脳と身体を最適化せよ!/著者:モリー・マルーフ

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書籍情報

タイトル

脳と身体を最適化せよ!

_「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法

発刊 2024年2月13日

ISBN 978-4-478-11516-9

総ページ数 506p

著者

モリー・マルーフ

医学博士。
世界中の起業家や投資家、テック企業あのエグゼクティブを対象に個別化医療サービスを提供する人気のコンシェルジュドクター。
非緒人の健康寿命を延ばすことに情熱を注いでいる。

出版

ダイヤモンド社

もくじ

  • はじめに
  • PART 1 脳と身体を最適化する方法
    • Chapter 1 なぜ「脳と身体の最適化」が必要なのか?
      • 現代人が直面している「エネルギー危機」
      • 人生の最後まで活動的に過ごす
      • 「寿命は遺伝子で決まっている」わけではない
      • 人生の終わりまで脳と身体を最高の状態に保つ
      • 110歳まで健康に生きる方法
      •  遺伝子に反する現代生活
      • 「健康」とは「逆境への適応能力」である
      • 診断不能な「エネルギーの枯渇問題」は自力で改善できる!
      • 「エネルギー容量」を増やす
      • エネルギー容量が不十分なときのサイン
      • エネルギー容量を減らす要素と増やす要素
      • 「医療システム」では脳と身体を最適化できない
      • バイオハックが脳と身体を最適化する
      • バイオハックで実現する3つのメリット
    • Chapter 2 ミトコンドリアがエネルギーをつくる
      • ミトコンドリアがエネルギーを生みだす
      • ミトコンドリアは体内の監視役
      • 慢性疲労とウイルスの関係
      • ミトコンドリアの機能を向上させる方法
      • ミトコンドリアのためのサプリメント
        • サプリメントを安心して活用する方法
      • 習慣がミトコンドリアに与える影響
      • 適度なストレスがミトコンドリアを最適化する
      • サウナ後に長時間の水風呂は危険
        • ストレスがミトコンドリアを鍛える理由
      • ストレスを活用してエネルギーを増やす
      • 最適なストレスと回復を生む4つの方法
        • ストレスを受けた植物があなたをより強くする
      • Chapter2まとめ ── ミトコンドリア機能を高めるバイオハック
    • Chapter 3 現代人に必要な科学的健康法
      • バイオハックにハイテク機器は必須ではない
      • 身体の情報収集で不調の真の原因を探る
      • バイオハックによる健康最適化の6ステップ
      • トラッキングすれば最適化ができる
      • 理想的な習慣をつくる
      • 「完璧な健康」に執着してはいけない
      • 女性にとってのバイオハック
      • 人生の時期によってバイオハックも変わる
        • ホルモンとジェンダーの考察
      • Chapter3まとめ ── バイオハックの始め方
  • PART 2 運動で脳と身体を鍛える
    • Chapter 4 身体活動 ── わざわざジムに通わない
      • 「週に150分の運動」ができなければ「運動不足」
      • ジムのトレーニングも座りっぱなしで無駄になる
      • 運動不足解消のために「ジムに通う」必要はない
      • 毎日1000歩ずつ歩数を増やす
        • 活動量計で身体活動量を正確に把握する
      • 「これは運動だ」と考えるだけで健康になれる
        • 仕事をしながら活動量を増やす3つの方法
      • 姿勢の悪さが様々な不調の原因となる
      • 「正しい姿勢」がメンタルを強くする
        • 血中酸素で姿勢の正しさがわかる
      • 「正しい座り方と立ち方」を身につける方法
      • 自然な身体活動として「遊び」を取り入れる
      • Chapter4まとめ ── 身体活動のバイオハック
    • Chapter 5 運動 ── 最も効率的な最適化法
      • 運動こそ最も安上がりで、最も効果的なバイオハック
      • 運動は脳を鍛え、老化すら抑制する
      • ミトコンドリアを鍛えるには運動しかない!
      • 1日1時間の運動が早死にを防ぐ
        • 安静時心拍数を使って健康状態を判断する方法
      • 最適な「運動の激しさ」を把握する
      • 心肺機能を高める運動 ── 有酸素運動
      • 最高に効率のいい運動 ── HIIT
      • 初〜中級者向けのHIIT
      • 人生の分かれ道は「筋トレ」で決まる
      • 自宅での自重トレーニング
      • タンパクの最適な摂取量は?
      • タンパク質を摂取する最適なタイミング
        • タンパク質の摂りすぎは逆効果
      • 心の状態を最適化する運動 ── ヨガ・太極拳
      • ヨガは科学的にも心身を健康にする
      • 筋肉をつければ長生きもできる
      • 運動を習慣化する秘訣は「気持ち良さ」
      • Chapter5まとめ ── 運動によるバイオハック
  • PART 3 体内のエネルギーを回復する
    • Chapter 6 食事 ── 栄養のベスト&ワースト
      • 「身体に良い食べ物」を鵜呑みにしてはいけない
      • 炭水化物を摂取するとき注意点
        • 果糖は健康にどう影響するのか?
      • ノンカロリー甘味料で体重が増える
        • 残念ながら、オーツミルクは健康食品ではない
      • 「摂ってはいけない」&「摂るべき」脂肪
        • オメガ脂肪酸バランスを最適化する
        • 上級レベルの脂質検査を受けてみよう
