自律神経の科学

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 春になると、気候とは裏腹に気分が沈みがちになります。人間は、冬に休める期間が少なかったからかもしれません。

 心身の不調を感じるのは、春だけではないのです。なんだか気持ちが落ち着かないなということは、よくあります。自律神経が原因かもしれません。

 交感神経、副交感神経は自律神経の代表格です。身体の動きをバランスよく保ってくれる交感神経と副交感神経に、内臓求心性線維と腸管神経系を加えた神経系を自律神経系と呼んでいます。

 自律神経の理解が深まれば、それぞれに抱えている悩みの解消につながるかもしれません。

書籍情報

タイトル

自律神経の科学

「体が整う」とはどういうことか

第1刷 2023年4月20日

発行者 鈴木章一

発行 (株)講談社

カバー・目次イラスト 小泉さよ

本文デザイン 齋藤ひさの

装幀 五十嵐徹

本文図版 アトリエ・プラン

本文印刷 (株)KPSプロダクツ

カバー表紙印刷 信毎書籍印刷(株)

本文データ制作 ブルーバックス

製本所 (株)国宝社

ISBN978-4-06-526716-5

総ページ数 246p

著者

鈴木郁子

出版

KODANSHA

神経と薬の副作用

UnsplashMichał Parzuchowskiが撮影した写真

 交感神経の節後線維の末端からはノルアドレナリンが放出されています。それが臓器側のα受容体やβ受容体に作用することによって、内臓の活動に変化が現れるわけです。たとえば心臓や気道ではノルアドレナリンはβ受容体に、血管ではノルアドレナリンがα受容体に作用することによって、筋肉が収縮したり弛緩したりします。

 β受容体の発見から14年後、開発されたのはプロプラノロールという薬剤です。β遮断薬と呼ばれます。高血圧の患者さんがこの薬を服用すると、交感神経の節後線維からノルアドレナリンが放出されたとしても、心臓のβ受容体には作用しません。結果的に心拍は抑えられ、血圧が下がります。ただし、過度に脈が落ちるなどの副作用があるのです。

 喘息を患っている患者にβ遮断薬を投与することは禁忌となっています。交感神経は気道の筋肉を緩める方向に働きかけています。β遮断薬を服用すれば、ノルアドレナリンは受容体に作用しなくなり、気道が狭まってしまうのです。

 現在は高血圧の第一選択薬にβ遮断薬が選ばれることはありません。主に重篤な心不全のケースで使用されます。

散歩、料理、アロマ

Image by Hans from Pixabay

 手足だけでなく、咀嚼や耳たぶなどの刺激も、脳血流を増やすことが明らかになりました。寝たきりの患者に手足をさすったり、動かしてあげることで、運動機能だけでなく、脳機能をも維持してあげられる可能性があるのでしょう。

 前脳基底部コリン作動性神経は、脳内の大脳新皮質、海馬、嗅球の3つ領域に延ばしています。延びている神経線維に損傷を受けた場合には、認知機能に影響が現れることが推測できるのです。

 嗅球に延びている線維の数はもっとも少なく、最初にダメージを受けやすいと考えられています。日常生活においてさまざまな種類の香りを楽しみ、嗅覚を研ぎ澄ますのも、認知症の予防になるかもしれません。

 散歩による手足への刺激、食事を食べるときの咀嚼、料理の匂いやアロマの香りを楽しむことは、脳血流を増やし脳機能の維持につながる可能性を秘めています。

脳と自律神経と体内リズム

Image by Karolina Grabowska from Pixabay

 体内リズムを24時間に補正しているのは脳です。目から入った光の情報は、脳の視床下部の視交叉上核というところに達すると、補正が行われます。

 視交叉上核からは脳内の広い範囲に神経が延びています。視交叉上核から視床下部の室傍核を経由し、交感神経の節前線維が出ている脊髄に至る経路が、有名です。

 交感神経系には日中に高く、夜間に低くなるとリズムができると考えられています。

 日中は交感神経が高くなり、血圧や心拍も高くなるのです。心筋梗塞など血管系の病気が午前中に集中しやすいのは、心臓の交感神経活動が明け方から午前中にかけて急激に上がることと関連があるといわれています。

 夜間に交感神経活動が下がることは、体温の恒常性を維持するうえで重要です。皮膚の血管を支配している交感神経の活動が下がると、皮膚の血管は拡張し、熱が逃がされ、体温は下がり気味になります。

超資本主義社会に合わせる必要はない

Image by Steve Buissinne from Pixabay

 利益ばかりを追求していると、あらゆる神経系は疲弊してしまいます。

 経済発展やグローバルの波に、個人や社会人が巻き込まれるのは寂しい風景です。技術や文化を残し、自給率を上げるなど、利益や効率より大切なことはたくさんあるでしょう。

 自分なりの生き方を大切にすると、少しは生きやすくなるかもしれません。

 動物は太陽のリズムに従って寝起きし、リズムを崩さずに生きています。彼らは口に入れるものに対しても非常に敏感で、滅多にお腹を壊したりしません。

 昼は餌を求めて走り、夜は疲れて休みます。ストレスもありますが、彼らは自律神経系のバランスを絶妙に保ちながらたくましく生きています。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 ずっと夜勤で無理する、FIREしたいから投資資金を無理におさえる、老後資金が心配だから「~年金」という保険商品に無理して入っている、副業の時間を無理くりつくる。そんなことより、体が大事だと思います。

 今なら、定年を過ぎても簡単な仕事はありますし、最低限の生活をするための資金を稼ぐのは難しくありません。

 一方で、健康を損なえば戻らないことがほとんどです。

 健康には自律神経がかなり関わってくるのは、感覚的にもわかる人は多いのではないでしょうか。この本は一般人の読者が、自律神経への理解を深められるように書かれた本です。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

購入リンク

※amazonの商品リンクです。画像をクリックしてください。

電子

※amazonの商品リンクです。画像をクリックしてください。

(Visited 9 times, 1 visits today)
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です