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目次
書籍情報
レーニン・セレクション
発刊 2024年1月10日
ISBN 978-4-582-76959-3
総ページ数 318p
ウラジーミル・レーニン
平凡社
- まえがき
- 思想と生涯 社会主義革命の父レーニン | 和田春樹
- 1 革命の形成
- 2 成熟と試練
- 3 戦争から革命へ
- 4 社会主義的内戦の道
- 5 悩める統治者
- I 革命家の人間学
- 1 原点
- 兄の処刑
- ヴォルガ体験
- チェルヌイシェフスキー
- 国民的課題の意識
- なにをなすべきか
- 2 方法
- 唯物史観
- 基底還元主義
- 段階論
- 歴史的楽観主義・西欧主義
- 反客観主義
- 階級闘争の理論
- 祭りとしての革命
- 革命の困難
- 昨日の理論と生きた現実
- 夢見ること
- 3 人間
- 師と仰ぐ人
- 母と妻と
- 愛について
- 謙虚さ
- 1 原点
- II スチヒーヤと意識
- 1 党と大衆
- 大衆の高揚と革命家の立ちおくれ
- 労働者の組合主義的意識
- ブルジョア・イデオロギーへの屈服
- 階級的意識への道
- 社会民主主義社の課題
- 全人民の護民官として
- 職業革命家の秘密組織
- 現代のジャコバン派
- ペテルブルク労働者の革命的本能
- 等組織の改造
- 等組織の諸原則
- 2 革命独裁・革命政府
- プロレタリアートにとってのブルジョワ革命
- プロレタリアートと農民の革命的民主主義的独裁
- 臨時革命政府の構成
- エスエル政府と社会民主主義派
- 臨時革命政府にかんする決議案
- ブルジョワ革命と社会主義的変革
- 踏み切れることのない革命
- 3 農民観・農業綱領
- 最初の農業綱領
- 階級としての農民
- 土地総割替と国有化
- 共同体験
- 農民革命のはじまり
- 綱領の改定
- アメリカ的な道とプロイセン的な道
- 農民の夢、ナロードニキの夢
- 1 党と大衆
- III 戦争・帝国主義・革命
- 1 世界大戦
- 開戦の衝撃
- 自国政府の敗北
- 戦争を内戦へ転化せよ
- 1915年テーゼ
- 2 帝国主義認識
- 『帝国主義』の課題
- 生産の集積と独占体
- 銀行とその新しい役割
- 金融資本と金融寡頭制
- 資本の輸出
- 資本家団体による世界の分割
- 列強による世界の分割
- 資本主義の特殊な段階としての帝国主義
- 寄生性と資本主義の腐朽
- 帝国主義の批判
- 帝国主義の歴史的位置
- 帝国主義と民主主義
- 3 新しい革命論
- 一時代としての社会主義革命
- 先行革命の政府にとってはあたらしい民族問題がおこる
- 先行革命の政府は革命戦争をする
- 民主主義を通じて社会主義へ
- 展望
- 1 世界大戦
- IV 社会主義革命の道
- 1 1917年革命
- 二月革命
- 四月テーゼ
- 戦争経済が社会主義を近づける
- 革命国家のユートピア
- 農民革命の承認
- 武装蜂起を呼びかけるレーニン
- 十月革命
- 労農臨時政府
- 軍隊民主化法制定
- 2 社会主義的内戦とプロレタリア独裁
- 憲法制定会議を解散する
- 勤労被搾取人民の権利の宣言
- 社会主義の祖国は危機にある
- ドイツ軍との戦闘と講和
- 食糧独裁
- 国内戦争とテロル
- プロレタリアートの独裁
- コミンテルンの創設
- 3 内戦の終わりと新経済政策へ
- 内戦の終わりと食糧税への転換
- タムボフ農民戦争の鎮圧
- 党内分派の禁止
- 1921年飢民救済委員会に対する抑圧
- 1922年教会攻撃
- クルスキーへの指示
- ソ連邦の誕生
- 4 のこされた言葉
- スターリンとトロツキー
- 民族問題-抑圧民族の態度
- 農民問題-文化革命
- ロシア革命の運命
- 最後の手紙
- 1 1917年革命
プロレタリアートのブルジョワ革命
プロレタリアート
資本主義社会における賃金労働者階級のことです。 無産階級とも呼ばれます。
マルクス主義は、資本主義の社会に関して特殊な教えをしています。「商品生産に基礎をもち、資本主義的文明諸国と交易をおこなう社会は、一定の発展段階で自らも不可避的に資本主義の道に入る」などの説明です。
特殊ロシアについては、マルクス主義の命題を嚙んでふくめるように説明されているため、資本主義発展の不足のために苦しんでいます。
ブルジョワ革命は、農奴隷などを決定的に一掃し、資本主義の急速な発展を確保するような革命です。なので、プロレタリアートには極度に有利になっていました。
ロシアの政治制度の民主的改造と社会経済的改造は、資本主義を破砕して、ブルジョワジー支配は壊すものではありません。むしろ、広範に資本主義を展開し、階級としてのブルジョワジー支配を可能にすることを意味しています。
段階的な帝国主義
帝国主義をできるだけ簡単に定義する必要があるとすれば、帝国主義とは資本主義の独占段階ということでしょう。
独占体と金融資本の支配が成立した状態です。資本輸出がきわだち、国際的に世界の分割が始まり、地球の全領土分の分割が終わった段階になっています。こういう発展段階にある資本主義が帝国主義です。
金融資本と国際トラストは、世界経済の成長速度を強めます。力関係が変化した矛盾の解決は、資本主義のもとでは、力に求める以外にできるでしょうか。
生産力の発展と資本の蓄積、他方における植民地と金融資本の「勢力範囲」の分割_2つのあいだの不均衡を除去する手段は、資本主義の基盤に立つ限り、戦争以外にあるのでしょうか。
一時代としての社会主義革命
ヨーロッパにおける社会主義革命は、すべての、そしてありとあらゆる類の抑圧がされ、不満を抱く人々の大衆的闘争の爆発以外の何ものでもあり得ません。
小ブルジョワジーと遅れた労働者の一部も不可避的に社会主義の革命に参加するでしょう。
社会主義が実現されるのは、あらゆる国のプロレタリアの統一行動によってではなく、先進的資本主義の発展段階に達した少数の国のプロレタリアの統一行動よってです。
未発展の国々、東ヨーロッパ全体と、植民地と半植民地の全体では事情が別です。
先進国のプロレタリアートがブルジョワジーを打倒し、その反革命の企図を撃退しているあいだ、未発展の被抑圧民族は待ってはいないし、生きることをやめもしません。勝手に消えることもありません。
先進国におけるブルジョワジーに対するプロレタリアートの内戦。未発展の、後進的な被抑圧民族における民族解放運動をふくめた民主主義的、革命的な運動。この2つを統合した一時代という形でしか、社会革命はおこりえません。