YOUR TIME

※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 「時間の使い方に満足できない」

 「もっと時間を有意義に使いたい」

 「大事なことがあるのに手をつけられない」

 「やりたくないことに時間をとらわれすぎている」

 時間に関する悩みは尽きません。その需要に答えて、無数の時間術が提案されてきました。

 しかし、これらの技法は長期的な効果を実感できる人はいないのです。この事実は、マッキンゼーとオックスフォード大学が5400を越えるITプロジェクトを調べた研究データからも、裏付けがされています。

 実は、ToDoリスト、締切を決める、そんな定番のテクニックは、大した効果が認められておらず、そもそもまともな検証すら行われていないケースが普通なのです。

書籍情報

タイトル

YOUR TIME

4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術

第1刷 2022年10月20日

発行者 小野寺優

発行 (株)河出書房新社

装丁 三谷慧

印刷 (株)亨有堂印刷所

製本 加藤製本(株)

ISBN 978-4-309-30023-8

総ページ数 285p

著者

鈴木祐

科学ジャーナリスト。

 10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ね、多数の執筆を重ねています。

出版

河出書房新社

時間の無駄にこだわると創造性は下がる

Image by fancycrave1 from Pixabay

 効率を目指して時間を意識すればするほど、私たちは良いアイデアを思いつきにくくなり、問題解決の能力も下がる傾向にあります。

 ハーバード大学の心理学者テレサ・アマビールは、7つの企業から177人の従業員を集めて業務日誌を書くように指示し、約9000日分のデータを集めて働きぶりを解析しました。

 時間を気にして作業を行った結果、創造性とプロジェクトの成果が著しく落ちていたようです。

 良いアイデアは、心と体がリラックス状態のときに現れやすい傾向があります。頭の中を自由なイメージと知識がさまようにまかせ、意外な情報の結びつきが起きるのを待つ必要があるのです。

 残念ながら、人間の脳は拡散と収束を同時使えるようにはできておらず、集中力を高めようとおもったら創造性はあきらめるしかありません。

 効率を求めて集中力を高めることを意識していると、創造的なアイデアの量は減ってしまい、プロジェクトの停滞につながってしまうのです。

予期の現実感が濃い人は総資産額が30%多い

Image by khamkhor from Pixabay

 名匠の刀剣が家庭料理には向かないのと同じく、どれだけ名の知れた時短術でも適材適所で使わなければならないのです。

 まずは簡単な頭の体操をしましょう。

 10年後の自分を考えて下さい。「10年後の自分が、今のじぶんとどのくらい繋がりを感じるか」を採点してください。

 10年後の自分がまったく同じ人間だと思えるなら7点で、完全な他人のようにしか感じられないのなら1点です。

 予期の現実感が濃い人ほど資産額が多い傾向にあります。10年の自分を「わたくしごと」としてとらえることできるからです。

テスト勉強のためにゲームをひかえる。
会議資料作成のために飲み会を断る。
早朝会議のために配信ドラマを観ずに寝る。

 これらの行為が成り立つのは、あくまで予期のイメージに現実味を感じられるからこそなのです。

時間術で時間をすり減らしてはいけない

UnsplashDjim Loicが撮影した写真

 いずれのテクニックも、「より早く」「より多く」とうながす思想が存在するため、何も考えずに使い続ければ、最後は時間を搾り取られて終わります。

 効率と生産の考え方から身を引き、時間に余裕を生み出しましょう。

  1. 時間を上手に使うことは重要だと思う
  2. 自分の自由になる時間が持てない
  3. 普段なかなかくつろげない
  4. 何をするにしても、絶えず時間が足りないような気がする
  5. 何かを待つあいだの時間はやたら長く感じる
  6. 時計なしでは途方にくれてしまう
  7. 睡眠時間はムダだと思う
  8. 自分の時間を邪魔するような人にイライラする
  9. 仕事が遅い人には我慢できない
  10. テンポが遅い人に腹が立つ

 上記の10項目に、どれだけ当てはまっているでしょうか。当てはまっているほど、効率と生産へのこだわりが強いと考えられます。

退屈を突き詰める

作者: うちなーんちゅ

 「つまらなそうだ」「おもしろくない」と感じる行為を意図的に徹底して行うのが、このトレーニングの基本です。

 代表的なものに、ハーバード大学のラドクリフ高等研究所で、美術史家であるジェニファー・ロバーツの授業があります。すべての新入生に「特定の絵画を3時間かけて見つめてください」との指示が出すのです。

 学生たちの反応はさんざんだったようで、最初の1時間でみなが耐えがたい苦痛を訴えはじめ、逃げ出す者も現れました。

 手軽な娯楽に慣れた現代人にとって、1枚の海外を3時間も見続けるのは確かに拷問に等しいでしょう。

 しかし、それでも同じ行為をさせたところ、いつもなら気にも留めない画家の繊細なタッチや構図の妙に気づき始め、普通に絵画をみただけでは味わえない領域に達成したのです。

あとがき

 本書を使いこなすために欠かせないコツをひとつお伝えしておきましょう。

 「脳の『満足化』を意識する」というものです。

 簡単に言えば、「ほどほどの答えで満ち足りこと」になります。もともと「ほどほどの解」を出すための設計がされているのが人間の脳です。非常にシンプルなので、しょっちゅうエラーを起こします。

 より正確な答えを脳に求めるのは現実的ではありません。その変わり、満足するのに十分な答えを出すことはできます。

 あくまでほどほどに頑張る姿勢を意識することが大切なのです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 10年後の自分が今の自分とリンクしない人、思っているより効率厨だった人がほとんだと思います。

 資産所得だけで生きて、自由を手に入れるために、金なく、時間なく、頑張り過ぎている人もいるのではないでしょうか。

 私の場合は、余裕をもったところで気になっているゲームに時間を使ってしまいそうです。何もしない時間も必要なのかもしれません。

 効率を気にしすぎずに、これからの時間を過ごせたらいいなと思います。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

購入リンク

※amazonの商品リンクです。画像をクリックしてください。

電子

※amazonの商品リンクです。画像をクリックしてください。

(Visited 12 times, 1 visits today)
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です