持続可能な社会のための消費者行動/著者:辻󠄀幸恵、岸脇誠

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書籍情報

タイトル

持続可能な社会のための消費者行動

発刊 2023年9月26日

ISBN 978-4-561-65248-9

総ページ数 143p

著者

辻󠄀幸恵

神戸学院大学経営学部教授(博士・家政学)

著者

岸脇誠

大阪国際大学国際教養学部準拠寿(博士・経済学)

出版

白桃書房

もくじ

  • はじめに
  • 第1章 途上国の貧困削減とフェアトレード
    • はじめに
    • 貧困の悪循環から脱却するために
    • フェアトレードのしくみ
    • フェアトレード商品のマーケティングと認証ラベル制度
    • おわりに
  • 第2章 フェアトレードの概要と背景
    • フェアトレードの誕生の経緯
      • フェアトレードの意味
      • フェアトレードの普及の背景
      • 認証による普及について
    • フェアトレードの市場
      • 世界的な市場について
      • 日本のフェアトレード小売販売額
      • 海外諸国と日本の比較
  • 第3章 フェアトレード商品に対する消費者の意識
    • フェアトレード商品の意味と心理的背景
    • フェアトレードへの理解とフェアトレード大学
      • フェアトレードという言葉に対する理解
      • フェアトレード大学
    • 大学生のフェアトレード商品に対する認識調査
      • フェアトレード商品に対する認知度とイメージ
      • 大学生を対象とした提言
    • 大学生の消費傾向とフェアトレード商品への購入意識
      • 大学生のふたつの消費傾向
      • フェアトレード商品への購入意識
    • 今後の課題
  • 第4章 フェアトレード・ファッション商品に対する日本市場の位置付けイメージ
    • ファッション商品に対する考え方
      • ファッションの意味と心理的背景
      • 製品のライフサイクル
    • フェアトレード・ファッション商品に対する考え方
      • フェアトレード・ファッション商品の意味
      • フェアトレード・ファッション商品のブランド化の可能性
    • フェアトレード・ファッション商品に関する認識度調査
      • 調査の概要
      • 調査結果
    • フェアトレード・ファッション商品に関する考察
    • 今後の課題
  • 第5章 フェアトレード・ファッション商品に対する消費者の評価
    • 消費者が企業に期待する要因
    • フェアトレード・ファッション商品に対するイメージ調査
      • 予備調査
      • 本調査
      • 調査結果からの知見
    • 店舗での実売調査
      • 調査内容と結果
      • 結果からの考察
    • 消費者の評価から見出される方策
  • 第6章 エシカル消費の現状
    • エシカル消費の概要
      • エシカル消費の意味と特徴
      • エシカル消費・商品と消費者の認知調査
    • エシカル商品の消費と社会環境
      • フェアトレード商品の消費と消費者の生活
      • 社会環境の中でのSDGsやESG
    • エシカル消費と今後の課題
  • 第7章 つくる責任つかう責任、そして廃棄する責任 _プラスチックごみ問題を考える_
    • はじめに
    • プラスチックごみによる海洋汚染と生態系への影響
    • マイクロプラスチックとその流出対策
      • マイクロプラスチックとその問題点
      • マイクロビーズの流出対策
      • 使い捨てプラスチック削減の取り組み
    • 廃プラスチックのリサイクルとその課題
      • 日本における廃プラスチックのリサイクル
      • 中国の廃プラスチック輸入禁止とその影響
    • おわりに
  • あとがき
  • 索引

はじめに

 フェアトレードに取り組む企業はもちろん、クラブやサークルといった大学や高校の団体も増えてきました。フェアトレード商品に対して好意的にとらえる消費者も増えています。

 消費社会の変化に伴い、理解が深まればうれしい限りです。

フェアトレードの認証

 乱立状態にあった各国の国内認証ラベルはっ臭いフェアトレード機構のもとで統合されていました。国際フェアトレードラベル機構は現在、FIとして活動しています。

 生産者組織や農園が申請を行い、FIが定めるフェアトレード基準に合致してるとみなされれば、認証が与えられます。

 ①生産者、②現地加工業者、③輸出業者、④輸入業者、⑤製造業者、⑥卸業者は、認証を申請する企業や団体はそれぞれカテゴリー別に申請し、FIの基準を満たしていれば、6つのうちいずれかの、あるいは複数の役割を担う資格が得られます。

