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目次
書籍情報
答えのない時代を生きるために、哲学が教えてくれること
前田圭介
中学高等学校の特別研究教員と「知窓学舎」副塾長を兼任。
政治、経済の教科書作成に携わる。
彩図社
- プロローグ あなたはどんな人間ですか?
- 第1講 なぜ「本当の自分」を追い求めるのか?
- 【キーワード】
- アイデンティティ
- ペルソナ
- 分人
- 単一の自己
- アイデンティティ・ポリティクス
- 【キーワード】
- 第2講 「他者」と分かり合うことは望ましい?
- 【キーワード】
- 鏡に映った自我 ” と “Me”
- コミュニケーション
- 結合と分離
- 役割演技、ドラマツルギー
- 【キーワード】
- 第3講 「自分」はどこまで自分のものか?
- 【キーワード】安楽死/尊厳死
- 自己決定権
- 優生思想
- QOL(生命の質)
- エンハンスメント
- 身体の自己所有
- 【キーワード】安楽死/尊厳死
- 第4講 「不健康に生きる権利」はあるか?
- 【キーワード】
- 公衆衛生
- 功利主義
- 他者危害原則
- 多数者の専制
- パターナリズム
- 愚行権
- ナッジ
- 【キーワード】
- 第5講 人は何に対して責任を負うのか?
- 【キーワード】
- 自由の刑
- 自由意志
- 他行為可能性
- 決定論
- 中動態
- 強い責任と弱い責任
- 【キーワード】
- 第6講 民衆の意見はどこまで政治に反映されるべき?
- 【キーワード】
- 自由民主主義(リベラル・デモクラシー)
- 衆愚政治
- 哲人政治
- 民主主義のジレンマ
- 永遠の微調整
- ポピュリズム
- フィルターバブル
- エンパシー
- 【キーワード】
- 第7講 戦争は止められない?
- 【キーワード】
- 正戦論
- 総力戦
- 戦争違法化
- 安全保障のジレンマ
- スマートな戦争
- 人間の安全保障
- 核抑止
- 相互確証破壊
- ゲーム理論
- 【キーワード】
- 第8講 働くのは何のため?
- 【キーワード】
- 労働/仕事/活動
- 職業召命観
- 労働の疎外
- やりがいの搾取
- ブルシット・ジョブ
- ベーシックインカム(BI)
- 脱労働社会
- 計画された偶発性
- 【キーワード】
- 最終講 なぜ哲学を学ぶのか?
- あとがき
書籍紹介
「自分はどこまで自分のものか」「助けを求めるのは無責任なのか」「多数派の支持は正義と言えるのか」といった、誰もが一度は頭をよぎる問いをテーマに、対話形式で哲学の扉を開きます。これらの問いは、現代社会で感じる不安や葛藤を象徴しており、すぐに答えが出ないからこそ、深く考える価値があると著者は説きます。
SNSやAIが浸透する現代では、情報の洪水の中で何を信じ、どんな価値観を持つべきか迷いがちです。この本は、そんな状況で立ち止まり、自分の内面と向き合うための思考法を提案します。哲学を通じて、他人や社会の意見に流されず、自分なりの「正しさ」を見つけ出すプロセスが丁寧に描かれています。
現代を生きる私たちにとって、この本は、答えのない世界を歩むための心強いコンパスとなるでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
異なる他者と共存

大衆と歯、善い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分は「すべての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、他の人々と同一であることに喜びを見出しているすべての人のことである
オルテガ・イ・ガセット
この『大衆の反逆』が刊行されたのは1930年、ナチ党が政権を握る数年前のことです。大衆が何でも決められるかのように勘違いをしていると分析し、こうした時代に大衆が暴走することを機具していました。
オルテガの言う「大衆」は、庶民階級のことではなく、個性を失って群衆化した人々のことです。エリートであっても「他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出す」ような人は、「大衆」の一員となります。
自分の専門分野のことしか知らないような視野の狭い人を痛烈に批判しているのです。