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目次
書籍情報
超富裕層に「おもてなし」はいらない
世界の一流が日本に惹かれる本当の理由

高橋克英
株式会社マリブジャパン代表取締役。
事業構想大学院大学特任教授。
世界60か所以上を訪問し、リゾート地の事情に詳しい。
KODANSHA
- はじめに 層の性格を理解することの大切さ
- 第1章 依然としてニセコが国内ナンバーワンリゾートに
- (1) 世界的なスキーリゾートへ
- 「外国人による外国人のための楽園」
- 遂にニセコにルイ・ヴィトン登場
- 「ニセコヘリポート」再始動
- 新千歳からヘリコプターでニセコへ
- ホテル清掃バイトが時給2000円超え
- 出物があれば即買い手が付く
- (2)消費ではなく、投資が牽引する経済社会へ
- サザビーズにニセコ物件が
- それでもニセコは世界20位圏外
- ほかの世界的リゾートよりは「割安」
- ニセコへの投資開発は続いている
- 高速道路・新幹線も追い風に
- (3) ニセコ 「バブル崩壊懸念への反証
- なぜ、バブルではないのか
- 「地元住民との摩擦」は本当か?
- 開発規制もプランド化に寄与
- 投資が投資を呼ぶ好循環が続く
- (1) 世界的なスキーリゾートへ
- 第2章 世界的な「カネ余り」と「退屈でひまな時代」の到来
- (1)世界的な「カネ余り」が資産効果を生む
- 「カネ余り時代」の到来
- 「実質賃金」を見れば、利上げは限定的
- (2) 「働かなくてもいい時代」に起こること
- AI革命により成長と失業が同時進行
- マグニフィセント・セブンと「ひまな社会」
- (1)世界的な「カネ余り」が資産効果を生む
- 第3章でわかった「世界的リゾート」になる条件
- (1)流通市場の存在感
- 「ひまな社会」と「カネ余り」の恩恵
- 「流通市場」が更なる成長には不可欠
- (2) 世界リゾートとしてブランド化する5つの条件
- 大前提は「キラーコンテンツ」があること
- (3)次なるニセコ「リゾートランキング」
- トップ10を順位づけすると
- 次なるリゾート投資先の共通項
- 富裕層視点の「ダメなリゾート地」とは
- (1)流通市場の存在感
- 第4章 進む「東京一極集中」と地方の選別
- 東京は人口1400万人を突破
- ゆるキャラやB級グルメでは解決しない
- 「住む場所」と「住まない場所」に分ける
- 生き残る地方を見分ける方法
- 第5章 「ルイ・ヴィトン」が先導する勝ち組・負け組都市
- ルイ・ヴィトンが茨城県から消える
- 地方百貨店自体も減少の一途
- ニセコにも期間限定店舗が登場
- LVMHのビジネスモデルから学ぶ
- ルイ・ヴィトンの立地判断基準とは
- 勝ち組都市・負け組都市を見分けられる
- 第6章 富裕層を虜にする「ブランデッド・レジデンス」 錬金術
- (1) 不動産投資 金融商品
- インカムゲインとキャピタルゲイン
- ミドルリスク・ミドルリターン
- (2) 「ホテルコンドミニアム」の存在
- 宿泊レンタル収入を得られる
- キャピタルゲイン狙いの所有
- 海外富裕層にはなじみ深い仕組み
- 福利厚生目的で法人の投資も増える
- ニセコでは14億円のペントハウスが
- 沖縄でも開発ラッシュ
- 地元の不動産管理会社が重宝される
- リスクはないのか
- 「不動産投資ローンがない」=参入障壁
- 大規模修繕ではメリットも
- (3) 「ブランデッド・レジデンス」とは
- 世界に690以上の完成物件が
- 日本でも広がる「トロフィー・レジデンス」
- リゾート地は分譲レジデンスが主流
- (1) 不動産投資 金融商品
- 第7章 なぜ富裕層は「外資系高級ブランドホテル」をベンチマークにするのか
- ニセコにパークハイアット誕生
- 東京、京都、沖縄でも開業ラッシュが続く
- ホテル3大ブランドが日本に進出
- 急増する外資系最高級ブランドホテル
- 保有と運営を分離でリスク分散
- バックカントリーを好む人たち
- 「何もしない贅沢」こそ求めるもの
- 日本ブランドではなぜダメなのか
- 外資系の資本力とリスクを取る経営
- 所在地に強みあり
- 第8章「NOT A HOTEL」が富裕層を惹きつけるカラクリ
- 約4億円で年30泊の権利
- オーナー数1000人超
- 富裕層の「3つの特徴」
- 「何もしない贅沢」を満たす
- リスクよりもワクワク感
- キャピタルゲインの魅力も
- クルーザーもシェア所有へ
- 時代と需要にマッチしたプランディング
- 第9章 実は富裕層とタワマンは相性が悪い
- 「カーギャラリー」付きタワマン登場
- 富裕層が買っているのか?
- 騒音や渋滞、災害時のデメリットも
- 最終的な「出口戦略」が視界不良
- 第10章 海外富裕層に「おもてなし」は不要
- (1) 「おもてなし」にあふれる日本
- 「おもてなし」への自画自賛
- ぶっきらぼうな対応に慣れっこ
- JALやANAより米系航空会社
- 「おもてなし」を求めて来る訳ではない
- 和風高級旅館より駅前のビジネスホテル
- グローバル・スタンダード+α
- (2) インバウンドが「欲しい」と思うもの
- 3つの「欲しいもの」
- インバウンドが求める3つの環境
- 実は「困ったことはなかった」が過半数
- インフラ整備こそ本当の「おもてなし」
- (1) 「おもてなし」にあふれる日本
- 終章 富裕層から学ぶ「投資の鉄則」
- (1) なぜアジアの富裕層はニッポンを目指すのか
- 地政学リスクの高まり
- アジアの富裕層にとっては「安心銘柄」
- (2) 観光リテラシーが高い富裕層
- 安売りをしない、値引きをしない
- (3) 富裕層の資産運用に学ぶ「3つの鉄則」
- 富裕層が常に意識する「3つの鉄則」
- 金融リテラシーを測る質問とは
- (4)邦銀の富裕層ビジネスが刺さらない3つの理由
- メガバンクの富裕層ビジネス
- 今回も上手くいかないのでは
- 富裕層こそネット証券で自ら取引する
- 保有金融純資産20億円の分水
- (1) なぜアジアの富裕層はニッポンを目指すのか
- おわりに
- インバウンドなき世界への回帰は可能か
- 歓迎なのか排除なのか
- 観光ビジネスだけに固執しない
- 富裕層の性格から我々は何を学ぶか
書籍紹介
富裕層との実際のやり取りや、現地リゾートでのヒアリングを基に、丁寧に分析を進めています。白馬や石垣島といった人気の観光地が直面している状況、世界的なブランドであるルイ・ヴィトンが日本に進出する背景など、具体的な事例を交えながら、富裕層の性格や、彼らがお金を落とす場所・モノ・コトの本質を明らかにしていきます。
重要なのは、超富裕層が「おもてなし」よりも何を重視しているのかという点です。彼らは時間を最も大切にし、失敗しない選択を好み、グローバルなスタンダードを求めているという指摘は、観光業やサービス業に携わる方だけでなく、ビジネスや投資に興味がある方にも大きな示唆を与えてくれます。日本的な美徳が、時に富裕層ビジネスでは的外れになり得ることを、痛快に説いているところが魅力です。
海外の富裕層が日本の地方に必ずしも魅力を感じない理由や、マリオットなどの外資系ホテルを選ぶ背景などもわかりやすく解説されています。結果として、世界の一流が日本に惹かれる本当の理由が見えてくるでしょう。
自身の資産運用やビジネス戦略にもつながる「投資の鉄則」としても学べる内容です。日本の強みを学び、観光地や地方、接客について考えさせられる内容となっています。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
「働かなくていい時代」に起こること