 これに対して、フェアトレード商品を販売する小売業者の視角は認証ではなく、ライセンス契約という形態です。小売業者の場合には基準がほとんど存在せず、ライセンス料をFIに支払えば、フェアトレード商品を販売できます。

 2005年に大手食品飲料会社のネスレ(Nestle)がインスタントコーヒーでフェアトレード認証を受けました。しかし、1960年代に粉ミルクを途上国へ販売し、清潔な水のなかった地域の子どもたちは汚れた水で溶いたものをのんでたくさん死なせてしまったことがありました。こうした事件が過去にあるのにフェアトレード認証を受けられるのはおかしいのではないかと、反対意見が多数でたのです。

 フェアトレード認証を受けることで、良心的な企業であるイメージがついてしまうという疑念が、否定的な意見の背景にあります。

フェアトレード・ファッション、ブランド化

 製品としてのフェアトレード商品といえば、コーヒー、紅茶、チョコレートなどが有名であり、それらは大学生たちの想起する定番商品です。

 それら意外にもスポーツ用品や衣類、小物、アクセサリー、切り花なども身近なところで販売されていますが、あまり知られていないのが実状です。

 イオンのホームページでは「イオンのプライベートで販売するすべてのカカオで使用する原料を持続可能性の裏付けがとれたものへと変換するという新たな目標を設定しました。この目標達成に向け、これまで取り組んできたフェアトレード等の第三者認証を取得した原料調達を拡大するとともに、生産地それぞれの状況に合わせた調達計画を立て、生産者や労働者の方々が抱える課題解決の支援を実施していきます」と掲げています。

 フェアトレード商品を扱う意味などを消費者に説明することで、フェアトレード商品への認知度を高め、その背景への理解を深める役目を果たそうとする動きがあるのです。

SDGsの影響

 SDGsが採択されたことによって、世界的に認識が広がり、その実行に向けて社会全体が動いています。身近なところでいうと、ごみに関する条例の改定などがそれに該当します。

 内部要因の食環境については食品ロスをはじめとして、安全な食への関心が広がるとともに、フェアトレード食品への関心も広がりつつあります。

 百貨店などにフェアトレード商品が置かれるようになってきて、身近に感じる環境が整ってきてると実感できるでしょう。

日本における廃プラ

 日本で廃棄されたプラスチックは次の5種類の方法で処理されています。すなわち、①マテリアルリサイクル、②ケミカルリサイクル、③サーマルリサイクル(エネルギー回収)、④単純焼却、⑤埋め立て、です。

 加工や製品の流通段階で排出される産業系廃プラスチックは樹脂の種類がはっきりしていて、汚れや遺物が少なく、量的にまとまっているため、マテリアルリサイクルの原料に適しています。

 1995年に容器包装リサイクル法が施行されてからは、家庭や店舗、事務所から出る一般系廃プラスチックも分別や品質管理が整ってきたことからマテリアルリサイクルの対象となるものが次第に増えてきています。2021年における日本の廃プラスチック排出量は824万tであったが、ほとんどがサーマルリサイクルに回されました。サーマルリサイクルは、二酸化炭素や窒素酸化物を発生させるため、国際基準では「リサイクル」と認められていません。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 元々、食品における安全水準が高いはずなので、お金を出してライセンス料を払えば認証をもらえるフェアトレード商品に、あんまり付加価値が付くと思えません。

 金で安全の証を買っている高い商品をわざわざ買う人がいるということです。

 プラスチックは燃やすときに、環境を汚す物質を排出が少なくてすむように開発されています。その代表はビニール袋に使われる塩化ビニルです。PPだってPCだって、そこまで汚れることはないでしょう。ポイ捨てが問題なのであって、プラスチックが燃やされること自体が問題視されているわけではないはずです。

 持続可能な社会といって、環境に向けた行動を後押しする書籍のようですが、いろいろと墓穴を掘っていて面白かったです。

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