        • メタボはどれほど危険なのか?
      • 「食べてはいけない」&「食べてもいい」タンパク質
        • レクチンは身体に悪いのか?
      • ビタミン・ミネラルと野菜を効果的に摂る
      • 自分に合う食事法のみつけ方
      • 特定の食事法にこだわってはいけない
      • エリミネーションダイエット(除去食)のすすめ
      • Chapter6まとめ ── 食事のバイオハック
    • Chapter 7 血糖値 ── 最強の体内指標
      • いくら食べても「餓死する」と感じている
      • 内臓脂肪は痩せている人にも蓄積する
      • なぜ血糖値が高いと糖尿病になるのか?
        • 血糖値とインスリン値の最適化で美肌になる
      • 持続グルコースモニター(CGM)を活用する
      • 血糖値は低すぎてもいけない
        • インスリン検査で前糖尿病に気づく
      • 血糖値とインスリン値のベンチマーク
      • 血糖値スパイクを避ける方法 ── スプーン1杯の酢を飲む
      • 血糖値を安定させる最も効果的な方法
      • Chapter7まとめ ── 血糖値のバイオハック
    • Chapter 8 腸 ── 微生物とうまく共生する
      • 腸管バリアが損傷していないか
        • リーキーガットが自己免疫疾患につながる仕組み
      • 腸内環境の整え方 ── 野菜・果物・ナッツを食べる
      • 便検査を一度受けてみる
      • 健康な腸をつくるための食事ルール
      • Chapter8まとめ ── 腸のバイオハック
    • Chapter 9 代謝 ── 断食は最高の薬
      • なぜ炭水化物の摂取量を減らすべきなのか?
      • 代謝柔軟性を高める5つの方法
      • ファスティング(断食)が代謝柔軟性を高める
      • ファスティングが脳を鍛え、長寿を実現する
      • ファスティングをするときの注意点
        • ファスティングは飢餓状態ではない
      • ファスティングを始める7つのステップ
      • 初めてのファスティング中に起こり得ること
      • ファスティングを楽にする秘訣
        • ファスティング中に運動すべきか?
      • ファスティングの豊富なメリット
        • ケトジェニックダイエットの方法
      • Chapter9まとめ ── 代謝のバイオハック
  • PART 4 精神状態を整える
    • Chapter 10 ストレス ── 不安の原因を整理する
      • あなたを生存させるストレスの効能
        • ストレスに関連する語彙を増やす
      • 慢性ストレスの危険性 ── 脳と身体にダメージを与える
      • 気づかないストレスの隠れた原因
      • 現代人が「漠然とした不安」を感じる理由
      • 「不安モード」をもたらす3つの状況
      • 子どものころの小さなトラウマにも影響される
      • 深刻なトラウマと向き合う
      • あなたの「核となる傷」を突き止める
        • 複雑性心的外傷後ストレス障害(複雑性PTSD)
      • 専門家の手を借りて不安感を治療する
      • Chapter10まとめ ── ストレスのバイオハック
    • Chapter 11 メンタル ── 疲れた心を癒す習慣
      • メンタルの状態を心拍変動(HRV)で把握する
      • 迷走神経を刺激してメンタルを回復する
      • メンタルを最適化する方法
      • 呼吸でメンタルを整える
      • 睡眠を最適化する ── 横向きに寝たほうがいい
        • 睡眠をトラッキングする効果
      • マインドフルネスでメンタルを鍛える ── 歯磨き中もできる
      • 瞑想は究極のメンタル回復ツール
      • メンタルを回復させる習慣をつくる
      • メンタルの回復を促す多様な方法
      • レジリエントな性格を養う方法
      • 人生の目標を明確にする「英雄の旅」
      • Chapter11まとめ ── メンタルのバイオハック
  • PART 5 人生の幸福を最大化する
    • Chapter 12 女性ホルモン ── 周期を味方につける
      • 月経周期を理解する ── ホルモンの変動に適応する
      • 月経周期の各フェーズによるホルモンの違い
        • サプリメントでPMS(月経前症候群)をハックする
      • ライフステージ別の女性ホルモンの変化
        • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは何か?
        • エストロゲン優位の治療プロトコル
      • Chapter12まとめ ── 女性ホルモンのバイオハック
    • Chapter 13 セックスと妊娠 ── 固定観念を解き放つ
      • より良いセックスへの道をハックする
      • 心理的に性的興奮を得られにくい場合
      • ホルモン避妊薬は使ってもよいのだろうか?
      • 妊孕性を最適化する方法
        • 卵子凍結をするべきか?
      • 妊孕性を高めるために避けるべき要因
      • Chapter13まとめ ── セックスと妊娠のバイオハック
    • Chapter 14 人間関係 ── スマホ中毒と孤独からの脱出
      • 社会的つながりがエネルギーに影響する
      • 自分を愛することが最高のバイオハック
      • スマホを使わない人ほど幸福感が高い
      • スマホの利用状況を自己評価する
      • 現実世界で人とつながる
        • 個人主義が孤独を広げている
      • 親密につながり合ってオキシトシンを増やす
      • 触れることでオキシトシンを増やす
        • オキシトシンとプラセボ反応
  • おわりに

