世界の富裕層を日本で何を食べているのか?/著者:柏原光太郎

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書籍情報

タイトル

日本人の9割は知らない

世界の富裕層は日本で何を食べているのか?

ガストロノミーツーリズム最前線

発刊 2025年10月28日

ISBN 978-4-478-12350-8

総ページ数 230p

出版社リンク ダイヤモンド社

著者

柏原光太郎

ガストロノミープロデューサー。学生時代から世界や日本全国を食べ歩き40年以上。
業界きっての食通として知られる。

出版

ダイヤモンド社

もくじ

  • ルガストロノミーへの招待
  • はじめに
  • 序章 ガストロノミーツーリズムとは何か?
    • ガストロノミーツ ツーリズムは「食文化」をたずねる旅
    • 2025年は日本の「ガストロノミーツリズム」元年
    • 世界一成功した「美食の町」はスペイン・サンセバスチャン
    • 旅の目的になる店が日本各地で続々と誕生中
  • 第1章 そこまでする!?世界の富裕層の食へのこだわり
    • 今の富裕層は「特別な体験」を求めている
    • 王道フレンチから多様な個性へ。世界の食の潮流
    • 世界の食を変えた「ベストレストラン50」とフ―ディーの登場
    • 北極点のレストランにボートやヘリコプターで来店
    • 家族旅行の予算は3000万! 富裕層の極上グルメ旅の実態
    • 蟻を使ったコース料理の予約は3分で完売
    • 特別な体験に大満足した某国首脳御一行
    • ランチに150万円!ヘリで行く離島の超高級寿司ランチ
    • 型番指定のハーレーダビッドソンで美食めぐり
    • 日本人富裕層も負けていない!1000万/㎡億ション住民の食事情
    • Column 最新情報がとびかう富裕層のクローズドなコミュニティ
  • 第2章 日本人が気づいていない、日本の食の真価
    • 訪日理由は「美食」が1位
    • ミシュラン星数は東京が世界一、人口比の星数は京都が世界一
    • 食は日本が世界に誇れる最大のコンテンツ
    • 地方にこそ知られざる「本物の食」がある
  • 第3章 世界の富裕層がこぞって通う、地方の名店&エリア
    • 人口400人の山奥に年間8000人が来訪
    • 富山 利賀村 「L’évo」
    • 客の9割は外国人! 北九州「照寿司」
    • ローカルガストロノミーの先駆者 の先駆者 山形・鶴岡「アル・ケッチァーノ」
    • 命と向き合うオーベルジュの挑戦 北海道豊頃町「エレゾ エスプリ」
      • Column 進化するジビエの世界
    • 超一流の魚屋がシェフを引き付け名店が集結! 静岡・焼津
      • Column 前田さんの魚を堪能できる「チームサスエ」
    • 寿司の新聖地へ! 進化を遂げる富山
      • Column ここも行きたい! 富山の寿司の注目店
      • Column 富山・岩瀬地区で注目のミシュラン掲載店
    • 国内富裕層の移住で広がる「大軽井沢食文化圏」
      • Column 郊外に注目 大軽井沢食文化圏の注目店
    • 地方で大成功する店に共通する決定的なポイントとは
  • 第4章 混む前に行きたい!次世代の美食エリアを一挙公開
    • 数々の名店を輩出「北の屋台」 北海道・十勝
      • Column ここも注目! 十勝エリアで寄りたい注目店
    • ウイスキーの町から今や日本ワインの最先端 北海道・余市
    • 国際級の店が続々誕生 ローカルガストロノミーのお手本 新潟
      • Column ここも行きたい!新潟の注目店
    • ハイエンドな名店と素朴な郷土料理店が混在 秋田の魅力
    • 海と山で味わう! 進化する「山形」ガストロノミー
    • 食がつなぐ復興と地方再生 石川・能登
    • 伊勢神宮・熊野大社を巡る巡礼と美食の旅 紀伊半島美食街道
    • 発酵と再生の谷で芽吹く美食 長野・伊那谷
    • 自然と伝統が織りなす食の聖地 丹後半島
      • Column 世界的に注目される「薪料理」とは?
    • アートと美食に酔いしれる「瀬戸内海美食海道」
    • 瀬戸内海美食海道4日間の旅
      • Column ガストロノミーツーリズムをより楽しむための準備
    • 在来種の種を育てるおじいさんに魅せられ名店が続々 長崎・雲仙
    • 琉球の伝統を味わモダンガストロノミー 沖縄
      • Column ここも行きたい 沖縄の注目店
      • Column 堀方の美味しい店の探し方
  • 第5章 首都圏から日帰りで非日常を味わえる ローカルガストロノミー
    • 「東京郊外」が育む新感覚ローカルガストロノミー
    • 観光地のエアポケットに腕利きシェフが集結 神奈川・湯河原
      • Column ここも行きたい! 湯河原の注目店
    • 再評価が進む「埼玉」の実力
    • 関東ガストロノミーを牽引! 千葉
      • Column ここも行きたい! 千葉の注目店
    • デスティネーションレストランの原点がここに! 栃木
    • 温故知新の里山レストランが話題 群馬
      • Column ここも行きたい!  群馬の注目店
    • 東京から食べに行く逆流現象が加速中 茨城
    • ワイナリーの先にあるもうひとつの目的地 山梨
      • Column ここも行きたい!  山梨の注目店
  • 終章 ガストロノミーツーリズムは単なる美食旅行ではない
    • 食のアンテナを張り、五感と思考を磨く
    • ガストロノミーツーリズムをもっと身近に!「食の熱中小学校」
    • 食の熱中小学校「高知ツアー」のリアル
    • 時代を切り拓いていくのは「こだわり抜くヘンタイ」
    • 地方の魅力を富裕層だけのものにしておくのはもったいない
  • おわりに
    • 一生一度は行きたいデスティネーションレストラン200軒
    • 読者限定ダウンロード特典 秘密の”柏原リスト”さらに250軒
  • 参考書籍・WEB

