ナチスを撃った少女たち/著者:ティム・ブレイディ

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書籍情報

タイトル

ナチスを撃った少女たち

スパイ、破壊工作、暗殺者として戦った三人

発刊 2024年8月4日

ISBN 978-4-562-07428-0

総ページ数 251p

出版社リンク 原書房

著者

ティム・ブレイディ

歴史作家、執筆家
雑誌、新聞、ジャーナルに数多く寄稿

出版

原書房

書籍紹介

背景とテーマ

 第二次世界大戦中、ナチスドイツによって占領されたオランダでは、多くの人々が抵抗運動に参加しました。この本は、その中でも特に女性たちの役割に焦点を当てています。ブレイディは、彼女たちがどのようにしてスパイ活動、破壊工作、さらには暗殺者として活動したかを詳細に描写しています。

登場人物

  • ヨハンナ
    • 家族を守るために情報を集め、ナチスの動きをオランダのレジスタンスに伝えるスパイ。
  • トゥールースとフレディ
    • 暗殺にも関わっている姉妹。鉄道や通信施設を破壊する工作員として活動した。

 これらの女性は、異なる背景を持つにもかかわらず、共通するのは彼女たちの強い意志と愛国心です。彼女たちは、恐怖や絶望の中で希望を見出し、行動に移したのです。

彼女たちが守ったもの

 ブレイディの筆致は、読者に彼女たちの恐怖、孤独、そして決意を生々しく伝えます。特に、彼女たちが直面した倫理的な葛藤や、愛する人々を守るための苦渋の選択は、読む者に深い感動を与えます。

 また、戦争の非情さと、そこから生まれる人間の強さを描くことで、単なる歴史書ではなく、人間ドラマとしての価値も持っています。彼女たちの物語は、現代の私たちに、どんな状況でも希望を失わず、立ち上がる勇気を教えてくれます。

歴史から学ぶ勇気

 歴史に埋もれがちな女性の視点から見た戦争の実相を描き出しています。ティム・ブレイディのこの作品は、読者に勇気と反抗の精神を吹き込み、過去から学び、未来を見据えるきっかけを提供してくれます。ぜひ手に取って、彼女たちの知られざる勇敢な戦いを体験してみてください。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

1章 ヨハンナ冒頭

 ハールレムの北西部の川の西岸、ブルーメンダールを望む一帯にクレフェルパルクと呼ばれる地区があり、そこそこの高級住宅街でした。両親からはヨー、歴史上はハニーと呼ばれる症状が、オランダの児童書『銀のスケート』の主人公ハンス・ブリンカーのような子供時代を過ごしたのは、この住宅地のファン・ドルトストラート公園の向かいの、風車のそばの長屋です。

 毎朝、ヨハンナ・シャフトは教科書をしっかり抱え、赤髪を揺らしながらテッテローデ通りにある小学校に通っていました。ヨーはとても優秀な生徒で、教室では積極的に挙手して質問をし、先生にも一目置かれていました。

 ヨーは、1935年から1936年のイタリアのエチオピア侵攻に関するレポートを書くようになります。独裁者ムッソリーニがアフリカで権勢をふるうのを世界が止められず、創設されてまもない国際連盟もなすすべもなく傍観していると論じました。ヨーロッパ式最新兵器で中毒死させられたり殺戮させられたりしているエチオピアのアビシニア人に哀惜の念を寄せています。

 ヨーは世界の平和運動家に憧れるようになりました。マハトマ・ガンジー、アルベルト・シュヴァイツァー、カール・フォン・オシエツキーを敬愛しています。

5章 2月のストライキ オフェルシュテーゲン姉妹冒頭

 オフェルシュテーゲン姉妹も、ハールレムで母のトレインチェとともに違法行為に加わっていました。1941年の「二月のストライキ」以前から、トゥールースは母と中央広場でジャガイモを売っているリヌス・ホエベエという共産党員を定期的に訪ねています。ジャガイモの下に隠してあるチラシの束をもらうためです。

 トレインチェが印刷したチラシを姉妹は、知人とともにハールレムの労働者に配りました。多くの労働者が抗議デモに参加し、フレディはハールレムの近くのライデン・ゲートから来た女性たちといっしょに地元のシャツ工場のストライキに加わっています。

 トゥールースが運河沿いの家々の郵便受けにストライキに関するパンフレットを配る手伝いをしていると、いつドイツ兵が現れるかわからないと警告を受けるのと同時に、小娘が配るストライキのチラシなどと本気にしてくれないことがほとんでした。

購入リンク

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