はじめに

 子供の頃に、耳の感染症、連鎖球菌性咽頭炎、肺炎、へんとう炎など複数の感染症を患っていました。病院への親近感や医師になることへの興味につながったように思います。

 高校に入学すると、将来医師になるという意欲で、睡眠時間を削って勉強しました。自分の脳と身体の状態をハックしようとこころみていたのです。

 大学に入っても目標のために生活を組み立てて行動していました。病院でボランティアをしながら研究に取り組み、複数の図書館で勉強し、学び方を身につけることに集中していたのです。

 その学びこそ私のバイオハッカーとしての将来の土台となりました。自分の身体問題を解決し、自ら立てた健康目標を達成する方法を見い出す、これはバイオハックそのものです。

 医学部では、身心を回復させる時間がなく、不満を抱え、成績も下がりました。健康に気を配らなかったせいで、かかる負担に見合うだけのエネルギーが不足していたのです。

 バイオハックは、あなたが運命や人生の目的をまっとうできるよう、エネルギーの拡大をします。

 本書の目的は、任性を最適化するお手伝いをすることにあるのです。

自然な身体活動として遊びを取り入れる

 遊びを取り入れれば、より機敏で、より柔軟で、より安全な動きを保つことができます。

 バスをつかまえるために急に走ったりすれば、足を捻って転ぶ可能性もあるでしょう。遊びのトレーニングででこぼこした場所を歩き慣れていれば、転ばずに済むはずです。

 やり方は自身で工夫してもいいです。遊びは競うものではありません。自然な身体活動を10種類紹介しましょう。

  1. 歩く
    • さまざまな場所で、異なる状態の表面上を、いろんな方向に向かって歩く
  2. 走る
    • 速く、ゆっくり、真っすぐ、カーブを描くように走る
  3. ジャンプする
    • 縄跳びをする、ものを飛び越える
  4. 四つん這いで動き回る
    • 両手両膝をついて這う、クマ歩きをする、前転や後転をする
  5. 登る
    • 木登り、ロープクライミング、ロッククライミングなど
  6. 平衡感覚を養う
    • 片足立ち、スラックライン、平均台遊びなど
  7. 投げる
    • 小石を湖に投げる、ボールを投げる、犬を喜ばせるために棒を投げる
  8. 持ち上げる
    • 子どもや荷物、ショッピングバッグなどの重い物を持ち上げる
  9. 泳ぐ
    • プールや自然の水域で泳ぐ
  10. 防御する
    • 格闘技ごっこで防御する