カネ余り時代の資産効果により富裕層が増えています。車や不動産などの消費行動や、投資によって経済が潤ってきているのでしょう。マクロ視点であれば、消費主体でも投資主体でも、どちらでも問題ないのかもしれません。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、総世帯金融資産保有額は、1000万円以上28.4%、100万円未満が37.7%となっており、二極化しています。
AI革命によって、事務職を中心に失業は増えるものの、富裕層は増え、人件費の軽減効果により企業業績や株式市場は好調を維持すると予測できます。そうなると、失業は増えて格差は広がるものの経済自体は成長し、企業から国に納める税収は増え続けるでしょう。
仕事や雇用を増やすのは難しくなります。富裕層になって働かなくてもいい人や、公的支援の充実による働かない人も増えます。財政出動で失業対策や雇用対策をしても、「働かなくてもいい時代」「退屈でひまな社会」が到来するでしょう。
オーナー数1000人以上「NOT A HOTEL」

富裕層でも特別な土地にクリエイターがデザインした建物はそうそう建てられません。「NOT A HOTEL」は、そういった物件のオーナーとなれるのが売りです。
「NOT A HOTEL」の購入者は、30代~50代の会社経営者、会社役員、医師、クリエイター、投資家といった富裕層となっています。
利用者としての宿泊予約はもちろん、ホテルの運営もスマホアプリで完結します。面倒を避けて、都合の良い日に友人たちと贅沢な時間を過ごすことなどに使われているようです。
また、物件オーナー地震で希望価格を設定して、売却を申し込むことができます。購入者にとってもサイトやアプリから直接申し込むことができるので、仲介の手間が少なくてメリットが多いようです。今はキャンセル待ちの物件も多く、手軽な不動産経営戦略が上手くいっています。
旅館よりビジネスホテルを選ぶ

旅館や古民家に泊まり、日本文化を経験する訪日客が増加しているのはたしかです。しかし、スタンダードのサービス提供をするホテルがいいとする割合は変わりません。
海外から大切なお客様をお迎えして、露天風呂が有名な高級旅館を案内したことがあります。しかし、お客様は浴衣に慣れず、松茸などの会席料理にはほとんど手をつけず、露天風呂に入ることなく部屋のシャワーを浴びて、ルームサービスの軽食を食べて寝ました。
日本人がよかれと思っているサービスや言動は、海外富裕層などにとって押し売りになっているかもしれません。訪問先でも、普段の食生活やルーティンを守って過ごす人は多く、文化に興味がないことも多いようです。