今日、年金暮らしになった/著者:増田明利

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書籍情報

タイトル

今日、年金暮らしになった

定年を迎えた17人のリアルな老後

発刊 2026年7月22日

ISBN 978-4-8013-0832-9

総ページ数 191p

出版社リンク 彩図社

著者

増田明利

ルポライターとして取材活動に励みながら不動産管理会社に勤務している。
NPO関係者との交流を積極的に行い、社会問題の取材活動をしている。

出版

彩図社

もくじ

  • はじめに
  • 第1章 いつもお金の心配ばかり
    • 節約のことしか考えられない
    • 病院代さえ出すのが惜しい
    • 生活保護を受けてわかったこと
    • 年金メモ① 年金はいくらもらえる?
    • 年金メモ② 年金と生活保護、どちらが得?
  • 第2章 慎ましく生きていく
    • 毎日が日曜日はつらいもの
    • 引越しで大幅コストカットに成功
    • ローコストライフのススメ
    • 年金メモ③ 実際どれくらい受け取れる?
    • 年金メモ④ 老後の生活費は?
  • 第3章 病気で年金が消えていく
    • 病気は老後破産の入口
    • 病院通いで不自由な暮らし
    • 誤算だらけの年金生活
    • 長生きしてもつらいだけ
    • 年金メモ⑤ 介護は避けて通れない
  • 第4章 老後の孤独と悩み
    • 貯金はあっても悩みは尽きない
    • 繰り下げ受給を選択したわけ
    • 遺族年金だけでは暮らせない
    • 孤独死予備軍と思うとき
    • 年金メモ⑥ 年金制度改革で年金が減る!
    • 年金メモ⑦ 繰り上げか、繰り下げか?
  • 第5章 年金で豊かに暮らすには
    • すべて年金のおかげです
    • 倒産社長の優雅な年金生活
    • 老後を心配し過ぎていた?
    • 年金メモ⑧ 気になるあの人の年金
  • おわりに

書籍紹介

 増田明利さんは、これまでホームレスやワーキングプア、限界労働者など、社会のさまざまな立場の声を丁寧に拾い上げてこられたルポライターです。今回もご自身の取材スタイルを活かし、定年を迎えて年金生活を始めた17人の高齢者の方々に直接お話を伺っています。人生100年時代を迎え、老後の生活が長くなる中で、年金がどれほど重要な役割を果たすのかを、当事者の生の声から描き出している点が特徴的です。

 ある方は夫婦で年金を合わせても生活にゆとりを持とうと節約を続け、別の方は暇を持て余して再び働き始める選択をされます。年金だけで本当に暮らしていけるのか、という漠然とした不安を抱える現役世代の方にとっても、参考になる実例が満載です。

 「老後破産するかもしれない」という不安は、誰しもが一度は感じるものだと思います。本書はそうした不安に対して、怖がらずに当事者の声を聞くことの大切さを教えてくれます。年金に笑う人もいれば、泣く人もいる。人生いろいろ、年金生活もいろいろだという著者の言葉が印象的です。既に年金を受け取っている方、これから受け取る方、どちらにもおすすめの一冊です。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

ローコストライフのススメ

 天候が悪い日は外出を控えるため、1円も使わない日があるそうです。普通に暮らしていてもお財布を開かないときもあるといいます。

 この夫婦の年金は約24万円ですが、不要なものを買わず特売品を買うような生活をしているため、毎月少しお金が余るといいます。

 金曜日に買った月曜日までの食材は、総額で2300円でした。「衝動買いやついで買いはめったにしません」とのことです。

活動的な人、人付き合いが上手な人がみたら、家にばかりいる消極的な暮らしで何が楽しいのだろうと思うかもしれない。だけど、私ら夫婦のスタイルに文句を言われる筋合いはない。

 見栄を捨て無駄を省くことの何が悪いのでしょう。

すべて年金のおかげです

 池内さんの口座に振り込まれた額は2か月分で34万4000円、妻は23万6000円です。鉄道会社で定年まで勤めあげた厚生年金を受給していて、妻も12年間の厚生年金分があります。ある程度の金銭的余裕があるようです。

 年金が入ってきた直後だと一番安いインスタントコーヒーを買わずに、UCCとかKEYコーヒーのレギュラーを買ってしまうくらいのことが、ちょっとした贅沢なのだそうです。

 問題は、時間が有り余って仕方がないことです。なので、週に数日だけ短時間のアルバイトをしています。月収3万円くらいですが、貯めて旅費にあてるといいます。アルバイトがない日は、市民講座で英会話、水墨画、ヨガ、麻雀、太極拳と楽しみあるようです。人間ドックや歯科なども行けていて、これも年金制度のおかげだと感謝しています。

 将来のために消費税を上げる、保険料を上げる、給付を下げる、こういったことは起こるでしょう。だけれども、そのまえに私は亡くなっています。現役世代には悪いが、年金生活で余生は逃げ切らせてもらうと語ります。

老後を心配し過ぎていた

 夫の年金額は月約18万円に、私の個人年金を2万円合わせた20万円で生活しています。戸建てで固定資産税はかかるけれど、十分暮らしていけると思っていたのです。

 保険会社や銀行、証券会社などが発表するレポートをみると、生活費は27万円必要と書かれていて驚いてしまいました。パートや預貯金を切り崩していく苦しい生活を覚悟していたのです。

 ところが実際に年金生活に入ってみたら、心配しなくても大丈夫でした。どの機関も表示している項目の金額が高めです。食費7万円と見積もられていますが、そんなにかかりません。 鶏の唐揚げや肉団子などはお皿に5個くらい並べていましたが、今は3個も食べればお腹いっぱいです。

 交際費や被服費もほとんど遣わないので、レポートのモデルケースは大げさになっています。心配があるのは、終末医療費などの費用くらいなものです。恥をかかないために、計画的にやらなければいけないこともあります。

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