 毎日何らかの遊びを取り入れてみましょう。

 数分程度でできることですが、遊びは可動性を維持する真面目な方法です。

断食するときの注意点

 20代で健康なら、ファスティング(断食)を頻繁にする必要がありません。ファスティングにはまっている人もいるので、否定をするつもりはないけれど、妊娠可能な健康の若い女性が、12時間を超えてファスティングをする必要はありません。ファスティングをしなくても、運動やカーボサイクリングでケトーシス状態をつくれるでしょう。

 ファスティングをするべきでない状態は他にもあります。妊娠中、授乳中の場合、健康の知識に乏しい場合、睡眠障害を抱えている場合です。

 ファスティングが現在や過去の摂食障害を悪化させるおそれがあります。

 また、糖尿病の場合は、ファスティングを始める前に主治医に相談してほしいと思います。薬の量などの調整が必要な場合があるからです。

 ストレスを多く抱えている場合も、ホルモン機能障害の兆候がみられる場合もファスティングに重点を置くべきではありません。慢性ストレスの状態にあるときは、規則正しい食事が回復の鍵となる場合があります。慢性ストレスの場合は、ファスティングやケトーシスといった代謝ストレスは避け、瞑想やヨガ、十分な睡眠、自然の中やコミュニティで過ごす時間など、身心の回復につながる活動に重点を置くようにしましょう。

睡眠を最適化する

 健全な概日リズムは快眠につながり、快眠は回復を促し、記憶を定着させ、脳を掃除します。

  • 一定の睡眠スケジュールを守る
    • 就寝時間と起床時間の変化を約90分の枠内に維持することが、概日リズムを整えるのに役立つ
  • 心地よくくつろげる寝室にする
    • 空気の質が良く、寝心地の良いベッドを備えた清潔な寝室で寝る
  • 睡眠時は光と音を遮断する
    • 遮光カーテンや安眠マスク、耳栓を使ってすべての光と音を遮断する
  • 夜はアルコールやカフェインを摂取しない
    • 寝る8時間前にはカフェインの摂取をやめるようにする
  • 睡眠をトラッキングする
    • ウェアラブルデバイスを使って睡眠をトラッキングし、睡眠状態を確認する

 トラッキングデバイスを使えば、床に就いていた時間ではなく、実際に寝ていた時間がわかります。正常な睡眠がとれていたかを判断することができるでしょう。トイレに何回も起きていたとしても、年相応に寝れていることがわかれば安心できます。

 最近では、無呼吸時間を計測できるデバイスもあります。しかし、いびきや深刻な睡眠障害がある場合には、臨床睡眠検査の受診をしてください。

親密につながりオキシトシンを増やす

 人間が持つ資質のひとつが、愛のためにつながることです。

 特に女性はオキシトシン優位であり、信じられないギフトを授けられます。子どもを産み育て、コミュニティを築くことができる特徴があるのです。

 ちなみに、男性の場合はバソプレシンが優位であり、生まれつき保護と防御のためにつながり合います。

 オキシトシンは社会的報酬を感じやすくします。友人や家族といると、心が落ち着き、安心感を得るといったものです。愛情は、行動を起こす原動力でもあり、男女の場合ですと生殖の可能性を高めたりします。

 実は、オキシトシンは植物接種の調節をつかさどる脳の部位でつくられ、食物摂取と食欲に重要な役割を果たしているのです。脂肪燃焼や体重減少、インスリン感受性を促進します。抗炎症剤と抗酸化剤の役割も果たし、傷の治りを早めます。

 要するに、オキシトシンは体内のミトコンドリアと代謝の健康を守っているのです。

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