(南オセチア紛争・グルジア紛争)
2010年親ロシア派ヤヌコーヴィッチ氏が大統領に就任
2013年マイダン革命。ポロシェンコ大統領就任。
CISをウクライナは脱退。ロシアがクリミア半島を併合。
ウクライナ東部ドネツク州で親ロシア派武装勢力と治安部隊の戦闘が勃発。
2015年ミンスク合意
2016年EU・ウクライナFTA発行
2019年ゼレンスキー氏が大統領に就任
2021年ロシアがウクライナ国境に軍を展開
2022年ロシア・プーチン大統領がドネツク・ルガンスク人民共和国の独立を承認
ロシアがウクライナへ攻撃・侵攻を開始

書籍情報

タイトル

ウクライナ戦争と世界のゆくえ

著者

鈴木一人 東京大学公共政策大学院教授

小泉悠 東京大学先端科学技術研究センター専任講師

鶴岡路人 慶應義塾大学総合政策学部准教授

森聡 慶應義塾大学法学部教授

川島真 東京大学大学院総合文化研究科教授

宇山智彦 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

池内恵 東京大学先端科学技術研究センター教授

出版

東京大学出版会

対ロシア制裁のポイント

記者:鈴木一人

ポイント
●ロシア制裁の決定は迅速に行われた。
●ロシアの非人道的な行動で指示が高まったものと思われる。
●ロシア貿易の40%を占めているのがEU諸国。
●もし制裁に参加するとなると、とてつもない経済赤字を招いてしまう国がある。
●西洋諸国が狙っているのは、戦争コストが貿易収入より膨らむこと。
●長期的にみて戦争の継続困難になる効果は期待できる。

 ロシアに対する制裁は、かつてないほど広範で強力だと言われています。しかし、一定の効果は期待できるものの、徹底した制裁になっているとは言い切れません。

制裁決定のスピードとG7の結果

 ロシアに対する制裁で、まず特質すべきはその決定が迅速に行われてたことです。

 ウクライナ侵攻が始まる前から強力な経済制裁を行うことを宣言していたことと、ロシアの軍事侵攻が国際法を無視していて非人道的だったことで、多くの国で経済制裁をとることの支持が高まったのです。

 ロシアへの依存度が低いアメリカは、エネルギー制裁を先行して実践することを求めましたが、ロシアがG7の結束を乱すことを防ぐために、欧州各国に歩調を合わせ、エネルギー制裁には強く踏み込むことはありませんでした。

 対ロシア政策を実践するのは西側諸国に限定され、その他の地域との経済関係は継続していることに留意しておく必要はあるでしょう。

ドーナツ型制裁

 ロシアに効果的な経済制裁を実施するためには、ロシアからの輸出の半分近くを占める石炭、石油、天然ガスといった化石燃料を止めることが重要です。

 ロシアの貿易の40%を超える割合を占めるEUがその輸入を止めなければ、効果は限定的と言わざるを得えません。

 ロシア産原油の輸入禁止を欧州員会が提案した際、原油で得をしている内陸国のハンガリーが強く反発し、合意を得るまでに4週間かかっていた点は重要です。

 G7やEUの中で足並みがそろわない場合、有効な経済制裁を実践することは困難になります。天然ガスに依存しているドイツでは制裁に参加すると30兆円の損失が生まれるというのです。

 化石燃料を買い続けるということは、ロシアに代金を支払い続けることを意味します。

 ロシア制裁の抜け穴が欧州にあるので、真ん中に穴の開いたドーナツ型制裁という性格をもっています。

目的の見えない制裁

 西側諸国の経済制裁が目指すものは、戦争コストの増加です。天然ガスを購入する資金より戦争コストがかかることを期待しています。

 加えて、半導体などのハイテク製品の規制を行うことで、武器の製造を難しくなることを狙っているようにも見えます。

 こうした経済政策は即時の停戦や撤兵を目指しているとは考えにくいが、継戦能力を奪うことは可能です。

 利亜の経済政策はそうした方向に向かっています。

中国のアジア多数派の獲得策

記者:川島真

ポイント
●中国は独立自主の外交をしようとしている。
●中ロが一枚岩ではない。
●アメリカに付こうする国は牽制する。
●対外政策で意識しているのは、アメリカである。

 中露が一枚岩かと問われれば直ちに肯定することはできません。中国がロシアと全く同じ行動を取るわけではないという姿勢もうかがえます。ウクライナ侵攻に関して、自らが世界の少数派になっていくことを嫌っているようです。

 東南次阿野フィリピン、タイ、ミャンマー、インドネシアの外相らと相次いで会合しているが、これらの国々はみな国連総会で経済政策に賛成した国々です。

 王毅外相は次のように述べていると一部メディが報じています。

現在、ロシア・ウクライナ危機の影響は継続して外部世界に影響を与え、NATOは多くのアジアの国家を自らの陣営に加えようとする野心を一層あからさまにしてきている。今回のロシア・ウクライナ間の衝突に関しては、アジアの大多数の国は以前独立自主の外交政策を保持し、欧州の諸国の諸国のようにメリカに追随し、アメリカの圧力に屈してその片棒を担ぐようなことはしていない。地政学的にアメリカと比較的距離が遠いだけでなく、中国を含む多くのアジア諸国は長きにわたって国際社会において世界平和と発展の中心的な存在であった。特に14億の人口を擁する中国がそうであった。

 国際決議でアメリカ側に与したカンボジアに対するけん制と、独立自立を保ち、アメリカに追随しないように求めていることは確かです。

 中国が意識しているのはアメリカです。対外政策の中心にあるのは米中関係にあります。

弱さがもたらす国際秩序の変化

記者:宇山智彦

ポイント
●ウクライナ侵攻について中央アジア諸国の態度は微妙。
●ロシアが軍事的にも経済的にも弱さを露呈してしまっている。
●ロシアの弱さが中央アジア諸国に、どのように影響するかがわからない。
●日本も無関係ではない。

 ロシアのウクライナ侵攻について中央アジア諸国の態度は曖昧です。ロシアほど激しく欧米中心の世界秩序と対決しているわけではありません。中小諸国の立場として、欧米諸国を含む世界の主要国と良好な関係を結ぶことが望ましいのです。

 中央アジアはロシアの排他的勢力圏ではないものの、ロシアが強い影響力をもっていることを前提として行動してきました。しかし、ロシアは経済的にも軍事的にも弱さを露呈しており、野心と実力のギャップが著しく映っています。

 このことは、ロシア以外の中央アジア諸国が連携をしながら多様化に向かうのか、無秩序にむかうのか、欧米や日本などと勢力圏を形成するのか、中小国が主体性を発揮できる平等な秩序に向かうのかと関係します。

 中央アジア諸国を含むアジアの中小国と良好な関係を築いてきた日本も、そのために大きな役割を果たすべきでしょう。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 かなり色々な人の意見を多角的から吸収できる書籍でした。ウクライナ戦争をめぐる問題を知りたければうってつけの本です。

 薄い本ではありますが、かなりの文字数とそれなりに難しい内容なので、少し読む時間が必要です。

 休みの日に、毎日少しづつでも読んでみる価値はあるので、手に取ってみてはいかがでしょうか。

購入リンク

電子

(Visited 3 times, 1 visits today)
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です