書籍紹介

 世界の美食家たちの意識がどのように変わってきたかを丁寧に解説している点にあります。かつては大都市の豪華なレストランが主流だったものが、今ではそこでしか味わえないレアな体験を求めて地方へシフトしているそうです。例えば、海外の星付きレストランで修業を積んだシェフが、東京の人気店を離れてあえて田舎の地元食材を活かした店を開く例が相次いでいるそうで、そうした店に富裕層が殺到する背景を、作者の柏原光太郎さんがガストロノミーツーリズムの最前線から語っています。

 何でもある大都市から、土地の記憶が豊かな地方へという価値観の変化を、富裕層の行動を通じて描き出しており、読んでいると日本という国の食の多様性に改めて驚かされます。特別な体験が、地方のレストランと変態的なシェフのおかげで実現できるようです。

 食を通じた文化や経済のトレンドを学べる内容で、旅行好きや食に興味のある方には特におすすめです。富裕層の珍味も同時に知れるでしょう。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

ディスティネーション・レストラン・リスト

 日本の英字紙「ジャパンタイムズ」が”わざわざ訪れる価値のある場所”という意味の名前を付けて、レストランを表彰しています。東京23区などの都市にあたるお店は対象外です。この「ディスティネーション・レストラン・リスト」は、日本を代表する食通の3名が忖度なしに毎年10軒を選んでいます。

 最初は苦労しないだろうと思っていた3名ですが、毎年毎年素晴らしいレストランが誕生するため、大変な思いをしているようです。今、日本で続々と素晴らしい地方レストランが誕生しています。

noma

 デンマークにある「noma」というレストランは、ミシェランの三つ星を獲得しています。それだけでなく、「世界のベストレストラン50」で、世界一に5回選ばれている名店です。しかし、2024年に営業を終了することを発表しています。

 行きたいけれど行けないと思っているファンの元へ、京都で10週間限定で開店すると朗報が入りました。世界中から予約が殺到し、3分で席が完売したようです。

 ノーマの料理は分かりやすいものではありません。北欧で獲れる食材で創作料理をしていることに評価がされています。わかりやすいのは、サラダの上に蟻が載っていたりすることです。デンマークでは柑橘類が北限を超えていて育たないので、酸味を蟻酸で表現しています。

 限定開店したお店で、客がそわそわしだしました。なかなか蟻が出てこなかったからでしょう。しかし、そこはノーマです。最後の最後、アイスクリームに蟻が載っているという演出をしてきました。この料理を理解できるのは、富裕層の大きな特徴なのでしょう。

東京から食べに行く逆流現象 茨城

 茨城は東京の食材供給地として機能しています。広大な農地で育つ野菜、霞ケ浦や鹿島灘から届く魚介、畜産や発酵食品などが東京の市場に卸されています。

 そんな茨城にお店を構えて茨城の食材を使ったレストランを開くシェフが登場してきました。水戸の少し先にある「京遊膳 花みやこ」は地域の生産者と共に、地元の食材を魅力的に提供することに探求しています。

 常陸大宮にある「YOSHIKI FUJI」は、雑木林と雑草に覆われていた丘を開墾し、20メートルほど上を切り拓いて作られたレストランは、羨望と食の両方で非日常を体験できる空間です。提供されるのは、茨城の食材だけを用いたバスク料理です。フランス料理店の経営やスペインでの修行を活かして、新しい価値を創造することに成功しています。

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